Peaceful(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

そのあと、母が部屋にやって来た。

 

「日曜日。 デートだったんでしょ? やっぱりいいわよ、凜太郎には諦めさせるから、」

 

ひなたに言った。

 

「え? あー。 なんか。 カナも一緒に行きたいって言って・・」

 

「は?」

 

母も思わず聞き返す。

 

「逆に。 めっちゃワクワクしてんの。行ってみたかったんだって・・」

 

「ハア、」

 

「おかしくない? 全然ガッカリしてないって!」

 

ひなたのやや必死な表情にしばし固まった後

 

思わずぷっと吹き出してしまった。

 

「ちょっと! 何笑っちゃってんのよ!」

 

「ごめんごめん・・。 あー、そうなんだ。」

 

「なんかもー、たまにカナの気持ちがわかんなくなっちゃう時あるんだよねー。 けっこう変わってんだよ、」

 

ひなたは面白くなさそうに意味なくノートの端にぐりぐりとペンで何かを描いた。

 

「ひなたに変わってるって言われるなんて。 よっぽどなのね、」

 

母はまだ笑っていた。

 

「・・これにかかる費用+おこづかい。 きっちり頂きますから!」

 

ひなたはやや荒んだ表情で母を見た。

 

 

凜太郎はとにかく嬉しくて翌日から、わかりやすく張り切っていた。

 

普段は起こされないと絶対に起きてこないのに

 

自分で目覚ましをかけて、さっさと起きて

 

朝食もサッと済ませて、自分で後片付けそして歯磨き。

 

「おにいちゃん、はやくー!」

 

逆に一緒に学校へ行く兄を急かす。

 

「なんなんだよ、もー。 いきなり・・」

 

涼太郎は慌ててランドセルを背負った。

 

ゆうこはそんな凜太郎を見て、ひなたには申し訳ないけれど

 

本当に助かったと思っていた。

 

 

 

コンクールの3次予選が近づいている奏は

 

その日も午前中からさくらのレッスンを受けていた。

 

「うん。 おおむね、いいね。 メリハリもついてきたし。 表現の部分もよくできてる、」

 

辛口のさくらから褒められた。

 

「はい。」

 

怒涛のコンクール挑戦で、何となくギアの上げ方がわかってきた。

 

「これからどっか行くの?」

 

レッスンを終えて片付けている奏に言った。

 

すると奏は珍しくふふふと笑って

 

「恐竜展、行くんです、」

 

と嬉しさを隠しきれない顔で言った。

 

「は? 恐竜展?」

 

「ひなと、どっか行こうって約束してたんですけど。 どうしてもひなのところの一番下の弟が恐竜展に行きたいって言ってて。 誰も連れて行かれないからって・・一緒に行くことになって。」

 

「は? 弟と?」

 

「保育園の頃から恐竜図鑑とか見るの大好きで。 こういうの行ってみたいなーって思ってたんです、」

 

嬉しさが隠しきれない奏に

 

さくらは一瞬固まった。

 

ピアノ一筋の奏の意外な一面にさくらもやや驚きを隠せず・・

 

 

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