North wind(12) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「アハハハっ!! そんで合鍵までもらっちゃったの~~~?」



南は大いにウケていた。



「ほんっとにもう・・・おれに何をしろって言うんだって・・・」


玉田は肩を落とした。



「まあまあ。 そんだけまだ本気の女性がいないってことだから。 そのうちソレ返してって言ってくるかもだし、」


香織も笑う。



「おこづかいもくれた後で言われたら。 断れないし、」



「ええんとちゃう? もらっておきなさいよ。 金持ちなんやから。」



南は腑に落ちない玉田を励ますように肩をたたいた。





あ~~~


自由だ~~。



ひとりがこんなに自由なんて。



もう、毎日のようにオフクロに見合いの話振られることもないし。


オヤジにも、いい年こいて遊び歩いてみたいな説教もされないし。



もっと早くこうすればよかった。




泉川は一人の部屋のベッドに大の字になってつくづく思った。



彼女も連れてこれるし。


泊めたってOKだし。




・・・・




まだ真新しい部屋の天井にはシミひとつない。


真っ白で。



まるで自分の頭の中も真っ白になってゆきそうだった。



でも


今は


『彼女』以外の女の子とどうにかなろうなんて


全然思えない。



この部屋に泊まりに来る女性のシュミレーションは


『彼女』だけだ。




シンとしたこの部屋がすごくすごく寂しく思えた。





「なに? もう挫折?」


いきなり実家にやって来た泉川に母は嫌味のように言った。


「ン? まっさか・・・。 快適ですよ。」


そのまま部屋の隅のネコたちのスペースに行った。



マリアは3ヶ月ほど前に子供を産んで、乳離れをしたあと、5匹のうち4匹は貰われて行った。。



残った1匹の子猫が母親の周りでじゃれながら遊んでいる。



マリアは真っ白なのに兄弟の中でこの1匹だけ毛色にグレーが混じっていた。



「こいつ。 まだ貰い手ついてないの?」


抱き上げて母に訊いた。


「ええ。 まあ・・そのうち、」


母はテーブルを拭きながら言った。



「おれ。 もらっていってもいい?」


そのまだ小さな小さなネコにキスをした。



念願の一人暮らしを始めた泉川でしたが、やっぱり・・・


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