Everlasting(9) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「では。 決心してくれた、ということですね。 社長には専務からお話してもらいますから。」


「・・よろしくお願いいたします、」


紗枝は人事担当の取締役に頭を下げた。



あれから3日。


陸とは連絡を取っていなかった。



もう


ダメかもしれない。



これまでの恋愛経験で、男が離れていくときは何となくわかる。


しかも自分から距離を置いてしまったのだから。



「よかった。 ・・実は妙な噂が流れていたから。 こうなって良かったと思っていたんだ、」


取締役はにっこり笑った。


「え・・?」


「・・きみが専務の奥さんの弟さんとおつきあいしている、という噂。 この前聞いてね。 みんなきみが出世を考えて打算的にしていることなんじゃないかとか言ってるようだから。 まあ、下世話な話だけども・・ここを出て新たなところで上を目指した方がいいのかもしれない、と思っていた。」



そんな風に考えてくれていた人もいる。



「こんな噂に人事は振り回されたりはしないけど。 きみのためにも良かったと思うよ。 才能がある人には頑張ってほしいからね。」


取締役は紗枝の肩をぽんと叩いて部屋を出て行った。



やはり


こうしてよかったのだ。



紗枝はふっと目を閉じた。



陸から連絡があったのは翌日のことだった。


「すみません、急に。」


彼は最初に会った時と変わらず


いつも丁寧に接してくれる。


「ううん。 どうぞ、」


紗枝は彼を部屋に入れた。


「夕飯は? 食べたの?」


「いえ。 今日は忙しくて。 まだです、」


「じゃあ、なんか作ろうか。」


紗枝がキッチンに行こうとすると、


「あ、いえ。 先に話を、」


と止められてドキンとした。


陸はきちんと正座をした格好で



「ずっと連絡をしなくて・・・すみませんでした。 実はいろいろあって、」


紗枝をまっすぐに見た。


「・・え、」


彼が一体何を言い出すのか


不安が渦巻く。


陸は意を決したように一つ大きく息をつき


「ぼく。 会社に掛け合って。 ずっと東京勤務ができるようにしてもらいました、」


いつもよりも若干声を張って


彼にしては大きな声でそう言った。



「・・・」



紗枝は驚いて目を見開いた。



「もう。 大阪には・・帰らない。」



いつもの静かな彼の声のトーンに


戻った。



紗枝は正式に東京への転勤を受け入れますが、陸はなんと…



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