Take a chance(12) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「どうもありがとうございました。」

 

2時間ほどの撮影とインタビューを終えて、奏は滝崎とスタッフに一礼した。

 

「じゃあ、今日はレッスンやろ? おれはまた仕事戻るから。」

 

志藤がそう言うと

 

「はい。 ありがとうございました、」

 

奏はニッコリ笑ってまた一礼してその場を去った。

 

 

「・・もう。 夢中ですね、」

 

奏の後姿を目で追う志藤に滝崎が少しからかうように言った。

 

「は?」

 

「志藤さんが彼を見る目が。 ほんと宝物みたいで、」

 

「えっ、」

 

そんな風に言われて志藤は焦ったように彼を見た。

 

「いや。 ウチのタレントとして・・ですよ。 だいたい。 ウチの娘と同い年ですよ。 まだ子供。 まだおれが夢中になるほどの演奏家じゃない、」

 

必死に否定したが、滝崎は笑いを堪えていた。

 

 

 

「最近。 パパ帰るの遅いね、」

 

涼太郎は歯を磨いて寝る支度を終えて時計を見た。

 

もう10時を回っている。

 

「いろいろ。 忙しいんじゃない? 奏くんの仕事も増えただろうし、」

 

そこにいたななみがフォローした。

 

その言葉に涼太郎は黙ってしまった。

 

「もう10時よ。 早く寝ないと。」

 

そこに母がやってきて涼太郎はスッとニ階に上がって行った。

 

 

ひなたは明日の小テストの勉強をしていて、気がつけば11時近くになっていた。

 

キッチンに降りて行ってペットボトルのお茶を飲んでいると玄関の鍵が開く音がした。

 

「まだ起きてたん?」

 

志藤はリビングに来て時計を見た。

 

「ああ、明日テストだから。 ・・ねえ、カナ・・どうだった? 今日取材だったんでしょ?」

 

「あいつから聞かなかったの?」

 

「カナってばいつも『大丈夫』しか言わないから・・」

 

それにはふと笑って

 

「まあ。 確かに全然大丈夫やけどな。 全く心配することはない、」

 

ソファにドカッと座った。

 

「もう・・変な風に騒がれたり、しない?」

 

ひなたはキッチンに移動した。

 

「それは。 わからんけど。 ほんまにつべこべ言うなら奏のピアノ聴けっちゅうねん。 設楽の力を借りたとかそんなん思ってるのがアホらしくなる。」

 

もう寝てしまった母に代わって用意されていた父のスープを電子レンジに入れて温めてやった。

 

電子音が鳴って、ひなたはそれをトレイに載せて運んできた。

 

「サンキュ、」

 

志藤はひなたに笑顔を見せた。

 

「パパは。 最近忙しいんじゃない? 疲れてない?」

 

ひなたは隣に座った。

 

「おれ? 別に。 常務になって実務的な仕事はあまりなくなって。 座ってハンコ押すだけ・・になりそうで、ちょっと退屈してた。 奏に関わる仕事ができて・・ホッとしてる。」

 

その笑顔は全く作り笑顔ではなく。

 

心からそう思っていることがうかがえた。

 

奏の件は一件落着、のようですが、志藤家の方でなにやら・・

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