From now on(16) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「どういうって・・・」


姉の質問の真意を探ってしまった。



「ん、別に。 深い意味ないけど。 どういう人なのかなって、」


あゆみは笑顔で言った。



「・・・・すごく仕事もできるし・・。 大人だなって思う人だよ。 年は、えっと・・・30くらいだと思う。 前は音大のピアノの講師の助手をしてて。 子供のころは北都マサヒロさんの奥さんの沢藤絵梨沙さんともコンクールで争うくらいのウデだったって聞いてる。 でも、ピアノは辞めちゃって。」


有吏は自分が知っている結城の過去を話した。



「営業とかやってるけど、いつも南さんが『女性相手だとみんな堕ちる』って言うくらい。 おれなんかもう絶対言えないなってことも、普通に女の人に言ったりするし。 会社でも結城さんにお弁当作ってもってきたりするファンみたいな人もいたりして。 ・・もう、見たまんまだよ。 ほんと・・・モテて、」



ずっと姉の表情を伺ってしまった。




「そう、」



女性関係でトラブルを起こして、会社をクビになりかけたことは


言えなかった。




「・・実家は新橋の大きな有名な料亭だって。」



続けて言うと、



「え、」


初めてあゆみの表情が変わった。



「黒塗りの車がズラっと停まるようなところだよって・・・。 南さんが言ってた。 でも、そこは継がないって・・言ってるみたいだけど、」




あゆみは黙ってしまった。



「・・・ん、ごめん。 おやすみ。」


一方的に話をやめさせるようにロフトのハシゴを昇っていってしまった。




なぜ結城のことを改まって聞いたのか。



有吏はなんだか嫌な予感がしていた。






『ごめん。 あゆみ。 やっぱおれ・・・重いわ、』




久しぶりにあの夢を見た。




あの日から。


あたしはもう誰かを好きになるのはやめようって思った。


だって


傷つきたくないから。



店にくるお客さんと軽口を叩いて、笑って。

アプローチされても、笑って受け流して。


もうそれでいいって思ってた。



あゆみはのそっと起き上がって、ボサボサの頭をかきながら洗面所に行き顔を洗った。



そのあと鏡で自分の顔を見た。



何度も

こんな生活がイヤになって逃げ出したくなった。


すんごいお金持ちのおじさんが、借金を肩代わりしてやるから愛人になれってマジに言い寄ってきたこともあって

それに乗っちゃおうかとも思ったりした。



だけど。



ベッドで丸くなって眠り込む弟を見た。



あのコがいるから。


あたしは道を外さずに生きていける。


男になんか頼らなくても頑張れるって思った。




だけど。


やっぱり


ちょっとだけ寂しくて


話をきいてもらいたいって



思ったりもする。




弟のために頑張ってきたあゆみは自分を振り返り虚しさを感じます。


人気ブログランキングへ 左矢印 お気に召しましたらポチっ!わんわん お願いします!

人気ブログランキングへ 左矢印 携帯の方はコチラからお願いしますドキドキ
My sweet home ~恋のカタチ。