「エール」第21回~あなたは僕の音楽のミューズ、女神様です | 日々のダダ漏れ

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「エール」 第21
第5週 「愛の狂騒曲」
あなたは僕の音楽のミューズ、女神様です

 

 

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<レストラン>

落合) 来たよ来たよ、手紙!

手紙・音) 「私とあなたは今、立っている位置

 が違います。どうか、私のことは忘れ、作曲

 にいそしんで下さい。いつか、さようなら。音」。

裕一) 彼女に会いに行きます!

昌子) へっ!? 振られたのよ。

 完全に振られてるわよ。

裕一) 分かってます! 分かったけど…

 このままじゃ駄目なんです。

 僕は、前に進めない。

 答えを探しに…会いに行きます!

藤堂) まだ、文通…だけですよね?

昌子) のぼせ上ってんです。

 

**********

 

<豊橋・関内家>

音) 先生が、東京帝国音楽学校に

 推薦状書いてくれるって。

光子) 試験は?

音) 実技はあるけど、

 君ならオーケーだって。

吟) お母さん、私は? どうしたらいい?

音) お姉ちゃんっていっつも人頼りだよね。

吟) 何ぃ? 私はあんたが気落ちしと

 るの心配して一緒に東京行くのよ。

音) よく言うよ。私は平気。

吟) うそばっかり。あんたまだ文通

 相手のこと諦めきれとらんでしょ。

音) そんなことない!

吟) ある。

音) 行き遅れ!

(音のアジフライを取る吟)

音) あ~!

(仕返しする音)

吟) ん~! んんっ!

 

**********

 

(表に裕一が来る)

(玄関の前に立つ裕一)

吟の声) やめて! 待ちんよ!

(音が飛びだしてくる)

音) ガハハハハ!

 アジフライ取ったり~!

吟) 私の大好物! いかん音! あっ!

(裕一に気付く吟)

(音も気付く)

裕一) お、お…音さん…。

音) 裕一さん?

 

**********

 

光子) 音の母の、光子です。

 こっちが、姉の吟。さっき奥に

 下がったのが、妹の梅です。

 今日は、何の用事でこちらに?

 おいで下さるなら、事前にお知らせ

 頂かないと、困りますよ。

裕一) そうですよね。

 ほ…本当に、すいません。

 音さんから、別れの手紙が届きまして、

 あの…ど…どうしても、会いたくなって、

 衝動が抑えられずに、今ここにいます。

光子) はい…。

裕一) ここに、しばらく

 置いて頂けませんか?

光子) えっ!?

 

**********

 

<夜>

光子) ご近所の手前、親戚の子が

 遊びに来とるってことにしましょう。

音) ありがとう。

光子) 家出するって…

 よっぽど思い詰めてたのね。

音) うん…。

光子) うれしいんでしょう?

音) うん?

光子) 正直に言いんよ。 

 うれしいよね?

 そりゃあうれしいよね。

 福島から豊橋まで、後先考えんで

 会いに来る未来の天才作曲家。

 だけどいい? 深入りは禁物よ。

 あの人は留学するの。

 しかも長いんでしょう?

音) 最低5年だって。

光子) 待つ人生あなた歩める?

 性に合ってる?

 しばらくはいいけど…分かっとるよね?

 変な期待させちゃ、可哀想よ。いい?

 

**********

 

<2階の物置部屋>

(ノック)

音) 裕一さん、いい?

裕一) あっ…はい、はい!

(飛び起きて、布団を畳む裕一)

音) 大丈夫。すぐ行きますから。

(部屋の外に座る音)

裕一) あ…あの…本当に…いきなり、

 会いに来て、すいませんでした。

音) こちらこそ、

 お返事も書かずに…ごめんなさい。

裕一) よ…読んでなかったですか?

(うつむいたまま頷く音)

裕一) そっか…。

音) 最後に書いた手紙は、

 私の本心なんです。どうか

 私のことなんて忘れて下さい。

裕一) あ…あの…あの…。

 あっ。あの…初めて、さっきあなたに

 会ってから、浮かんだ、メロディーです。

(楽譜を差し出す裕一)

裕一) 全然書けなかったんですけど…

 お…音さんに会ってから、とめどなく

 あふれてきます。手紙にも書きました

 が、あなたは…僕の、音楽のミューズ。

 あっ…女神様です。どうか…ひととき

 だけでもいいので、一緒にいさせてく

 ださい。お…お願いします。

(正座して頭を下げる裕一)

裕一) お願いします。

(楽譜を置き、立ち去る音) 

(しょんぼり楽譜を片づける裕一)

音) 明日、豊橋をご案内します。

裕一) は…はい!

(戸を閉める音)

裕一) あっ、お休みなさい…。

音) お休みなさい。

裕一) あっ、お休みなさい。

 

**********

 

(階段の下で聞いていた光子)

(カーテンを閉めるフリをする光子)

(夢心地で2階から下りてくる音)

 

**********

 

<喜多一>

(神棚に手を合わせる一同)

(戸をたたく音)

男性) おっ?

大河原) おい、開けろ開けろ。

男性) はい、ただいま。よいしょ…。

大河原) 今開けますよ。

茂兵衛) 裕一! 裕一はどこじゃ!?

 

**********

 

<関内家・物置部屋>

(眠っている裕一)

(吟がのぞく)

 

**********

 

(居間のちゃぶ台に残された一人分の朝食)

吟) 赤ちゃんのように

 気持ちよさそうに寝とるわ。

光子) この状況で…

 やはりただもんじゃないわね。

音) 私起こしてくる。

光子) そのままでいい。

 きっと、福島のご実家は大騒動よ。

 

**********

 

<喜多一>

茂兵衛) どこにいるのか教えろ。

三郎) 知らねえ。

 あいづ何考えてんだ…。

茂兵衛) おおかた、一人でイギリス行く

 のが怖くなって逃げたとこだろう。

 親が親なら子も子だ。

三郎) やかましい!

茂兵衛) あ~!

(茂兵衛に一本背負いで投げられる三郎)

三郎) あっ、いてっ! いててて…。

 あっ! あそこだ!

浩二) 親父!

三郎) えっ?

浩二) 横浜の坂梨さん、もう来るよ。

三郎) それどころじゃねえ! 任せる!

(走り去る三郎)

 

**********

 

<関内家・作業場>

裕一) あっ…お…音さん、すいません

 あの…寝過ごしてしまいました。

(手を止める音)

音) おはよう。岩城さんいい?

岩城) ああ…まあ、あとは一人で十分だ。

音) はい。

(作業場を出る音)

裕一) あっ、失礼します。

(岩城に頭を下げ、音に続く裕一)

 

**********

 

<お城近くの道>

(馬に乗った軍人が通る)

(立ち止まり、頭を下げる音)

裕一) 馬具ってかっこいいね。

音) 豊橋は昔からの城下町で、

 今も陸軍の施設がたくさんあるの。

 町と軍は、切っても切れんの。

裕一) 嫌なの?

音) うちで作った馬具って、全部軍用の

 もんなの。仕事手伝っとる時にふと思っ

 ちゃうんだ。これ、人を殺めるために使

 われるんだって。まあ、それで生活しと

 るから偉そうなことは言えんけど。

裕一) 軍人さんの命守ってんのも

 馬具ですよ。すばらしい馬具なら、

 馬にも負担かけないし。

音) ありがとう。

裕一) 何がですか?

 おおっ、城壁だ!

 うわっ、気付かねがった!

 

音は、思い出の地を案内しました。

ここは、子どもの頃、かぐや姫に

選ばれず落ち込んでいた時に、

お父さんに励まされた場所でした。

 

**********

 

<教会>

音) ここでちっちゃい頃、

 双浦環さんの歌を聴いたの。

 

教会は、歌手を目指すきっかけに

なった場所でした。

 

音) それがきっかけで、

 私も歌いたいって思ったんだ。

 裕一さんは双浦環さん知っとる?

裕一) うん。

 

(回想)

裕一) きれいだ~。

 

裕一) …いや、知らない。

音) ふ~ん。

 

**********

 

<だんご屋>

音) はい。

裕一)  うん  えっ…何これ?

音) 安隆スペシャル。

 お父さんがよく食べとったの。

裕一) わあ…ぜいたくだね!

2人) 頂きます。

 

おいしいおだんごも頂きました。

お父さんが大好きだったお店でした。

 

音) おいしい?

裕一) うん! おいしいです!

 

**********

 

そして…海に来ました。

 

裕一) ねえ、聞こえる?

音) 波の音。

裕一) 音楽だよ。音楽が聞こえる。

音) お父さん元気かな?

裕一) 聞いてみっか。

(海に向かって立つ裕一)

裕一) お父さ~ん! 元気ですか~?

(耳に手を添え、音を集める)

(音を見る裕一)

裕一) 元気だって。

音) (笑)

(並んで座る裕一)

音) 歌手になるって、

 お父さんと約束したの。

裕一) あっじゃあ、お父さんに詩書いてよ。

 僕曲作っから。

音) うん。

裕一) うん!

(涙のあふれる目を、海に向ける音)

(音の涙を見る裕一)

 

**********

 

これはもう好みの問題なのだけれど、テンポ

が早いのはいいとして…もう少し情緒が欲し

いと思ってしまうのは…私のドラマの好みで。

たぶん私が思うより、音のキャラが強すぎる

というか…中の人が悪いわけではなく、もう

少しあっさりした印象の人だったら、受ける

印象も変わったんだろうなあという、個人的

な感想。今回は脚本とも相性が悪いかも…。

とはいえ面白いところもあるし、海のシーン

はよかった。まだまだ期待はしてますよ~♪

 

 

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