「虎に翼」 第18回
第4週「屈み女に反り男?」
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<山道>
轟) はあ~。空気がうまい!
やまびこ) うまい! うまい!
梅子) さあ行こう。
(回想)
花岡) 今度ハイキングにでも
行きませんか。
寅子) ハイキング?
稲垣) いいね。
花岡) 空気のいい場所だと、また
違う議論が展開するかもしれない。
涼子) 素敵なアイデアでございますね。
轟) 荷物持ちますよ。
梅子) あっ、でも・・・。
轟) 光三郞君、貸しなさい。
光三郞) ありがとう。
轟) 玉さん!
ほらほら、これ私が持ちますから。
男の役目を果たすまで! ハハハ!
よね) それ男も女も関係ないだろ。
轟) 君とは議論をしないぞ。
今日はハイキングだからな。
皆さん、行きますよ! ういてきて。
(うずくまる寅子)
寅子) うっ・・・。
花岡) どうしたの?
寅子) ああ・・・
靴擦れしてしまったみたいで。
花岡) ああ。
**********
花岡) 失礼。
寅子) あっ。
(手拭いを裂いて、
寅子の足に巻く花岡)
花岡) 足つらかったら言って。
猪爪さんくらいなら、背負って
登るくらいわけないからさ。
(回想)
花岡) 女ってのは、優しくすると
つけあがるんだ。立場をわきま
えさせないと。
寅子) ありがとう。
花岡) 猪爪さん。
(差し出された手を握り、
立ち上がる寅子)
何なんだ、この人は。
**********
轟) やっほ~!
男性) うるさいぞ。
男性) どうした。
男性) 早く下りてこい。
男性) 飯だ飯だ。
男性) 早く手伝って。
轟) 今行く!
男性) お前の分なくなるぞ。
早くしろよ。
**********
(涼子が持参したのは、
サンドイッチ)
男性) うわ~!
(梅子は重箱の弁当)
男性) おお~!
男性) うまそう!
涼子) 玉、お願いね。
玉) はい、
お取り分けいたしますね。
花岡) これ、猪爪さんが?
寅子) 私はゴボウを切っただけです。
梅子) 涼子様のハイカラなのと並べ
ちゃうとちょっと恥ずかしいわ。
花岡) そんなことありません。
小橋) 今度は是非お二人の手料理
をごちそうになりたいな。
稲垣) おおそうだな。
よね) はっ?
小橋) そう怒るなよ。
料理は女性の武器なんだから。
花岡) 彼女たちには、料理なん
て武器はいらないんだよ。さあ、
作ってくださった皆さんに感謝し
て頂きましょう。
(胸を張り、お握りにかぶりつく轟)
轟) うん、うまい!
なあ、光三郞君。
光三郞) でしょ。
僕お母さんのお握りが一番好き。
(涙がこみあげる梅子)
梅子) そう・・・。
(梅子を見つめる寅子たち)
**********
(高台で稲垣と相撲を取る光三郞)
男性) はっけよ~い、のこった!
稲垣) よし来い! うっ!
光三郞) ううっ!
男性) いけ!
男性) いいぞ、光三郞!
**********
梅子) そろそろ出発しましょうか。
寅子) 私呼んできます。
花岡) あっ、僕も行くよ。
(寅子に手を差し出す花岡)
寅子) あっ、大丈夫です。
花岡) 痛くない? 足。
寅子) はい。さっきはありがとう。
**********
小橋) なあ光三郞君、いいな、君
のお母さんは。ご立派に跡継ぎを
お生みになって、あとは家事も
子育てもせず悠々自適か。
稲垣) 大葉先生から
聞いたとおりだな。
(笑い声)
光三郞) お父様と知り合いなの?
稲垣) この前、
お酒をごちそうになってね。
小橋) いや、君の父上は立派だよ。
仕事もできて家庭も支えて、その
上大層ご婦人におもてになる。
稲垣) めかけを囲ってな。
ハハハハハ!
小橋) 光三郞君もお父上を
見習って・・・。
寅子) やめて!
そんな話子供の前でしないで。
稲垣) いや、俺たちはただ、大葉
先生がご立派だって話を・・・。
なあ?
小橋) そういうところだけ女ぶるなよ。
寅子) はて? 私がいつ男に
なりたいと言いましたか?
小橋) 男の世界に入ってくるなら
男の願望も受け入れろって・・・。
花岡) もうやめとけよ。
稲垣) 花岡も言ってやれよ。
花岡) えっ?
稲垣) ご婦人方に好かれるのも、
男の格を上げるために必要だっ
てことだよな?
花岡) まあそいういうことで、
自己の価値をはかる側面も
あると思うが。
寅子) はて?
花岡) 家庭ごとに状況も違う。
少なくとも、大庭先生はきちんと
ご家族を養ってらっしゃるのは
事実で。
寅子) えっ?
養ってるから、何ですか?
花岡) 毎日社会の荒波にもまれて、
夫として、父としての役目を果たし
ていたら、外で少しぐらい息抜きを
した方が、結果、家庭円満になる
こともある。
寅子) 家庭円満と思っているのは夫
の方だけです。夫の女遊びを知って、
幸せを感じる妻はいません。
花岡) いいや。自身の生活と天秤に
かけて満足するはずだ。
寅子) 生活を盾にしてしぶしぶ
納得させられてるだけです。
花岡) 家のことをほったらかしで、
大学に通わせてもらってることが
しぶしぶ納得なのか?
稲垣) うん。
小橋) そうだ。
寅子) 私たちの学びと、女遊びを
同列に並べないで!
花岡) 君たちはどこまで
特別扱いを望むんだ。
男性) そうだ!
寅子) はい?
花岡) 男と同様に勉学に励む君たち
を、僕たちは最大限敬い、尊重して
いる。特別だと認めてるだろ!
(花岡を突き飛ばす寅子)
寅子) 私たちは特別扱いされたい
んじゃない。特別だから見下さな
いでやっている? 自分がどれだ
け傲慢か理解できないの!?
(もう一発突き飛ばす)
花岡) 僕たちは君たちが勝ち得た
権利を認めて・・・。
(柵が崩れる)
花岡) ああ~っ!
(崖から落ちる花岡)
**********
<病院>
(神妙な顔の寅子たち)
梅子) 花岡さんは?
轟) もう少しかかるらしい。
梅子) 親御さんに、私から
お電話いたしましょうか。
轟) いや、父上には俺から伝え
ます。あの程度なら、佐賀から
来てもらうこともあるまい。
涼子) でも、お母様もいらっしゃっ
た方が、花岡さんもご安心なさる
んじゃございませんこと?
轟) 花岡の母上は、
随分前に亡くなっている。
(寅子を見る轟)
轟) 気に病むな。あいつが
自分で足を滑らせたんだ。
寅子) でも・・・。
轟) 何か飲み物を持ってこよう。
香淑) 轟さん、根はいい人では
あるんでしょうね。
よね) どこがだ。
(梅子の膝で眠っている光三郞)
梅子) あ~あ。とうとう知られ
ちゃった、みんなに。
寅子) 梅子さん?
梅子) 私ね、若い頃は、
自信があったの。
よき妻、よき母になる自信が。
結婚して、すぐに長男を授かっ
てね、嫁の鑑だと言われて・・・。
そのころから、夫は家に帰らなく
なったけれど、私には、子供が
いると思った・・・。でも・・・。
私はお乳をあげればいい・・・。
お義母様は、大庭家の跡取りと
してご自分で、立派な弁護士と
して育て上げると。それでも、子
供たちが立派に育つならばいい
と思っていた。そうやって、戦う
ことから逃げていたら、罰が当た
ってしまった。
(回想)
(夫と息子を見送る梅子が、
廊下でつまづく)
梅子) あっ!
徹男) おい!
梅子) 申し訳ありません。
徹太) 鈍くさいな。
梅子) 私を冷ややかに見る目、
物の言いぐさ・・・。
夫そのものだった。
だから私は明律大学に通う
ことを決めたの。
寅子) えっ?
梅子) 夫と離婚するために、
私は法を学んでいる。
涼子) それは、
どういう意味ですの?
梅子) ただ離婚しても、大庭の
家が子供を渡すわけがない。
私は、子供の親権が欲しい。
よね) 無理だ。
寅子) 民法第877条。
梅子) そうね・・・。
民法第877条には、「子はその家
に在る父の親権に服す」とある。
今の法律では、離婚して、大庭の
家を出た私に、子供たちの親権
が付与されることはありえない。
それでも、やらないといけない。
(膝で眠る光三郞を見つめる)
梅子) 今は駄目でも、糸口を必ず
見つけてみせる。長男はもう無理
かもしれない。でもせめて、次男
とこの子は、絶対に夫のような人
間にしたくないの。
涼子) どうしてもっと早くお話し
してくださらなかったの。
寅子) そうですよ。何か、力に
なれたかもしれないのに。
梅子) だって・・・皆さんが私を
好きになってくれたから。
妻としても、母としても
何も誇れない・・・。
誰からも愛されない、
こんな嫌な女の私を。
私は、長男を救えないって
諦めてしまっている。
香淑) 嫌な女なんかじゃない。
梅子さんは、入学式でも私を
輪に入れてくれた。いつも誰
よりも先に声をかけてくれた。
梅子さんがいなきゃ、きっと今
私はここにいない。そんな梅子
さんが、私大好きよ。
(涙のあふれる目で、
香淑に微笑む梅子)
寅子) 梅子さんは、心優しい、
とても魅力的ないい女です!
(涼子も玉も涙をこらえきれず、
よねも泣きそうな顔で、
梅子を見つめている)
(廊下の陰に、そっと立っている轟)
(寅子たちに微笑む梅子)
梅子) ありがとう。
ありがとう。フフフ。
(梅子を抱き締める香淑)
梅子) ありがとう。
**********
波乱のハイキング。いろいろと情緒が
刺激される回だった。轟君だけが癒し。
養っていれば何でも許されわけがない。
妾がいて、幸せでいられる妻はいない。
花岡の言い分は、何度も聞かされてき
た男たちの身勝手な言い訳(深い溜息)。
私たちは特別扱いされたいん
じゃない。特別だから見下さな
いでやっている? 自分がどれ
だけ傲慢か理解できないの!?
特別扱いというか、他の女性を落として
君たちは違うと言われてもね。同じ人間
同じ女性なのに、貶められていい気持ち
はしないのに。どうして他をけなしたら喜
ぶと考えるのか? 単純に褒めてくれれ
ばいいのにね。誰かと比較しなくていい
から、いいところだけ褒めてくれれば・・・。
たくさんの梅子さんがいて、今も、いる。
戦える人もいれば、戦えない人もいるし、
戦いたくない人もいるかもしれないよね。
それぞれ事情があるし、正解はないか
もしれない。子供でも、友達でも、自分
を好きになってくれる人がそばにいてく
れたらいいな~と・・・心から願うばかり。
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