「おちょやん」第90回~それこそが、喜劇やろ | 日々のダダ漏れ

日々のダダ漏れ

日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「おちょやん」 第90
第18週 「うちの原点だす」
それこそが、喜劇やろ

 

 

※無断転載対策のため、不本意ですが、

しばらく、注意喚起させていただきます。

 

こちらの記事は、「日々のダダ漏れ」 の

記事です。ご覧になっているブログ名が

「日々のダダ漏れ」、以外のブログ名は、

記事を無断転載しているブログです!!

↓ オリジナルのブログはこちらです♪

「日々のダダ漏れ」

 

 

一平) ほな、演目は

 「マットン婆さん」でええな。

千代) みつえと福助が一緒に

 なった時の芝居だす。

一平) うん。配役に合わして

 手直しするわ。

 

**********

 

(トランペットを手に、

表の縁台に座っている一福)

 

**********

 

一平) 福助や百久利は・・・

 許してくれるやろか。

千代) 当たり前やんか。

 あんたいつからそんな聖人君子

 になりなはった? 言うときますけ

 どなあ、あんたは芝居のこと以外

 どないしようもない人間だすで。

 せやさかい間違えて当然や。

 あんただけが間違うたんやあれ

 へん。みんな間違うたんだす。

 間違うたままで、立ち止まったら

 あかんのだす。ちょっとでも正し

 いに変わるように、しんどうても

 前に進まなあかん。

 それこそが、喜劇やろ。

 

**********

 

(お茶を持ってきたシズが

 廊下で聞いている)

 

**********

 

(回想)

(終戦の日、青空を見上げた千代)

 

**********

 

(トランペットを吹く一福)

(音は出ない)

 

**********

 

<焼け跡の福富に作られた舞台>

 

いよいよ、千代ちゃんたちの、

久しぶりのお芝居の日が

やって来ました。

 

天晴) さあさあ皆さんお立ち寄りを!

 生まれ変わった、天海天海家庭劇の、

 お芝居が始まりまっせ~!

徳利) よいしょ~!

 さあさあ、これ見な一生の損でっせ!

 どうぞ皆さん、腹抱えて笑うてやって

 おくれやす~!

漆原) 今日だけ特別、

 お代を一切頂きません。

徳利) そう!

漆原) 見やすい場所は早いもん勝ちや!

天晴) さあさあ皆さん!

千代) どうぞどうぞ座っとくなはれ。

 

**********

 

<天海家・二階>

(福助の写真を見ているみつえ)

(戸が開く音)

(布団に寝るみつえ)

シズ) 行きますで。 支度し。

みつえ) うちはええ。

 お芝居なんか見とうない。

シズ) 見とうなかっても見ますね。

 笑いとなかっても笑いますね。

みつえ) そないなことしても、

 何も救われへん。

シズ) あんたが救われるために

 行くんやあれしまへん。

 千代たちを、あんたが救いますのや。

みつえ) ん?

 

**********

 

<福富の焼け跡>

(客席は地面に敷いたむしろ)

(幕代わりに垂らした布の隙間から

 客席を見る千代と香里)

香里) みつえちゃん、来えへんか・・・。

一平) そろそろ時間や。始めんで。

(シズとみつえ、宗助が来る)

 

みつえ、絶対笑わしたるさかいな。

 

千代) よっしゃ。

 気合い入れていきまひょ。

 

**********

 

徳利) 頼んますお父さん、

 もうお金貸してください。

 商売に失敗してしもて、今度こそ

 どないもなれしまへんのや。

天晴) この家見たら分かるやろ。

 屋根も傷んで、青空見えてしもて

 るがな。なあ。

(笑い声)

天晴) この家にそんな大金ある

 はずないやろ。自業自得じゃ。

千代) そもそもマットンを雇うお金は

 あんのに実の子であるうちらに出

 すお金はあれへんておかしいやろ。

 あないな役立たずさっさとクビにし

 たらええんや。

一平) なんちゅうこと言うねん!

 僕らを育ててくれた恩人やで。

徳利) ハッ! ええ年しておやじと

 夫婦になりたいて・・・。

 財産目当てなんと違うんかい?

千之助) 正一郎さん。

客) よっ、千之助!

(拍手)

千之助) わてが、財産目当て

 とはあんまりでございます。

 はっきり言うときます。わては、

 親旦さんの、体目当てです。

(笑い声)

天晴) この結婚やめさしてもらうわ。

一平) お父さん!

天晴) 冗談や、冗談。

一平) もうええ。お金やったらある。

 持っていきいな。

徳利) おお・・・!

千代) えらい大金やんか!

徳利) こんだけあったら、どうにか

 急場はしのげるわ。おおきに三郎。

 さすがはわしの弟や!

一平) お礼言うのは僕やあれへん。

 そのお金はな、マットンが大事に

 ためたもんなんやで。

千代) マットンが!?

徳利) マットンが!?

千之助) マットンが!?

徳利) いやあんたのことやがな。

(笑い声)

天晴) マットンが!?

一平) あんたは知っとるやろ。

千之助) それは、マットンがコツコツ

 コツコツためたお金です。

 けどな、わてはうれしおます。

 あんさんらには、こないちいちゃい

 頃からた~んと無理言われてきま

 したけどな、無理言われたら言わ

 れるほど、マットン頼りにしてくれて

 はるんやなあて、うれしゅうてうれ

 しゅうて・・・。どう逆立ちしたかてな、

 あんさんらのほんまのお母ちゃん

 にはなりゃしませんけど、ほんまの

 お母ちゃんの代わりに無理聞いて

 あげるんが、マットンの、生きる喜

 びです。

(拍手)

客) 千之助!

徳利) そやったんかい。

 おおきに、マットン。

一平) マットンちゃいますやろ。

徳利) せやな・・・。

 おおきに・・・。お母・・・。

一福) お母ちゃん!

徳利) 誰っ!?

(トランペットを持った一福)

千之助) わての息子だす。

千代) 息子がおったん!?

徳利) いや、あんた一体、

 いくつで産んだんや!?

千之助) 106。

徳利) 今いくつやねんな!

千之助) この子はね、音楽の勉強さす

 ために東京の学校行かしてたんです。

一平) それはさぞ音楽の才能が

 ありますのやな。

千之助) そらもう評判で評判で。

 この子がひとまず楽器を吹けば、

 寝た子も起きる・・・。

千代) 「泣く子も黙る」やろそれ!

千之助) 泣く子も黙るで泣く子も黙るで

 すな。さあ、あんさんの上手なトランペ

 ット、皆さんに聴いてもらいなはれ。

天晴) 楽しみやな。

徳利) ほんまやな。

(虚ろな目で一福を見ているみつえ)

千之助) お願いします。

 ありがとうございます。

 じゃあ、頑張ってね。

 うまいです。

徳利) そら楽しみやで。

(一福を見つめる千代)

 

(回想)

一福) 僕が芝居に?

千代) そや。

一福) 見てたやろ。

 僕、トランペット吹かれへんねんで。

千之助) あほやな。

 それでええんじゃい。

 わしが「吹かれへんのかい!」

 言うたらみんな笑いよるわい。

千代) きっとお母ちゃんも 

 笑てくれるで。

 

(トランペットをかまえる一福)

(一福を見つめる千之助)

千之助の心の声) よっしゃ、

 いつでもツッコんだる。

♪(トランペットの音)

千之助) 鳴った!

 鳴ったがな、鳴ったな・・・。

一福) 鳴った・・・。

千代) 鳴ったやん・・・。

 すごいな、一福! ようやった!

千之助) (小声で)おい、

 何喜んでんねん。

(ポカンとしたお客さんたち)

みつえ) フッ・・・フフフッ・・・

 ハハハハ! ハハハ!

 むちゃくちゃやんか。

(客席へ走る千代)

(みつえを抱き締める)

千代) やっと笑てくれた。

みつえ) 千代・・・堪忍・・・。

千代) フフフ・・・。

宗助) (せき払い)

 千代、芝居芝居・・・。

一福) 満里子姉さん、

 さっきから何してますのや!

徳利) 満里子!

千代) 堪忍。何や知らんけど

 よう、うれしなって・・・。

 ああもうかわいらしい弟が

 でけてうれしいなあ。

一平) よかったな、お母ちゃん。

千代) お母ちゃん。

徳利) お母ちゃん。

千之助) マットンて呼んでください・・・。

徳利) お母ちゃん。

千之助) もう恥ずかしい~。

天晴) 旦さんやあれへんやろ。

 あんさんや。

一福) あんさん。

千之助) わてのセリフやそれ。

(笑い声)

 

何や・・・。

うちら一生懸命やったのに、

結局みつえを笑わしたんは、

福助と一福いうことや。

かなわんなあ。

 

(客の後ろに鶴蔵)

鶴蔵) 戦後一番乗りの芝居、

 とられてもうたな。ハハハ。

 今すぐ使える劇場押さえ。

熊田) えっ・・・。

鶴蔵) 1か月後には、幕開けるで。

熊田) けど、小屋はなんとかなると

 しても、役者が、そないすぐには・・・。

万太郎) うちらはいつでもいけまっせ。

熊田) ほんまですか?

万太郎) 今やらな、何のための喜劇や。

鶴蔵) 熊田、遠慮はいらん、盛大にやれ。

 我ら鶴亀が、この道頓堀で、

 もういっぺん芝居の灯をともすんや。

 

**********

 

<長屋の表>

一平) ほな、留守の間、

 よろしゅうお願いします。

千代) お願いします。

宗助) 気ぃ付けてな。

千代) 旦さんご寮人さん、おおきに。

 みつえにもよろしゅう伝えとくれやす。

香里) 何や、みつえちゃんどないしたん?

千代) 忙しい言うて見送りもしてくれへん。

 

**********

 

みつえ) 皆さ~ん! ええ小麦粉に

 ええお出汁ですいとん作ったで~。

一福) ♪(トランペットの音)

(焼け跡に福富ののれん)

一福) すいとんうまいで。食べてってや!

みつえ) 食べてみて~。おにいさんおに

 いさんおにいさん、すいとん食べて。

 

**********

 

千代) うちらも負けてられへんわ。

シズ) 一路平安を、お祈り申し上げます。

千代) おおきに。

一平) おおきに。

一平) ほな、行ってまいります。

千代) 行ってまいります。

宗助) 行っといで。

男性) よっしゃ、行きましょか。

(切り火を切る音)

 

**********

 

徳利) ほな皆さん、

 天海天海家庭劇、行ってまいります!

千代) 行ってまいります。

(道具を積んだリヤカーを引き、

 焼け跡の街を行く一座)

(空を見る千代)

千代) 今日もええお天気や。

 

**********

 

福富での芝居の演目は「マットン婆さん」。

弱気の一平に言った千代の言葉がいい。

 

あんたいつからそんな聖人君子
になりなはった? 言うときますけ
どなあ、あんたは芝居のこと以外
どないしようもない人間だすで。
せやさかい間違えて当然や。
あんただけが間違うたんやあれ
へん。みんな間違うたんだす。
間違うたままで、立ち止まったら
あかんのだす。ちょっとでも正し
いに変わるように、しんどうても
前に進まなあかん。
それこそが、喜劇やろ。

 

人は皆間違う。間違うから、間違えたら、

間違いを正せば・・・いや、少しでも正解だ

と思える方に方向転回できればいいよね。

 

シズ) 見とうなかっても見ますね。
 笑いとなかっても笑いますね。
みつえ) そないなことしても、
 何も救われへん。
シズ) あんたが救われるために
 行くんやあれしまへん。
 千代たちを、あんたが救いますのや。

 

楽しくなくても笑っていれば、脳がだまされ

て楽しくなってくる。笑顔という表情筋の動

きに、脳は意外と簡単にだまされるらしい。

そして、人は自分のためより、誰かのため、

好きな人、大切な人のための方が動けた

りする。親は娘のことがよく分かってるよね。

 

トランペットがうまく吹けないところを笑いに

変えるつもりでスカウトされた(笑)一福が、

本番で音を出すことに成功。芝居を忘れて

みつえのもとに駆け寄る千代。感動の場面

だけれど、おいおい芝居芝居とツッコみたく

なるよね~。それも込みでもうちょい笑いが

欲しかったけどそれは期待しすぎだったか。

 

焼け跡に、福富ののれんと、福助のお人形。

商魂たくましいみつえと福助よりトランペット

の才能がありそうな一福の姿が見れて良き。

 

 

「おちょやん」関連ブログはこちらから↓

「おちょやん」関連ブログリスト

「朝ドラ」関連ブログリスト

●「おちょやん」HP
 

 

ランキングに参加しています。
ポチっとしていただけると、嬉しいです♪
にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ
にほんブログ村
にほんブログ村 テレビブログへ
にほんブログ村

 

 

 

 

 

 

 

☆「Bloomee LIFE」の「500円コース」の体験はこちら↓

「Bloomee LIFE」ポストにお花が届く新体験!お花の定期便

 

ときめきが続く、お花の定期便bloomee(ブルーミー)

 

 

イベントバナー