Apricot Candy(6) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「検査の結果もあるので3日ほど入院してくださいって言われてます。 どうしましょう、ご実家に連絡とか・・」

 

小和は心配そうにさくらに言った。

 

「や! しなくていいから! 大したこと、ないから・・」

 

いきなりいつもと同じくらいの声で言ったさくらに小和はクスっと笑って

 

「声が出てるから。 大丈夫ですね。 じゃあこれからレッスンがあるのであたしは帰ります。 あたしと小野塚先生でなんとかやっておきますから先生はゆっくり養生してください。とにかく静養が大事だって、お医者さんも言ってました。」

 

「・・ごめん・・。 奏のレッスンも、できないなあ・・もう、」

 

さくらはものすごい自己嫌悪に陥った。

 

「もし心配だったら、先生から小野塚先生に頼んで奏くんのレッスンお願いしたらどうですか。 」

 

「んー・・」

 

さくらはなかなか返事ができなかった。

 

「スマホ、ここに置いておきますから、いつでも連絡下さい。 小野塚先生もそう言ってましたから。 じゃあ失礼します。」

 

小和はにっこり笑って一礼した。

 

 

葦切さんが一晩中ついていてくれましたよ

 

小和の言葉を思い出した。

 

ほんと。

 

耕平さんが来たの、ぜんっぜん記憶ない。

 

てか奏のレッスンもしてたのかな?

 

それもなんかよく覚えてない…

 

ここのところずっと忙しくて睡眠時間もほぼ3~4時間で

 

食事も採ったり採らなかったりみたいな生活だった。

 

そのツケが一気に回ってきてしまったようだった。

 

 

また。

 

来てくれるかな。

 

さくらは手を伸ばしてスマホを手にした。

 

 

葦切は休み明けの出勤で外出もあり忙しくしていた。

 

移動中、LINEの着信が入った。

 

 

ようやく意識が戻ったようです。

昨夜のことはほぼ覚えてません。

耕平さんが来てくれたことも覚えていませんでした。

看病させてしまってすみませんでした。

 

 

さくらからのメッセージにほっと一息をついた。

 

メッセージを送ってものの数秒で

 

 

良かったです。ホッとしました。

また帰りに寄っていいですか。

 

 

彼からの返信があった。

 

返信、早・・

 

さくらはふと笑ってしまった。

 

きっと着信を常に気にしていてくれたのかもしれない。

 

そう思ったら胸がいっぱいになった。

 

 

夕方に奏が病室に顔を出してくれた。

 

「ごめん。 迷惑かけて、」

 

さくらは少し起き上がろうとしたが、

 

「あ、寝ていてください。 びっくりしました…急にホントにマンガみたいにダーって横に倒れるから、」

 

奏はそれを制した。

 

「レッスンの方は・・あたしが休んでいる間小野塚先生に見てもらおうと思うの。 退院しても1週間は安静にして下さいって言われてて、」

 

「わかりました。 ぼくは大丈夫です。 ホントずっと忙しかったんですから少しゆっくりして下さい。 先生に心配かけないように、頑張りますから。 絶対。」

 

奏はにっこり笑った。

 

ずっと葦切がついていてくれたと知ってさくらはやはりときめきます…

 

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