はあ・・
ひなたは布団の上でため息をついた。
なんとか退院したものの。
年末だったため、リハビリは年明けから始めることになった。
あの
もんのすごい痛みを。
前回リハビリを始めた頃のことを思い出すだけで、もう奥歯がキューっと痛くなるような感覚で
「いやだああああ!」
思わず一人で嘆いてしまうほど
嫌だった。
正面に貼られたカレンダーを見る。
もう明後日はクリスマスイブ。
学校のみんなは終業式を終えて、みんなでカラオケボックスでパーティーをやるらしい。
玲那たちは気を遣って、あまり言わないようにしてくれているけれど
なんとなくグループLINEで情報が入ってきてしまって
悪気はないのはわかっているけれど、
コソコソされるのも気分がよくないので、まあこれでいいのか、と仕方なく思っていた。
奏も年明けのコンクールの準備で。
あたしだけ
こんな動けずにダラっとして。
そう思うと落ち込んだ。
一方。
「わーーー、久しぶり~~~!」
さくらの事務所に現れたのは。
「律っちゃん、元気だったー? なんか大人っぽくなったねー、」
さくらは彼女をハグした。
「なんやかんやで1年ちょっと? ほんとサマーバケーションも日本に帰らなかったし、久しぶりの日本!」
さくらの元教え子、神宮寺律が留学先のパリから帰国した。
「お久しぶりです、」
奏も笑顔で迎えた。
「奏~~、元気だった? なんかまたイケメンに磨きがかかったじゃん!」
律は流れで奏にもハグをしてきたので、
「や、ぼくは・・いいです、」
と、身体を引いてしまった。
「相変わらず真面目だね。」
「もう奏をからかわないの、」
さくらは彼女にコーヒーを淹れてきた。
「藝高、受かったんだよね。 すごいね。 たまにさくらちゃんとメールのやり取りでコンクールのことも聞いてる。」
「いえ・・。 律さんほどじゃ、」
奏は苦笑いをした。
律は留学後、パリのジュニアコンクールで優勝したりとさすがの戦績を残していた。
「しかも。 ホクトエンターテイメントと契約してるんでしょ? プロじゃん、」
「別にプロの活動をしてるわけじゃなくて。 取材とかそういうことを仕切ってもらってるだけで。」
律はコーヒーを一口飲んだ後
「こっちにも設楽さんとのこと、伝わってきてるよ。」
と言った。
「あ・・そうですか、」
ちょっとドキっとした。
「びっくりしたけどー・・。 まあ別に騒ぐことでもないじゃんって感じ。 実力の世界だから。」
こうしてスパっと明るく言ってくる感じは
以前の彼女のままだった。
時はクリスマス。 ひなたは足のけがで動けずに悶々としておりますが・・
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