Rainy blue(14) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「・・つきあってたわけじゃないって。 でも、そういう関係?」


玉田は声を震わせた。



「・・・・・」



結城は黙り込んでしまった。




玉田は

12年前のことを思い出していた。



クラシック事業本部が正式に発足して

志藤が本部長になり


自分もその一員として加わった。



そのころ、事業部の独身男性社員は自分ともうひとり。


二人を前に志藤は言った。




『あのね。 言っとくけど。  オケの楽団員と恋愛関係になるの。 ぜったいに禁止やから。』



いつもの笑顔だったが、ものすごく釘を刺すようにそう言われた。



『れ、恋愛関係って。』


玉田が戸惑いながら聞くと


『たくさんの若い女性たちが集まってる。  そんなかで恋愛関係なんかになったら・・・どーなるかわかってるやろ? おれらはいつも平等な立場で彼らのプロデュースをしてかなアカンから。 噂が立つだけでもチームワーク乱すことになるし。  女性はそれでなくても嫉妬の塊やし。 そこはキチンとして欲しい。』



志藤は

最後には厳しくそう言った。



それなのに。



その数年後


自分が恋をしてしまったのは


当時、北都フィルで売り出し中のチェリストの里香だった。





いろんなことを一気に思い出し、玉田は頭が混乱した。



「・・彼女、オケやめるって言ってる・・・。」


「え、」


結城は驚いた。



「それで。 千堂茜に・・留学勧めたのも・・おまえ?」



玉田を感情を抑えるのに必死だった。



「す、勧めるって言うか。 実力のある人間は・・・上を目指した方がいいと思って、」


言い訳じみたことを言う彼に


玉田はキレた。





「・・・っざっけんなっ!!!」



結城の胸倉を掴んで、彼を殴りつけてしまった。




「・・玉田!」



斯波は驚いた。



よろけて壁に手をついた結城にさらに



「おまえが辞めろ!!!   なんでオケの中をひっかきまわすんだ!!  佐田麗子のことも、適当に遊びで手え出したのかっ!!」


つかみかかった。



「玉田! やめろ!」



斯波は二人の間に入ったが



「おまえのせいで大変なことになったじゃねーか!! おまえが消えろ!!!」



玉田はもう感情が昂ぶって

涙が出てきてしまった。




どこまでも温和で優しい玉田がブチ切れます・・・


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