「らんまん」 第35回
第７週「ボタン」
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（細筆に墨をつけ、牡丹の花の絵を
丁寧に緻密に描いていく万太郎）
（万太郎を見る講師の大窪や
学生たち）
前原滉） うまい…。
瑞樹） この絵、
野宮さんよりもうまいんじゃ…。
（通りがかった田邊が、
廊下で足を止める）
（最後の一筆を描く万太郎）
滉） おお～。
瑞樹） すごい…。
田邊） （英）いつから植物画の
鍛錬をしてきたのか？
万太郎） （英）子どもの頃からです。
本に出てくる植物画を、何度も
模写して、鍛錬しちょりました。
田邊） 正しい訓練法だ。コーネル大
の植物画家たちもそうしていた。
西洋の植物画も見てみるといい。
万太郎） はい！
田邊） しかし、土佐の人には
いつも驚かされるな…。
万太郎） 教授は、土佐に、
お知り合いがおるがですか？
田邊） アメリカに留学する前、開成
学校で教わっていた英語の先生が、
土佐の方だったんだ。
万太郎） はあ～。
田邊） 驚くべき経歴の持ち主で、
中濱万次郎先生という。
万太郎） あっ…。
ジョ…ジョン…
ジョン万さんですろうか？
あ…お目に、かかりましたき。
（回想）
中濱） 帰ってこん方がよかった。
万太郎） えっ？
中濱） 自分だけが、果たせる務め
がある。そう分かっちょりながら…
己を殺したがよ。
人の一生は短い。
後悔はせんように。
万太郎） 東京に来るのに、わしの
背中を、押してくれたお人ですき。
中濱さんは今でも、海を、夢みて
おられます。世界の海に、出てい
きたいと。その夢を、田邊教授が、
継いでおられる。
田邊） そうか…。
今も、達者でいらっしゃるのか。
万太郎） はい…。
田邊) 君と私は、つながるべくして
つながったのかもしれないな。
（英）ようこそ、
君が来てくれてうれしい。
万太郎） ありがとうございます。
田邊） フフ…。
（笑みの消えた一同）
田邊） ああ…すごくいい。
万太郎） あっ、ありがとうございます。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
万太郎） これ…
話しちょりました、牡丹です。
寿恵子） えっ…。
これあなたが描いたんですか？
万太郎） はい。
（受け取り、絵を見つめる寿恵子）
寿恵子） 目の前で咲いてるみたい。
牡丹がどんな花か、よく分かります。
万太郎） アハハ…。
寿恵子） フフ…。
私おっ母さんに話さなきゃ。
万太郎） うん？
寿恵子） 牡丹を授けられた者は、
見知らぬ旅に出るんです。
万太郎） えっ、見知らぬ旅？
えっ、寿恵子さんが？
寿恵子） いえ、例え話です。
誘ってもらったことがあって…
私でいいならやってみたい。
見たこともない世界に
飛び込んでみたいって。
（回想）
みえ） 日本人がまだ知らない、
見たことない世界が。
万太郎） うん…えいですのう。
わしも、ずっと、そう思うちょりました。
いつやち、見知らぬ旅に出たい。
わしは、見たこともない植物に出会
う時が、もう一番ワクワクしますき！
寿恵子さんの旅が、
何かは知りませんけんど、
たとえどんなことでも、やってみたい
ことはやるべきです！ 姉ちゃんも…
あっ、佐川におる、わしの姉も、
そうしちょります。お…男でも女でも、
誰でも、飛び込んでみるがじゃって！
（微笑む寿恵子）
万太郎） わしは、応援しますき。
寿恵子） 本当に？
万太郎） はい。
寿恵子） 牡丹、ありがとうございます。
万太郎） いえ…。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
学歴でははかりきれない実力を見せつける
万太郎。そうそう、うちの子できる子だから。
英語だってできるし絵はうまいし、頭のいい
子ですから～！！ と謎の自慢がしたくなる。
そして寿恵子に牡丹の絵を私、寿恵子の夢
の後押しをする万太郎。ユー、ダンスしちゃ
いなよ！（とは言ってないｗ）寿恵子が田邊
教授とつながることで、２人の距離はさらに
近づくのかな？ 万太郎の才能にざわつく男
たちの嫉妬心が煽られそうで心配だけど…。
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