Prima Stella(5) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

ひなたはリビングに繋がるドアの前でドアを背もたれにして体育座りをして両親の話を聞いていた。

 

親の思いなんか。

 

今までそんなに考えたことなんかなかった。

 

親って

 

何も迷ったり悩んだりすることなんかないって何となく思っていた。

 

間違うこともないって

 

思っていた。

 

 

 

「大丈夫。 落ち着いてたよ、涼は。」

 

そのあと、いつものように納戸でひなたは奏に電話をした。

 

「そっか。 良かった。」

 

電話の向こうの声は優しかった。

 

「・・ごめんね。 なんかウチのことなのに迷惑かけて、」

 

「そんなことない。涼太郎くんの気持ちが知れて、良かった。 息子と父親って。 距離感難しいんだなーって思った。」

 

「え、なにそれ、」

 

「おれはよくわかんないけど。 きっとお父さんって息子のことがわかりすぎちゃって、心配になっちゃって。 つらいんだと思う。 厳しくなっちゃうんだと思う。 おれと設楽さんは全然そんなとこまでいってないし。 ちょっと羨ましいよ、」

 

「パパも。 少し反省してたみたい。 ホント。 カナに夢中なのダダモレなんだもん。 あたしはもうあきらめてるけど、涼はピアノやってるだけに複雑なんだと思う。」

 

「おれの方こそ、ひなの家族に迷惑を掛けてる。」

 

「カナ、」

 

「でも。 いやこんなこと言ったら気を悪くするかもしれないけど。 おれ、ほんっとに・・志藤さんがいてくれないと。 もちろん先生だっているけど、でも・・。 志藤さんがいてくれるとすごく安心できる。 自分の力だけでできないことが、できてしまいそうな気になる。 涼太郎くんの発表会に行ってあげてくださいって・・言えなかったよ。」

 

父が奏に夢中なのはわかっていたけれど

 

奏の方がこんなにも父のことを強く思っているとは思わなかった。

 

ひなたは携帯をぎゅっと握りしめた。

 

「おれ。 ほんとに自分勝手だ。」

 

自分を責める奏に

 

「もう! 何言ってるの!」

 

ひなたは思わず声を上げた。

 

「ひな、」

 

「パパも、ママも。 ウチの妹たちも弟たちも。 みんなカナのことが好きだよ。 カナのピアノが世界に出て行くのをすっごく楽しみにしてるよ。もうああいうパパの子供に生まれたのはしょうがない。 もうそういうパパだから。 カナと出会う前から、ううん、あたしたちが生まれる前から。 ああいうパパだったんだから。」

 

ひなたは思わず声に力が入ってしまった。

 

「もうピアノバカだから。 もう46にもなって・・自分の好きなことに夢中になって、熱くなっちゃう・・子供みたいなパパだから。 でもあたしはずーっとパパのこと好きだよ。 涼太郎だって・・そう思ってる、」

 

奏の心が震えた。

 

志藤家の子供たちに申し訳なく思う奏にひなたは彼を奮い立たせる言葉をかけます・・

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