Half bloom(14) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

彼女の陶器のような美しい身体を見た瞬間。

 

その傷の驚きよりも

 

こんなにきれいな身体に傷をつけることが

 

どれだけやりきれなかっただろうと

 

そう思うだけで胸がいっぱいになってしまった。

 

 

成は柚を抱きしめてそっと目を閉じた。

 

「・・今は。 死んだお母さんの・・苦しみとか。 やるせなさがわかる。」

 

その言葉が柚の胸に刺さる。

 

「産みの母親のことも・・どこか他人事みたいで。 なんか。 全然わかってなくて。 大事な人を遺して逝くことがどれだけ無念だったか。 ようやくわかるようになった。 ゆーちゃんのおかげだよ、」

 

彼女の髪にキスをした。

 

さっきは

 

神崎に戸籍を変えたのは自分の保身だなんて言ったけれど

 

それが本心でないことはすぐにわかった。

 

「私には。 ホントの気持ちを・・見せていいんですよ、」

 

柚は彼の頬にそっと触れた。

 

この人はとても照れ屋で。

 

かっこつけることがとても恥ずかしくて。

 

すぐに茶化してしまう。

 

本当は誰よりも周囲の人たちのことを思って。

 

「私。 ナルさんと。 家族になりたいです・・」

 

そして耳元でそう囁いた。

 

「もー・・。 そんなん言われたら。 嬉しくて。 またシたくなる!」

 

いつもの成になって彼女を抱きしめた。

 

 

彼女を家まで送って行った。

 

「んじゃあ。 ゆーちゃんの家に。 行かせてもらおうかなー。 オヤジの懇意にしてる先輩とはいえ。 おれお父さんに会ったことないし、」

 

そろそろ彼女の家に着こうとしているときに成は柚に言った。

 

「お母さんに。 話しておきます、」

 

柚もホッとしたように笑顔を見せた。

 

その時。

 

「・・ん?」

 

柚の携帯が鳴った。

 

それを取ろうとした時、マンションの前で携帯で電話をする父の姿が。

 

「・・お父さん、」

 

柚の携帯のウィンドウにも『お父さん』の文字が。

 

「・・柚、」

 

成は思わぬ展開に目だけ動かした。

 

え?

 

ちょっと待って。

 

心の準備・・

 

思わず胸を抑えた。

 

「・・ど、どうしたの、」

 

柚は動揺した。

 

「・・いや。 お母さんから、おまえが・・手術を考えてるってきいて、 それで、」

 

そう言いながら目だけチラチラと成を見る。

 

 

・・なにこの

 

絵に描いたような『修羅場』。

 

 

成は背中に嫌な汗をかき始めた。

 

 

「きみは、」

 

そしてずいっと近づかれた。

 

「あ、あの、」

 

柚が成を紹介しようとする前に

 

「・・きみは。 神崎の・・息子か?」

 

いきなりそう言われた。

 

「え? は? な、なんで・・わかったんですか、」

 

成は会ったこともない柚の父親がなぜ自分を知っているのかがわからなかった。

 

「そっくりじゃないか。 すぐわかる。」

 

「・・いや・・。 父親に似てるって一度も言われたことないですけど・・」

 

そう言ってしまってからすぐに

 

いや、そうじゃなくて!!

 

 

とてもとても怖い顔で睨まれてることに気づいた。

 

たくさんの思いを越えて結ばれた二人。 ですが。 突然柚の父と遭遇してしまい・・

 

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