Root(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「そうですか・・小野塚先生が、」

 

葦切はさくらの作った食事を採りながらぽつりと言った。

 

「あたしもつきあいは長いですがー。 彼の家がそんなにややこしいとは知りませんでした。 本当にいつも明るいし落ち込んでいるところも見たことがないし。」

 

さくらは彼にお茶を運んできた。

 

「期待が大きいんですね、」

 

「ナルは頭の回転も速いし、勉強ができたかは知らないんですけど、コミュ力も高いし、めちゃくちゃデキる男なんですよ。 設楽さんの事務所にいた頃も一応社長は他にいましたが、ナルの方が正直社長より権限あるんじゃないかってくらいで。彼のマネジメント以外に小学校や中学校への音楽教室に派遣で行ったり、母校の音大へも臨時講師で行ってたこともありますし。 レコード会社の人に気に入られて引き抜かれそうになったこともありましたね・・」

 

さくらは彼の前に座りながら、過去のことをいろいろと思い出していた。

 

「本当だったら。ウチみたいに小さな会社に来てもらうのも申し訳ないくらいの人なんですけど。 親御さんのことを思うとちょっと複雑っていうか、」

 

「ぼくは末っ子だったし、親から全く期待されてなかったから・・。 まあ、音大で教職取っていつかは地元に戻ってきてほしいみたいなことは言われましたけど。それもこれも兄の一家が両親を支えてくれるからぼくも甘えられるんであって。 ほんと感謝しかないですね、」

 

葦切は自分のことを思う。

 

「あたしだって。 大我が生まれてくれたおかげでこうして自由にやっていられるんですから。 家を継がないって言った時の親の絶望感・・今ならわかるかなーって。 その時はもう自分がやりたいことしかやりたくなかったですからね。」

 

「お互い。 親不孝してますね・・」

 

なんだか食卓がしんみりしてしまった。

 

それを察したさくらが

 

「そういえば! 今日、赤ちゃんが動くのわかったんですよ! ちょっとだけ!」

 

明るい声で言った。

 

「え、ホントですか? もう5か月ですもんね、」

 

葦切の顔も明るくなった。

 

「今まではおなかに赤ちゃんがいるってのも半信半疑っていうか。エコー見ればいるってわかるんですけど、もうつわりもなくなって、うっかりすると妊娠してること忘れそうだったんですけど。 なんか実感わきますねー。 ね、性別わかるようになったら聞きます?」

 

「うーん。 生まれるまで楽しみにしたい感じもありますねー・・」

 

「あたしも! じゃあ先生に言わないでもらうように頼まなくちゃ。うっかり言われたらヤだし・・。 あー、ウチの子は男でも女でもどっちでもいいから気楽・・」

 

「日本はまだまだ『男子相続』の意識が根強いですからね・・。 ま、今は普通の家でも商売やってても。 関係ないですもんね、」

 

葦切はつくづく言った。

 

さくらと葦切は『家』と『子供』についていろいろと話し合います・・

 

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

 


人気ブログランキング

 

↑↑↑↑↑

読んでいただいてありがとうございました。よろしかったらポチお願いします!

 

 

 

 

 

クラシック事業部創世記編ただいま連載中。毎朝7時ごろ更新していますのでよろしくお願いします!

↓↓↓

『My sweet home~恋のカタチ。8』--evergreen--

 

 

『My sweet home~恋のカタチ。1 』 --cherry red--

 

『My sweet home~恋のカタチ。2』 --bitter green--

 

『My sweet home~恋のカタチ。5』--aquamarine--

 

『My sweet home~恋のカタチ。7』--pearl white--

 ↑↑↑

夏希&高宮編

 

『My sweet home~恋のカタチ。3』--ash gray--

 

『My sweet home~恋のカタチ。6』--peach blossom--

↑↑↑

八神編 

 

『My sweet home~恋のカタチ。4』--Moonlight blue--

↑↑↑

斯波・萌香編

 

過去のお話を再掲させていただいています。

 

こちらもよろしくお願いいたします。