「ちむどんどん」第68回~口が軽い男と話を聞かない男 | 日々のダダ漏れ

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ちむどんどん 第68
第14週「渚の、魚てんぷら」
口が軽い男と話を聞かない男

 

 

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いよいよ角力大会の日が

やって来ました。

 

(あまゆの厨房で魚の天ぷらを

 上げる暢子)

 

大会では、

毎年お弁当が配られます。

今年は暢子特製、魚とゴーヤーの

てんぷら弁当です。

 

和歌子) おいしそう。

 花の銀座で、コックさんば

 やってるんですよね?

暢子) まだまだ半人前だけど。

 いつかは、自分のお店を

 持ちたいなって思ってる。

和歌子) 格好いい…。

暢子) 和歌子ちゃんの夢は?

和歌子) めんこいお嫁さん。夢は、

 真っ白だ花嫁衣装ば着るごと。

 暮らすのはどごでもいい。

 相手は、真面目で、正直で、

 頼りになる男の人だら。

暢子) そっか~。

和歌子) はい。

暢子) アイ、あとはうちが

 やるから大丈夫。

和歌子) あっ、本当ですか?

賢秀) おはよう。

和歌子) おはようございます。

暢子) ニーニー…。

和歌子) へば、先に行ってます。

暢子) うん。

賢秀) 和歌子ちゃん、何かあったら、

 俺を、頼りにしていいからね。

和歌子) ありがとうごぜいます。へば。

賢秀) へば。

 俺は決めた。

暢子) ん?

賢秀) 今日の角力大会で優勝して、

 その場で、和歌子ちゃんにプロポー

 ズする。

暢子) ニーニー。

(頭にスーパーバンドをつける賢秀)

賢秀) よ~し! ん~宇宙パワー!

 優勝は、沖縄の一番星、比嘉賢秀~!

 賢秀さ~ん!

 

**********

 

(浜辺に、角力大会の会場)

(一等・黒糖20kg、二等・琉球泡盛

 一番の星、三等・パイナップル)

男性) 黒糖20kgだってよ。

 

**********

 

(テントで弁当を配る暢子たち)

和歌子・暢子・多江) こんにちは。

多江) いしみねさん、はい2個ですね。

暢子) ありがとうございます。

 こはぐらさん。え~…あった。はい。

 3つですね。はい、どうぞ。

 はい、お箸もあります。

 はい、おいしいですよ~。

 ありがとうございま~す。

多江) あっ、賢秀君、どうぞ。

暢子) あっ、いや、俺は、こっちのを。

和歌子) あっ、1つ…。

賢秀) あっ、2つ。

和歌子) はい。

賢秀) 和歌子ちゃん、あっちに、

 グレイトなシートをキープしておく

 から、後で、一緒に食べよう。

和歌子) はい。

 あっ、ありがとうごぜいます。

賢秀) じゃっ。

和歌子) じゃあ。

 

**********

 

女性) おいしいね~。

男性) おいしいねえ。

女性) もっと食べたいヤッサー。

(弁当を食べる観客)

男性) おいしいねえ。

和歌子) みんな喜んでる。

 さすが暢子さん。

暢子) みんなの笑顔に、

 うちも、ちむどんどんしてきた。

 あっ、おお愛さん!

愛) お相撲まだ始まってない?

 和彦にちょっと話があって。

暢子) 角力はこれから。

 あっ、そうだ。愛さん、お昼食べた?

愛) ううん。あっ、私もその

 お弁当もらっていいの?

暢子) もちろん! 愛さんは、県人会

 の大事なお客さんだのに。

愛) うれしい! 

 じゃあまずは頂きます!

 実はおなかペコペコだったの。

暢子) アイ、よかった~。

 

**********

 

(取組表を見る智と和彦)

智) あ~!

和彦) あ~! え~!

智) いきなり2連覇中の横綱とか…。

和彦) お手柔らかに頼むぜ。

 僕の目的は、あくまで取材。

智) いくら言い訳並べても、

 手加減しないからな。

和彦) うわ…参ったなぁ…。

 

**********

 

(ビーチパラソルの下で、

 弁当を食べる暢子と愛)

暢子・愛) う~ん!

愛) 魚のてんぷらほくほくしてる。

 沖縄風のてんぷらなの?

暢子) うん。うちなんかは、てんぷらー

 って言うけど。衣を分厚くして、出汁を

 きかせてるわけ。

愛) ふ~ん、さすが!

 うん、おいしい! 暢子ちゃんには、

 本当に感謝してる。

暢子) ゆうべ遅くまで仕込みして、朝も

 早起きして頑張ったかいがあったさぁ。

愛) てんぷらだけじゃなくて。

暢子) うん?

愛) 暢子ちゃんのおかげで、自分が、

 本当は何をやりたくて、何にちむどん

 どんするか、はっきり分かった。

 私はきっと、あの日、4人で過ごした

 時間を、一生忘れない。

暢子) フフフッ…。

 

(回想)

(徹夜で企画書作り)

(夜明けの浜で食べた黒砂糖)

 

暢子) 楽しかったね。

愛) うん。

暢子) フフフッ…。

(海を眺める2人)

 

**********

 

(準備運動する智たち出場者)

三郎) おお、気合い入ってるな。

順次) 優勝賞品、黒糖20kgが、

 かかってるからな。

智) 黒糖はどうでもいいです。

 今日優勝したら、暢子に、

 プロポーズします。

 ないしょでお願いします。

三郎) 分かった。

 誰にも言わねえよ。

智) プロポーズは、

 サプライズでやりたいから。

順次) チバリヨー!

智) フッ。

(四股を踏む智)

 

**********

 

(写真に撮る和彦)

順次) 和彦君!

和彦) どうも。

順次) 1回戦気を付けた方がいいよ。

和彦) まさか、いきなり大会2連覇

 中の智と当たるなんて。

順次) その上智、例年以上に尋常

 じゃなく気合いが入っているわけよ。

和彦) 何でですか?

順次) 詳しいことは言えんけど、

 智の人生がかかってるわけさ。

和彦) えっ? 人生が?

順次) 智優勝したら、

 暢子ちゃんに正式プロポーズ!

三郎) おい順次。

順次) 絶対ないしょだよ。

 智が優勝したらの話さ。

 あの2人も長いから、やっと結婚だね。

和彦) でも、優勝しなかったら…。

順次) プロポーズは、中止さぁ。

 であるわけですよね?

三郎) 知らねえぞ俺は。

順次) えっ、何で? だって…えっ?

 和彦君は、口が堅い新聞記者だのに。

 大丈夫でしょ?

(和彦の顔が曇る)

 

**********

 

愛) 三郎さん。和彦、見ました?

三郎) うん、あっちにいたぞ。

順次) 緊張してたよ。何せ今日の

 角力に、智の人生がかかってる

 って知ってしまったからね。

三郎) 順次。

愛) 人生がかかってるって…

 結婚とか?

順次) あれ? 知ってるわけ?

 智が優勝したら、暢子ちゃんに

 正式プロポーズする話。

三郎) バカ順次お前まったくもう。

順次) えっ、いやいや、愛ちゃんは

 知ってたわけよ。そうだよね?

愛) それを、和彦も聞いたんですね。

順次) そうなわけ。

暢子) 愛さん、和彦君、

 あっちにいるみたい。

愛) じゃあ、失礼します。

三郎) 順次、お前は本当に口の

 堅い、約束の守れる男だな。

順次) 何で? 愛ちゃんはもとから

 知ってたわけだから、問題ないさぁ。

 

**********

 

(海辺で弁当を食べる和彦)

 

(回想)

順次) 智優勝したら、
 暢子ちゃんに正式プロポーズ!

 

愛) 和彦!

暢子) あっ、食べてる! 

 うちのお弁当。どう? おいしい?

和彦) やっぱりうまいよ、暢子の料理。

暢子) やった~!

和彦) 今まで食べたてんぷらの

 中で、一番おいしい。うん。

暢子) じゃあ、頑張ってね!

和彦) うん。

(立ち去る暢子)

(そっと、和彦を見る愛)

 

**********

 

(砂浜に一人立つ暢子)

暢子) 諦めたんだから。

 

**********

 

(並んで座った和彦と愛)

愛) 実は、相談があるんだけど。

 昨日、田良島さんに呼ばれて…。

和彦) やっと分かった。

愛) えっ?

和彦) 聞いてほしい。

 僕たちの結婚のことだけど…。

 僕はやっぱり…。

智) 和彦!

 次俺たちだよ! アリ!

和彦) ごめん…始まる。

(和彦を目で追う愛)

 

**********

 

<沖縄角力大会会場>

(拍手と声援)

(土俵に入る、智と和彦)

 

<一回戦>

順次) 赤、砂川智!

 白、青柳和彦!

 和彦君、確認だけど、先に背中

 ついた方が負けだから。

和彦) はい、分かってます。

智) どんと来い!

暢子) チバリヨー!

(土俵の外に、暢子と愛)

順次) 一本勝負! うい!

多江) 行け~!

トミ) 負けるな!

和歌子) 行げ~負げるな~!

暢子) 智も和彦君も負けるな~!

智) 何でそんな頑張るわけ?

暢子) チバリヨー!

和彦) んっ…。

(全力でふんばる和彦)

暢子) 和彦君!

(和彦を吊り上げる智)

暢子) うおっ!

(倒れ込む2人)

 

**********

 

もう~口が軽すぎるよ順次さん!!

そして和彦! 人の話を聞け~~!

このドラマに出てくる男たちは、相手

の女性の気持ちをちゃんと聞かない。

勝手に、自分のいいように思い込む。

勝手に、何かを賭けて燃える男たち。

何だか変だよ角力大会。一体何を見

せようとしているのか…。相変わらず

ちむどんどんしない恋バナ進行中…。

 

 

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