Autumn shower(6) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「今、ごはん温めますね、」

 

よっこいしょ、とさくらは立ち上がろうとしたが

 

「ああ、自分でやるから大丈夫。 それより・・ちょっと話があるんですけど、」

 

葦切は神妙に言った。

 

「話?」

 

 

葦切は自分で料理を温めてトレイに乗せて運んできた。

 

「・・育休・・?」

 

「ええ。 社長や南さんが進めてくれました。」

 

そして手を合わせて食べ始めた。

 

「や・・そんな。 耕平さんに育休取ってもらうとか。 これから忙しい時期に。 斯波さんだって困っちゃいますよ、」

 

さくらは意外な展開にやや焦った。

 

「これからホクトでも男性の育休を進めていきたいって感じで。 ぼくにテストケースとして・・って言ってました。」

 

さくらはそれに少し考えた後

 

「それは。 ウチはいいです。 同じ業界にいる私はその大変さはわかってますから・・。 幸い、ウチの会社の方は来年の3月までは休んでも大丈夫、と言われてますし。」

 

と言った。

 

「もちろんぼくも育児を手伝います。 いや・・手伝うっていうとホント軽く思われてしまいそうですが。 育児を、します。 そのために仕事を休まなくてはならないこともあるかもしれない。 会社にも迷惑をかけないように・・きちんと考えなくてはいけないな、と。」

 

「え?」

 

「子供が生まれたら。 できれば。 半月ほど・・お義母さんに来ていただくことはできないでしょうか。」

 

葦切は箸を置いた。

 

「や、だから・・それは・・」

 

「さくらさんのお義母さんもお忙しいでしょうが。 産後すぐはやはり実のお母さんにお世話になった方がいいと思うんです。 一番しんどい時ですし。 そのあとは。 ウチの義姉に頼んでみようと思うんです、」

 

「は? お義姉さんに?」

 

「前からチラっと言われていたんです。 さくらさんの実家も遠方だから、よかったら手伝いに行ってあげるって。 義姉は今は家の仕事だけで、そっちは母や甥で大丈夫だからって。 でも・・さくらさんが逆に遠慮して休めないんじゃないかって心配していて。 そして。 その合間にぼくもお休みを何回かにわけていただいて。 フォローしたい、と。」

 

その提案に

 

「なんか・・ 大事になってませんか・・?」

 

さくらはまだ納得できなかった。

 

「大事、ですよ。 出産は。 年齢だとかそんなの関係ないです。 赤ちゃんのいる世界は。 物理的に大変です。 とにかく手はいくらあってもいい。 少し大きくなると、精神的に大変なんですけどね。 でも物理的に大変なことは人手がないとどうにもなりませんから。 さくらさんは何でもできる人ですけど・・子育ては初めてなんですよ、」

 

葦切は真剣な表情でさくらに言い切った。

 

まだまだお気楽なさくらに葦切は滔々と諭します・・

 

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