Twinkle little star(16) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「前は、ピアノにやきもち妬いちゃうこともあったんだけど。 でも・・カナのこれまでのことを思えば思うほど、ピアノを大事にしてもらいたいって気持ちがわき上がってくるの。 世界を目指したいって・・すごいことだなって。」

 

ひなたはさくらにそう笑いかけた。

 

「今。 あたしは全然目標とかそういうの見えなくて。 考えると落ち込むんだけど、でも。 カナが夢に近づくのを見てると心から嬉しいって思う、」

 

さくらはそんなひなたに

 

「・・あんた。 大人になったね。」

 

思わず頭を撫でてしまった。

 

「え? そお?」

 

「うん。 最初に会った時は、かわいいけど中身はほんっとあほのこだなって思ってたから、」

 

「え~~~? なにそれ~」

 

ひなたは膨れた。

 

「奏はつらくてもあたしにはあんまり『素』を見せてくれないんだよね。 お母さんたちも遠く離れてるし、一人で悩んで一人で解決することが多いと思うのよ。 でも、ひなたといる時は少なくとも『素』の奏なんじゃないかって思う。 ひなたのその明るさが奏を救ってるのかもしれないよ、」

 

さくらがそう言うと、ひなたはふっと寂しそうな顔になり

 

「・・これでも。 頑張って元気出してるんだよ? 夜になると急に不安になる。」

 

と、うつむいた。

 

「いつも元気じゃなくちゃいけないなんてことないよ。 落ち込む時は落ち込んで。 でも・・時間は過ぎる。時間が経てば・・怪我は良くなる。」

 

さくらは優しくそう言ってまたひなたの頭を撫でてやった。

 

「・・うん、」

 

少しだけいつものひなたの表情になった。

 

 

 

奏はピアノの前で弾くわけでもなく、ただただボーっとしていた。

 

自分のダメさに落ち込み、そしてできることなら今日の朝に時間を巻き戻してやり直したい、と思いながらも

 

そんなことはできっこないこともわかっていて、

 

落ち込む。

 

 

そこにスマホの着信音がした。

 

取り出してみると、ひなたからのメッセージだった。

 

『あたし。 めっちゃ落ち込んでるんだけど。 慰めに来てほしいんだけど』

 

予想もしない感じでそれは来た。

 

きっと結果は志藤から聞いて知っているだろうに。

 

奏はひなたのこのメッセージの意味を測りかねていた。

 

 

 

「ねー、見て。 みんながこれくれたの、」

 

ひなたは佑真が持ってきてくれたみんなの寄せ書きを志藤に見せた。

 

「ほー。 人気モンやん、」

 

志藤は笑った。

 

「『がんばれ』ばっかりじゃなくてね。 『一緒に頑張ろう』って。 なんかいいよね。 少し気持ちが楽になる。」

 

ひなたの目はいつものように黒いビー玉のように輝きが戻っていた。

 

ひなたなりに奏を深く理解しています。 そして落ち込む奏に・・

 

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