Twinkle little star(19) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「そうだ、」

 

奏はふと思い出した。

 

そして自分のバッグにつけていたあのチャームを見せて

 

「プレゼント、ありがとう、」

 

とニッコリ笑う。

 

「え? あー。 ね、きれいでしょ。 星!」

 

ひなたの表情もぱあっと明るくなった。

 

「・・これ、女の子がつけるやつじゃない?」

 

奏は不思議に思っていたことを口にした。

 

「ウチの学校でね。 伝わってる『伝統』があって。」

 

ひなたはむふふと笑った。

 

「え?」

 

「女性用のチャームをバッグにつけてる男の子はね。 『彼女がいます』って印なの、」

 

「・・なにそれ、」

 

思わず聞き返してしまった。

 

「だから。 カナにもつけてほしいなーって。」

 

「・・ウチの学校のルールじゃないんだけど・・」

 

「いいからいいから。 やってみたかったんだもん。」

 

ひなたらしかった。

 

「なんで、星?」

 

「・・前にパパが言ってたから。」

 

「え?」

 

「カナは。 クラシック界の星になるって、」

 

そう言われて

 

ふっと記憶がよみがえった。

 

あの志藤につれて行ってもらったラーメン屋の帰りのタクシーの中で

 

 

おまえは日本のクラシック界の星になれ

 

 

そう言われたことを。

 

「星に、」

 

奏はそれを手に取ってジッと見つめた。

 

「うん。 ・・前に。 カナが頑張っても頑張らなくても。 どっちでもいいよって・・言ったでしょ?」

 

「あー、うん・・」

 

「ピアノに頑張るカナも。 そうじゃないカナも。 ・・どっちも好きだから。 だからあたしにとってはどっちでもいいって思ってた。 でもね。 カナがすごいピアニストになって、小さい子たちの憧れになって。 ・・そしたらすごいことだなあって思って。 誰かの目標になるって、すごいことだよ。 カナにその力があるんだったら・・やっぱり目指さなかったらウソになるなって、」

 

ひなたの言葉に

 

「・・希望の、星。」

 

奏は再びつぶやいた。

 

「手を伸ばしても。 届かなくなっちゃったら・・。 ちょっとさびしいけど。 でも、誰かを照らす星になるって・・いいよね、」

 

そんなこと言われたら

 

また泣きそうになる。

 

出会ったばかりのひなたのことを思うと

 

彼女がこんなにも自分の心を揺さぶる言葉をかけてくれるなんて

 

失礼だけど

 

全く思わなかった。

 

もうどれだけ自分の力になってくれているんだろう。

 

「・・ひなも。 おれの『希望の星』だよ。 つらいリハビリも頑張って、練習できなくてもみんなのために仕事して。・・また怪我をして。 でも。 光を失わないひなが、好きだ。」

 

「・・カナ。 また泣きそう・・」

 

ひなたはそう言ってちょっとからかうように笑った。

 

「いや、泣かないし! ぜんっぜん泣かないから、」

 

二人で笑った。

 

誰の言葉よりのひなたの言葉が奏の力になります・・

 

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