「ちむどんどん」第29回~沖縄そばで合格&ニーニー発見! | 日々のダダ漏れ

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ちむどんどん 第29
第6週「はじまりのゴーヤーチャンプルー」
沖縄そばで合格&ニーニー発見!

 

 

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<フォンターナの厨房>

山辺) 2番様、オーダー

 入りました。B ドゥーエ。

スタッフたち) はい。

二ツ橋) 5番様、

 もう前菜出せますか?

長山) あと少しです!

二ツ橋) 急いでください。

長山) はい。

江川) 1番様のパスタ、

 あと5分で上がります。

長山) 5番様前菜行きます。

スタッフたち) はい。

 

小麦粉、あと、かん水の代わりに

重曹は入れたから、麺は大丈夫

なはず。豚は、骨付きも、三枚肉

もないから、さっきもらった豚肉を

代わりに…。

 

矢作) お客に出す用のを渡したのか?

桃木) あっ、いえ。賄い用のくず肉と、

 あとパンチェッタを少し。

 

残り40分ぐらい?

麺を切り終えたら、ゆでてざるにあげて、

油をまぶしておく。豚の出汁をとって、

カツオの出汁をとって、味を調えて…。

これ、本当においしい?

 

矢作) 自信なくして手が動かない。

 ああなったら、もう終わり。

 

今から別のものを作る?

 

(包丁に刻まれた賢三の名前)

 

(回想)

賢三) 自分を信じて、作りなさい。

 これがおいしいと思ったものを

 出しなさい。

暢子) アキサミヨー!

賢三) ハハハハハッ…。

 

うちがおいしいと思うものを作る!

 

(賢三の包丁で、麺の生地を切る暢子)

 

**********

 

(ランチ営業が終わって賄いの時間)

男性) 頂きます。

暢子) お待たせしました~!

 沖縄のそばです。

矢作) 沖縄?

男性) これがそば…。

房子) この麺は?

二ツ橋) ご自分で、作られました。

房子) 頂きましょう。

江川 頂きます。

スタッフたち) 頂きます。

(ソワソワみんなの顔を見る暢子)

矢作) うめえ!

暢子) 本当ですか?

男性) 何これ。

房子) 三枚肉の代わりに、

 パンチェッタを使ったのね。

二ツ橋) この時間内で、たった一人で

 麺を打つところからやってこの出来は、

 驚き、ですね。

長山) 出汁はカツオと豚肉?

暢子) はい!

男性) うまいな。

山辺) これが沖縄のそばか。

男性) うまい…。

暢子) どうですか?

二ツ橋) ちょうど一人、増やしてもいい

 かなと、相談していたところですし。

房子) いいでしょう。

 働いてもらいます。

暢子) ありがとうございます!

 頑張ります!

房子) 頑張るのは当たり前。

暢子) あっ、あっ…これ。

 よろしくお願いします。

(房子に紹介状を差し出す)

暢子) 一生懸命やります!

 よろしくお願いします!

 

**********

 

(厨房に入る房子)

(まな板の上の包丁を見る)

(「比嘉賢三」と刻まれた文字)

 

**********

 

<横浜・鶴見>

(三郎に連れられ、アーケードの

 路地に暢子が来る)

暢子) あまゆ…? 沖縄の言葉?

三郎) そう、甘い世の中、

 苦しいことのない世界。

 この、2階だ。行こう。

(「貸間あり」の貼り紙)

 

**********

 

(三線や泡盛が飾られた店内)

暢子) アイヤー! 

 まるで沖縄に帰ったみたい!

三郎) お~い、順次!

順次) あっ、三郎さん。

 お待ちしてました!

トミ) あ~この子ですか?

暢子) 初めまして。比嘉暢子です。

順次) すごいね。いきなり県人会長に

 保証人になってもらって。よろしくね。

暢子) よろしくお願いします。

三郎) この店と、上の下宿のあるじ、

 金城順次。こっちが、娘のトミ。

順次) 娘と言っても、出戻りだけどな。

トミ) いいから、そんなこと言わなくて!

順次) ハハッ、

 とにかく、部屋見てきたら?

トミ) 行こう、こっち。

暢子) はい!

 

**********

 

(貸し部屋がいくつか並ぶ2階の廊下)

トミ) こっち。

(札に、「ゴーヤ」と書かれた部屋)

 

**********

 

(窓を開け、押し入れを開けるトミ)

トミ) 布団、古いけど、よかったら

 使って。レストランで働くの?

暢子) はい。明日は休みで、

 あさってからと言われました。

トミ) そう。

 驚いたでしょ。

 あんまり狭くて汚いから。

暢子) いいえ! 初めてです。

 自分だけの部屋。

(小さな流しのある、四畳半の部屋)

(窓から外を眺める暢子)

 

**********

 

三郎) あっ、来た来た来た。

 おいみんな、今日から2階に

 下宿する比嘉暢子ちゃん。

 昨日やんばるから出てきた

 新米だ。

 よろしくな!

平太) ゆーちゃんやー。

栄吉) かわいいぐゎーだねぇー。

伸吾) よろしくね。

暢子) よろしくお願いします。

トミ) 暢子ちゃん、早速手伝って。

暢子) えっ? はい。

 みんなウチナーンチュ?

順次) 鶴見はリトル・オキナワさ。

暢子) リトル・オキナワ?

順次) ああ。近くに京浜工業地帯が

 あって、戦前から、鶴見、川崎、横浜

 に、日本中からたくさんの労働者が。

 特に、ウチナーンチュが多かったよ。

暢子) うちのお父ちゃんも、毎年

 那覇に、出稼ぎに行ってましたよ。

順次) 沖縄から遠く離れて、みんな

 不便なこと、つらいこともあるけど、

 仕事のあとは、飲んでしゃべって、

 ウチナーンチュ同士、助け合って

 暮らしてるわけ。

暢子) その県人会の会長が、

 三郎さんなんですね。

順次) うん。三郎さんは、

 沖縄二世だけど、ウチナーンチュ

 の心をしっかり持ってる。

トミ) お父ちゃんまた手が止まってる。

 フーチャンプルー早くして。

順次) アハハ…ごめんごめん。

順次) 暢子ちゃん。

暢子) はい。

順次) しっかり手伝えよ。

 店手伝う条件で家賃安くして

 もらったんだからな。

暢子) アイ、そうなんですか?

三郎) おう。

トミ) 聞いてなかった?

 これお願い。

順次) はい。

トミ) はい。

三郎) おっ、来た来た来た。

男性) お~ありがとう。

暢子) お待たせしました~。

三郎) ああ、そうやって働いてりゃ

 みんなに顔覚えてもらえる。

暢子) はい、頑張ります!

栄吉) 暢子ちゃん、家族は?

暢子) お母ちゃんと、ニーニーと

 ネーネーと妹がいます。

栄吉) はあ~。

平太) 俺も4人きょうだいさ。

暢子) おおっ!

平太) みんな読谷(よみたん)にいる。

暢子) アイ。

伸吾) 俺は石垣。

 13人きょうだいの、下から3番目さ。

暢子) 13人!?

(騒ぎ声)

健男) くぬ ぽってかす!

男性) やめれ!

治) 何が組合か!

 お前が一番ぽってかすだ!

ヒロシ) 父ちゃんやめれ!

(騒ぎ声)

三郎) いいかげんにしろ!

 そのケンカ、俺が買った。

 そこに座って訳話せ。

 何があった。

健男) 今日組合の集会があって。

 で俺はこれを迎えに行って子連れ

 で参加したのに、治はよ。

治) 集会とか意味あるかよ。

 いくら旗振り回して、大声出しても…。

健男) 諦めたら負け!

 労働者の当たり前の権利勝ち取る

 ために集会を開くんだろや。

治) 意味ない。

三郎) ほれ、話は分かった!

 おめえが悪い。

治) 会長!

三郎) 会社の組合ってのは、

 県人会のゆいまーると同じ。

 弱い者が助け合うためにある。

 次から必ず、集会に出ると

 約束しろ。

治) だけど…。

三郎) 俺の言うことが聞けねえのか?

治) いやそれは…。分かりました。

三郎) よし! おい酒だ。

 この2人に手打ちの島酒。

トミ) は~い。

三郎) 健男それでいいな?

健男) ありがとうございます。

三郎) ヒロシに飯食わせてやれよ。

暢子) 三郎さん、格好いい!

 

**********

 

三郎) ♪「イヤーアッサ

 イヤーアッサ イヤーアッサ

 アッサ アッサ」

(三郎の弾く三線に合わせ、

 笑顔で踊る常連客)

三郎) ♪「唐船(とうしん)

 ドーヰさんてーまん

 一散走(いっさんは)ーえならんしや

 ユウヰヤナー 若狭町村ぬ サー

 瀬名波(しなふぁ)ぬタンメー

 ハヰヤセンスル ユウヰヤナ

一同) ♪「イヤーアッサ アッサ アッサ

 アッサ アッサ アッサ アッサ アッサ」

三郎) ♪「イヤーアッサ イヤーアッサ

 アッサ アッサ アッサ…」

(合いの手と指笛)

(三線を弾く三郎の姿に、賢三が重なる)

賢三) ♪「那覇(なふぁ)に豊(とゆ)まりる

 サー 久茂地(くむじ)ぬほー

 榕樹木(がじまるぎ) ハヰヤセンスル

 ユウヰヤナ」

(暢子の顔がほころぶ)

一同) ♪「イヤーアッサ アッサ アッサ

 アッサ アッサ アッサ アッサ アッサ」

暢子) リトル・オキナワかあ…。

 

**********

 

<フォンターナの2階>

(房子が紹介状を見ている)

(文面の中に、「比嘉賢三君の娘です」

 という一文がある)

房子) まさかやー…。

 

**********

 

<鶴見・あまゆ>

トミ) ありがとうね。また来てね。

男性) ごちそうさま。

男性) ごちそうさ~ん。

 

**********

 

電・暢子) ネーネーが、喜納金吾と?

電・優子) 暢子は、金吾さん嫌いなの?

電・暢子) 悪い人じゃないと思うけど。

 ん~好きでもない人と、結婚するとか。

(電話が切れる)

電・優子) もしもし、暢子?

暢子) はっさ!

 電話代が高すぎるわけ。

三郎) ネーネーに縁談か?

暢子) 相手は、村一番の

 製糖工場の息子さんで。

順次) さっきの話だと、ニーニーが

 こしらえた借金で、家族困ってるん

 でしょ? ありがたい縁談じゃない?

暢子) アイッ、忘れてた!

 うちはニーニーを捜しに鶴見に

 来たのに! 三郎さん、順次さん、

 うちのニーニー知りません?

三郎) いや、会ったこともねえ人を

 知らねえかって言われてもな。

トミ) いらっしゃい。

男性) おばちゃん、やってる?

トミ) あれ、あんた、この前

 お勘定払わないで帰った…。

男性) お願い! 泡盛1杯だけ! ねっ!

トミ) その前にこの間のお勘定!

男性) 人違いさ。ねっ、はいはいはい。

 お邪魔します。

暢子) あの声は…。

賢秀) 死にそうなわけよ、なあ!

トミ) 待ってって!

賢秀) 泡盛1杯だけ!

トミ) お金!

暢子) まさかやー!

 ニーニー!

賢秀) 何で暢子がいるわけ?

 えっ、おっ…。おお…。

暢子) ぽってかす!

 何考えてるわけ?

 ジムの借金は? どうするわけ?

賢秀) だからよ! 俺は、ボクシング

 に向いてなかったわけ。分かるか?

暢子) 分かるわけないさ。

 ぽってかす!

 うちがどれほど東京で…。

 一人で…怖かったか…。

賢秀) もう大丈夫。

 ニーニーがついてるからよ。

暢子) ニーニー!

(暢子を抱きしめる賢秀)

暢子) ニーニー…。

 

**********

 

一流イタリアンのお店の厨房で、あの頭の

ままで調理することを許しているのがホント

謎なんだけど…。暢子の得意料理、沖縄そ

ばですんなり合格。まさかやー。しんけん?

 

住むところも、三郎さんの紹介で、「あまゆ」

の2階の部屋をゲット! お店の手伝いをす

るということで格安の家賃らしい。てことは、

鶴見から銀座に通うのね。交通費は出して

もらえるんだろうか。たいていはお店の近く

に住むパターンだったから、遠距離通勤は

かなり珍しいような…。でもきっと、通勤に

かかるお金も時間も、なかったかのように、

どこでもドアパターンで進行していきそうw

 

三郎さんからの紹介状の中身はこちら↓

 

全略

長らくこ無沙汰の上、本日は突然の

手紙にて失礼します。この手紙を持

参する比嘉暢子さんは料理人にな

ることを強く願望して上京してきたの

ですが、頼りとして来た身内の消息

がつかめなくなってしまったようです。

勝手なお願いながら、彼女をアッラ

フォンターナで働かせていただけな

いでしょうか。比嘉さんは亡くなった

比嘉賢三君の娘です。今更かとは

思いましたが、これも何かの縁かと

頼らせてもらいました。何卒よろしく。

            草々。平良三郎

 

三郎さんも、オーナーも、比嘉賢三を知って

いるってことね。オーナーは、昔暢子を引き

とろうとしてくれた人かな? そのうち、回想

シーンで若き日の賢三さんも出てきそう…。

 

ぽってかす!
うちがどれほど東京で…。
一人で…怖かったか…。

 

普通は…そうだよね。もう少し…そう見える

演技が欲しかったかなぁ…。それに、もっと、

心配してほしいよね、優子とか優子とか…。

 

だけど暢子! 気持ちは分かるけど、ニーニ

ーに頼ったら駄目! 借金が増えるだけ~。

全然大丈夫じゃないから~。早く逃げて~。

 

 

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