Once again(20) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

シグマの本契約を済ませ、その事柄が載った経済紙を読み終えた真太郎はひとつ大きなため息をついて

デスクに新聞をバサっと置いた。




まだ、やらなくてはならないことは山積みだが


ひとつのヤマを越えた感じだった。



そこに南が外出から戻って、社長室に資料を置きにやってきた。



ハッとした。



戻ってきてから二人きりになることがなかった。



しかし、南は真太郎から目をそらすように、棚にファイルをしまった。




「あの、」


真太郎から声をかけた。


「なに?」


振り返りもせずに普通に返事をされた。



「・・・まだ・・・やらなくちゃならないことは、たくさんあるけど。 ・・きちんと話をしたいんだ、」



意を決してそう言った。



南は一瞬手を止めた。



そして、やはり振り向きもせずに



「なにを・・話すの。」



小さな声で言った。



「南に・・・きちんとあやまりたいし。」


真太郎もうつむいて小さな声で言った。


「それで。 これからのことも・・」


と、続けたとき


南はやっと振り返った。



「じゃあ。 明日。」



「え?」



「明日。 夜、時間作るから。 今は・・・ちょっとアカンねん、」


彼女の言う意味を理解できないまま


「う・・うん、」


返事をするとスーっと部屋を出て行ってしまった。




その晩。


南は北都の病室にそっと入って行く。


彼はぐっすりと眠っているようだった。



初めて出会ったときは、


「なんて大きな人だろう」


と、思った。



それはこの長身だけでなく、心が大きな人だと思った。



でも、今は何だか少し小さくなってしまったみたいで。


それが少し悲しかった。




「・・・ごめんなさい・・・。 お義父さん、」



南は彼の寝顔を見ながらポツリと言った。



「・・あたしは。 約束を破ってしまう、」


涙が頬を伝わった。




南は何かを決心したようですが・・・・


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