Half bloom(13) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

いつも飄々と。

 

何でもいなして。

 

冗談なのか

 

本気なのか

 

わからないライトな彼が。

 

泣いている。

 

柚はそれに驚いた。

 

 

「・・泣いてなんか、ないよ。」

 

成は少し涙を拭いてごまかした。

 

「泣いてなんか、」

 

そう言ってまた身体を優しく抱きしめた。

 

「・・ゆーちゃん。 よく生きててくれたね、」

 

やっぱり声が震えていた。

 

「ほんと。 生きること、選んでくれて・・ありがとう。」

 

 

あんなにおしゃべりな彼が

 

それからは無口になって。

 

ただただ身体を慈しむ行為が薄暗い部屋で吐息だけの空間で続く。

 

 

彼に思いを伝えてからずっとずっと心の片隅に重くのしかかていたことが

 

ウソみたいにすーっと消えていく。

 

この人はやっぱり私が考えつかないような

 

びっくりすることを軽くやってのけてしまう。

 

「・・ナルさん、」

 

彼の頭を抱えるようにそっとつぶやく。

 

「・・ん?」

 

「ありがとう・・」

 

やっぱり。

 

私も泣いてしまった。

 

 

暑くて。

 

クーラーの設定温度を3℃も下げた。

 

「・・私。 手術します、」

 

ベッドで成に寄り添いながら柚は小さな声で言った。

 

「・・うん。」

 

「お母さんが・・」

 

「え?」

 

「一度、家に連れていらっしゃいって、」

 

「おれを?」

 

「ナルさんだということは言わなかったけど。 私が好きな人ができたって言ったら。 泣いて喜んでくれたんです。 お父さんにはまだ話してないけど。 もし。 ナルさんが私の身体を見て・・心変わりすることがあるかもしれないって。 そう思って。 本当はすごく悩んだのに。 ひょっとして私から離れてしまうんじゃないかって。」

 

そっと手を絡ませた。

 

「でも。 ナルさんってば。 あんな風に言うから。 もう、自分が悩んでたことがバカみたいに思えて。」

 

「信じてくれないかもしれないけど。 ゆーちゃんにプロポーズするまでは。 これまで生きてきてこんなに悩んだことないってくらい悩んだよ。考えたよ。 いろんなパターンを考えたけど。 最終的に。 もうゆーちゃんに会えないことが一番考えられないなって。 でも軽い気持ちでつきあうことはできないって思った。 だったら。 結婚でも、いいなって。」

 

「私が・・思いつかないようなことを。 いつも言ってくれる。 病気になってから少しずつは立ち直ってこれたけど。 やっぱり人に心が開けなくなってしまって。 こんなに長い間悩んできたことが・・ナルさんに出会ってこんなに簡単に解決するんだって。 今日までもうびっくりすることばっかりだった・・」

 

柚は身体を成に寄せた。

 

傷ついた身体を彼に見せることを柚なりに覚悟をしていました。 成と出会えたことで自分がどんどん変わっていくことがわかって・・

 

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