Twinkle little star(18) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

ひなたの前でカッコ悪いとかそういうことは思わず

 

とにかくもう悔しくて、悲しくて、情けなくて。

 

奏は口を結んで涙をこらえたけれど、止まってくれなかった。

 

 

「・・すぐに。 あたしのところに来てくれればよかったのに、」

 

ひなたはそんな彼の手をそっと取って繋いだ。

 

「え・・」

 

「パパに叱られて。 悔しくて。 ひとりで落ち込んでたんでしょ? あたしのところに来て。 泣いてほしかった。」

 

「・・ひなだって。 つらいに決まってるのに。」

 

奏は手で頬の涙を乱暴に拭った。

 

「つらいけど。 あたしも。 もう治らないかもしれないって・・泣いたけど。 でも・・カナが泣きたいときはどうすればいいの? あたしはママやパパや。 友達の前でわんわん泣いちゃうけど。 カナは・・誰の前でも泣かないじゃん。 あたし。 そのためにいるんじゃないの?」

 

彼の手をぎゅっと力を込めて握った。

 

「ごめんね。 カナの大事な時に。 あたしがこんなことになって、カナを動揺させて。」

 

「いや、それは、」

 

「あたし。 なんもしてあげられないんだけど、」

 

ひなたはうつむいた。

 

「ひな、」

 

「あたししか。 いないじゃん。 なんでもっと頼ってくれないの?」

 

だんだん悲しくなってきた。

 

 

しばし。

 

見つめ合う2人。

 

そこで。

 

ひなたは奏にコソっと

 

「そこ。 カーテンちゃんと閉めて。」

 

と言った。

 

「・・は?」

 

「パパが。 戻ってきちゃうといけないから、」

 

彼女の言う意味が何となくわかり。ベッド周りのカーテンを全部閉めた。

 

ひなたはふふっと笑って、奏を手招きした。

 

「?」

 

と彼女に近づくと、ひなたは繋いでいた手をぐっと引っ張って彼の頬にキスをした。

 

「せっかく久々に二人っきりなのにー。」

 

と甘えるように言う彼女に奏はちょっとだけきょとんとした顔をした後、なんだかおかしくなってふと笑ってしまった。

 

「あまえんぼ、」

 

奏はそう言ってひなたの頭を撫でた後、そのままキスをした。

 

そして椅子から降りて彼女を抱きしめた。

 

「・・ちょ・・昨日もオフロ入ってないし、」

 

ひなたは身体を離そうとしたが

 

「そんなこと。 どうでもいいよ・・。 どうでもいい、」

 

奏は今日一日どうにも不安でどうしようもなかった気持ちを埋めるようにひなたを抱きしめた。

 

怖くても。

 

前に進むことをやめたらダメだ。

 

彼女がいる限り、きっと心が満たされて

 

前に進むエネルギーとなる。

 

 

ひなたは点滴が繋がっていない方の手で奏の背中を撫でた。

 

「頑張ったんだね。 これからも。一緒に頑張ろうね、」

 

まさか彼女からそんな言葉をかけてもらうなんて

 

想像もしなかった。

 

心がじわっとあったかくなって

 

また涙が出そうだった。

 

まだまだ幼いばかりの二人の恋ですが、少しずつ愛を深めていっています・・

 

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