Rainy blue(11) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

携帯番号を交換した茜は


何度も彼の番号を呼び出しては

電話をできずにため息をつく。




そして

思い切って通話ボタンを押した。




「はい。」



5回ほどコールした後、彼が出た。



胸がときめく。



「あのっ・・・千堂ですけど、」



「ん。 わかってる。」


微笑みながら彼がそう答えてくれてそうな気がした。




「玉田さんに。 留学のことを少し話をしました、」


「そう。 なんて?」


「少し・・待って欲しいって。 斯波さんに相談するからって、」


「そう、」


「何だかすごく困っているようでした、」


「きみは出世頭だからね。 これから売り出そうとしてただろうし。」


「本当に、いいんでしょうか。」


茜は玉田を困らせてしまったことを少し後悔していた。



「人のことはいい。 今、きみは自分のことを考えていきなさい。 今しかないんだから。 1年後はどうなっているかわからないんだから。」



結城は力強くそう言った。



揺れていた気持ちも

彼の言葉を聞くと不思議に落ち着く。



「あの、」


茜は何かに突き動かされるように



「・・会いたいんです、」



つぶやくような声で言った。



「え?」


「結城さんに。 会いたいんです、」


今度ははっきりとそう言った。



その言葉を言ったとたん、茜の気持ちは止まらなくなってしまった。



「今、今すぐに!」


「もう10時だよ。 女の子が出歩いちゃダメだろ。」


優しく諌められたが



「あたし! 結城さんのことが・・好きなんです! もう、どーしていいかわからないくらい、」



とうとうその言葉を口にしてしまった。



結城は彼女の告白に驚くこともなく



「おれなんか。  きみに好きだと言ってもらえる資格なんかない、」


落ち着いてそう言った。


「どうしてですか? あたしのことが・・・嫌いですか?」


もう、ベソをかきながら言った。



少しだけ胸がちくんとした。



「嫌いじゃないよ。 だけど・・・きみのように真っ白な子におれは相応しくない。」



彼女の天真爛漫な笑顔が浮かんだ。



「だから! どーしてですか? あなたに何があるっていうんですか?」


茜は胸がいっぱいになって涙をこぼしてしまった。





その理由を


口にすることは一生ないって


おれは誓った・・・。




結城は茜の質問には全く答えることができなかった。



堪えきれずに結城に告白する茜。 しかし結城にはまだまだ重い過去が・・???


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