Beloved(11) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

いやしかし!


おれにはゲットしたこのチケットがある!



南から無理やり手に入れた関係者席。


怜子の隣の席だった。




開演まであと5分ほどになったとき、ようやく席に着けた。



「・・泉川さん、」


怜子は驚いていた。



「・・ここ。 関係者席ですから、」


ニッコリ笑った。



怜子はさっきの光景を思い出して



「あの方たちは・・よろしいんですか、」


と訊いた。


「は?」


「さきほど。 ホールの入口で・・・・」


「・・ああ。 いいんです。 父の知り合いですから。」


苦笑いでごまかそうとしたが


「・・病院にも来てらっしゃいましたよね、」


怜子は綾香のことを覚えていた。



「えっ・・・いや。 ほんと・・・・親が、勝手に・・」


言い訳じみたことを言ってしまった。


怜子はクスっと笑って


「ご両親から。 大切にされてるんですね、」


そう言った。



なんだか少しプライドを傷つけられて


「・・そんなこと。 子供がひとりだから、あの人達の心配を全部しょわなくちゃなんないし。 ほんとめんどくさいですよ。」


ムッとして言った。



「それは幸せなことだと思います、」


怜子は寂しそうに微笑んだ。



開演のブザーが鳴った。





真尋が普段着そのまんまのような格好で現れると、場内は驚きと歓声の声に包まれた。



「あ、ピアノコンサートですから。 間違いないですから、」


真尋はマイクを手に笑った。



「最高のクリスマスの夜を。」



そう言って、おもむろに演奏は始まった。




クラシックピアニストに似つかわしくない彼の風貌だったが


不思議なことに


その心を揺さぶる音を聴くうちに



なんとも言えずマッチしているように見えてくるから不思議だった。



ショパンのノクターン第8番を弾く彼は


神々しいほどの『音』で人々を魅了し


まるで夢の世界に入っていってしまうかのような心地よさであった。




なんて


不思議な・・・



怜子も初めて彼のピアノを聴いて


鳥肌が立つような思いであった。




そして真尋のコンサートが始まりましたが・・・・


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