Leben~命 (20) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

真尋の才能が


毎日毎日


驚くほどの進化で開花していくさまが手に取るようにわかっていた。



絵梨沙はもう自分がピアニストであることを時々忘れてしまいそうになるほど


真尋のピアノは素晴らしいとしかいいようがなかった。




「・・竜が・・」



シェーンベルグはかすれた声でボソっと言った。



「え・・・」


真尋のピアノの音にそれはかき消されそうだった。



絵梨沙はシェーンベルグに耳を傾けた。



「まるで。 竜が今誕生しようとするような。 エネルギーじゃな・・・」



ひとりごとのようにそうつぶやいた。



「竜が・・・」


絵梨沙は真尋を見た。



まるで


彼の周りだけ、違う世界の空間のように。


うねるような雲の中に


稲妻が燻り


ものすごいエネルギーの塊がそこにある。




その中から今にも竜が爆発するように生まれて、天高く飛んでいくような


そんな情景が目に浮かぶようだった。



ほんと。


・・・・スゴイ・・・



絵梨沙は静かに目を閉じた。



もう


彼の才能が妬ましいだとか


そんな気持ちは一切ない。


自分はこれからもずっと彼がピアニストとして世界中を駆け回るのを支えて行きたい。


そばに


このピアノがあるなら。



それだけで生きていける・・・





その晩だった。



「エリちゃん、どーしたの?」


夕食の後、ソファでおなかを苦しそうに摩る絵梨沙に南が声をかけた。


「なんだか・・・おなかが張って苦しい・・」


顔をゆがめる彼女に


「え? おなかが?」


思わずおなかに手をやった。


「・・ほんまや、めっちゃ張ってる・・。」


「イタタ・・」


また堪えるように言う彼女に


「って・・ひょっとして陣痛ちゃう?」


南は絵梨沙に言った。



「え・・・、でも。 まだ・・2週間も、」


「そのくらい早まったりするよ・・。 あたし、ゆうこのお産付き添ったことあるから何となくわかるねん。 病院に電話をしてみたら?」



まだまだ時間はあると思っていたのに


絵梨沙は何だかドキドキしてしまった。




真尋はすさまじいほどにピアノに没頭しますが、絵梨沙がついに・・?


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