大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」第47回(最終回)~時間よ止まれ(前半) | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

大河ドラマ 
「いだてん~東京オリムピック噺~
 



第48回(最終回)~時間よ止まれ(前半)

 

 

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「日々のダダ漏れ」

 

 

1964年10月10日

 

アナウンサー) 「前夜からの大雨がうそのように晴れ渡りました、

 東京。実にすがすがしい、10月10日の、朝であります」。

(国立競技場のスタンドに政治)

政治) よし…。

四三) ばっ!

政治) ハハ…やあ、金栗さん!

四三) あら、田畑さん! てっきり、一番乗りと

 思っとったばってん、先ば越された。

政治) 眠れなくてね。

四三) 俺もです。それにしても、晴れましたな~。

政治) そりゃそうだ! 一番面白いことをやるんだ、

 今日から。ここで! ハハッ。晴れてもらわなくちゃ困る!

四三) はい!

 

**********

 

<自衛隊 入間基地>

松下) あああ…! 晴れてる~!

 

大雨で中止と決め込んでいたブルーインパルスの

隊員たち。本番に向け、気合いを入れ直します。

 

**********

 

<競技場>

政治) ああ…。

四三) これば、読んで下さい。

政治) うん?

四三) 嘉納先生が、生前下すった手紙ばい。

政治) へえ~エアメールですな。

四三) ベルリンで、

 招致が決まってすぐに、書かれたようです。

政治) ほう。「ついに、念願は叶った。昭和15年、

 東京でオリムピックを開催する運びとなった」。

 

(回想)

治五郎) 田畑! 

 持って帰るぞ、オリンピックを、東京に!

 

政治) 「君は今、熊本で切磋琢磨の日々だろうが、

 是非とも上京して、力を貸してくれ。開会式の

 聖火ランナーを君に頼みたい」。

 

(回想)

治五郎) 聖火ランナー、頼むぞ!

四三) はい!

 

政治) ハハ…へえ…。

四三) 「開会式の聖火ランナーを君に頼みたい。

 この大役、日本人として初めてオリンピックに

 参加し、黎明の鐘を鳴らした」…。

政治) 暗記してるんだ!

四三) 「君をおいてほかにない」! 

 ばってん坂井君がよかです。

政治) 悪かったよ。ねっ?

四三) あっ、いやいや…。

政治) いやいや…根に持ってるあんた絶対。

 諦めきれてないじゃんね~! 足袋履いてるし。

四三) いやこれは、坂井君に、

 もしものことがあったら…。

政治) 走るの!?

四三) 走りません。

 金栗四三は走りません。誓います。

政治) いや…。なぜ誰も来ない? 

 都知事は? 寝坊してんのかね?

四三) じゃあ、そろそろ私は…。

政治) どこ行くの?

四三) これから走る坂井君に、

 こん手紙ば読んで、励まそうと。

政治) 頼むからやめてくれ。

 おい、金栗さん! や…金栗!

 走ってるよ、ほら…ああ…。

 

(回想)

政治) 泣いてどうするよ…おい、8月6日!

坂井) 8月6日じゃありません!

 アトミックボーイでもない! 僕は坂井です!

 

政治) あいつなら、きっとやってくれるに違いない。

 

**********

 

開会式まで、あと5時間。その頃、東龍太郎東京都知事は、

羽田にいました。不参加が決定したインドネシア選手団を、

空港まで見送りに来たのです。

 

東) 申し訳ない。私は出てほしかった。

アレン) (通訳)

東) 選手同士、政治や思想を超えて、

 スポーツで技を競い合ってほしかった!

 

**********

 

<競技場>

吹浦) (すすり泣き)

政治) 泣くな吹浦。参加国94、それでも過去最多じゃんね。

吹浦) どの国も、メダルを取る可能性があるから、金銀銅、

 3つ取ってもいいように、どの国の旗も3枚ずつ作ったのに!

 始まる前に無駄になりました。

(泣き崩れる国旗担当の吹浦)

政治) なあ、そうやって泣いたこと、忘れんなよ。なっ?

 

**********

 

(市川崑が率いる撮影隊)

市川崑) これは、記録映画ではない。

 ドキュメンタリーでもない。

 劇映画だと、思って下さい。

一同) はい!

市川) え~キャメラは、一人一台ずつ持って、

 配置についてもらいます。何でも構わない。

 好きなものを、撮ってきてくれ。

 

**********

 

ブランデージ) カイケイ センデン…。

岩田) ノー ノー。「カイカイ センゲン」。

 

岩ちんは、日本語で開会式のスピーチをしたいと

いうブランデージ会長に付きっきりでしたが…

 

ブランデージ) (英)やはり、英語でスピーチしよう。

 自分で言いだしたことだが、かえって、

 日本人に失礼だ。

岩田) (英)失礼などという事はありません。

 上達してますよ、会長。

ブランデージ) ノー。アイ ドント シンク ソー。

(ストップウォッチを見るブランデージ夫人)

ブランデージ夫人) (英)アンティークな時計ね。

岩田) (英)嘉納先生が、田畑さんに託したもの

 を、私が託されました。針が動いているんです。

ブランデージ) (英)これは、カノーの”鼓動”だ。

岩田) (英)”鼓動”?

ブランデージ) (英)彼がまだ生きている証拠だ。

 

**********

 

<聖火リレー最終中継点>

 

最終聖火ランナーの坂井君は、

人目を避けるため、

競技場の目の前にある店に、

スタンバイさせられていました。

 

四三) ごめんください! 坂井君!

店主) あ~駄目駄目駄目! 

 マスコミの人帰って。誰もいないから。

四三) あっ、坂井君。金栗です。どぎゃんね?

店主) 「どぎゃん」も何も営業妨害だよじいさん。

 注文いいかい?

四三) ああ…あとで、焼き飯ばもらいます。

店主) 普通ちゃんぽん頼まないかい? 

 こんだけちゃんぽんの店って書いてあん

 のにさ~。はあ~焼き飯なのね。

 

**********

 

午前10時、いよいよ開場。

 

政治) 来るんだろね? えっ? 

 来ないじゃない。えっ?

 来るの? 本当に。うん? ハハッ…。

(チケットを手にした人々が押し寄せてくる)

政治) 来たよ…来た来た来た来た、おい! 

 来たよおい! 来た来た! 来ちゃった

 来ちゃった。おい、来ちゃったよ。ハハハ。

 

**********

 

(撮影隊のカメラが人々をとらえる)

(「定員71715名」の表示)

(世界中の人々が続々とやって来る)

 

<NHK中継開始>

北出) 世界中の秋晴れを、全部東京に持って

 きてしまったような、すばらしい、秋日和でご

 ざいます。何か、すばらしいことが始まりそうな、

 予感に満ち満ちました、国立競技場であります。

(カメラマンに指示を出す、市川監督)

市川) いいよいいよいいよそう…。あのじいさんだ、

 あのじいさん…。帽子の、帽子のじいさん。

 あのじいさんだ。いい表情、いいぞいいぞ…。

 

**********

 

スタジアムには、

懐かしい顔が続々とそろい始めました。

 

野田) あ~田畑さん!

政治) おっ! ハハハ! 野田、老けたなお前。

(高石と鶴田もいる)

野田) あっ、田畑さん。

政治) うん?

(会場警備の大横田)

政治) おっ、出た、大横田!

(敬礼する大横田)

松澤) いらっしゃい!

野田) あ~カクさん!

松澤) みんないらっしゃい。あっ、まーちゃん、

 ちょっといいかな? 入間基地に集まったはいい

 けど、二日酔いで飛べないんじゃないかって。

政治) 何!?

 

**********

 

電・政治) 二日酔いじゃないだろうな!?

松下) もう大声出さんで下さいよ。

電・政治) 飛べるのかって聞いてるんだよ!

電・松下) 飛びます飛びます。

電・政治) ここに落ちたら、どうするんだよ!?

 失敗は許されんのだよ!

大河原) ヨンベ?

政治) うん? どうした?

大河原) 行方不明で、ヨンベがいないんです。

政治) 何!? もうすぐ入場だぞ!

 ちょっとカクさん代わって。ヨンベ!

(アフリカ人たちに駆け寄る政治)

政治) おいヨンベ! ヨンベか? …ウランダか。

 ヨンベじゃないやつは向こう行って。

 

**********

 

吹浦) 前国旗、掲揚!

男性) 掲揚! 揚げろ~!

吹浦) 揚がれ!

 

午後1時50分、

参加94か国の国旗が、一斉に揚がる。

 

吹浦) 揚がれ、揚がれ、揚がれ、揚がれ! 開いて。

(参加できなかった国の国旗を両手で掲げる吹浦)

 

**********

 

(聖火台を真ん中に、左右に並ぶ94の国旗)

大河原) 田畑さん、いました!

政治) あっ、よかった! ヨンベ。

 ヨンベ、着替えて着替えて。これ持って。ほいほい。

(コンゴの国旗を渡す政治)

政治) 待機場所あっち。あっちあっち。行こう行こう。

松澤) 行こう行こう。急いで。

政治) ヨンベ、よかった。大河原頼むよ。

大河原) はい。

政治) あ~よかった。ヨンベ、行ってこい!

松澤) あっ、じゃあまーちゃん。

政治) おう。いいな~カクさん!

松澤) ヘヘッ。

 

**********

 

<水明亭>

四三) ば~すごかね~ここ! 

 入場行進の、待機場所になっとるばい。

(こわばった顔でうつむいている坂井)

四三) まっ、硬くなるのも無理なか。

 何しろ、7万人だけん。

坂井) 金栗先生は、なぜ走るんですか?

四三) はあ~それな…今まで何べんも聞かれた

 ばってん…いっちょん分からん。フフッ。

坂井) 僕を推薦した方は、

 前の事務総長さんだそうですね。

四三) ああ、田畑さんね。聖火ランナーは、

 敗戦からの復興の象徴ばい。原爆投下の日に、

 広島で生まれた君がふさわしかって。

(坂井の膝が震えている)

坂井) 僕はあの人を恨みます。

 ただその日に生まれただけで…

 僕なんか何者でもないのに。

 なぜ僕が走るんですか?

(震えの止まらない坂井)

四三) すんまっせん。

店主) えっ?

四三) お水ば頂きます。

店主) あ~出てなかった? ごめんごめん。

店員) いらっしゃいませ。

大島) さあ、時間だ坂井君。

 そろそろ準備をしようか!

坂井) はい…。

(練習着を脱ぎ、ユニフォームになる坂井)

店主) おい、何してんの?

四三) すいまっせん。

店主) ちょっと…ちょちょ…ちょちょ…。

(坂井の頭から、水をかける四三)

大島) 金栗先生!

店主) 何してんのじいさん!

四三) 冷水浴たい! どぎゃんね? 落ち着いた?

店主) めちゃくちゃだよ! 

 あんたいい年して、めちゃくちゃだ!

大島) わわっ…。

(坂井を見つめる四三)

四三) な~んも考えんと、走ればよか!

 

**********

 

<競技場>

政治) ついにこの時が来たよ。ハハッ。

 あっ…見ろヨンベ。

 客席は超満員、空は快晴、ハハハ。

 何もかも出来すぎじゃんね~。えっ、ヨンベ?

ヨンベ) ウイ。

政治) お前ヨンベ!?

ヨンベ) ウイ?

政治) さっきの誰だよ? えっ? 

 た…大変だ! 大変だ大変だ! いた! 

 いやヨンベがいた。本当のヨンベが。

東) まーちゃんまーちゃん、どうした?

政治) 大変だ東龍さん! 

 実はね、これ、コンゴの旗手でね…。

男性) 北ローデシアの選手1人足りませ~ん!

政治) それそれそれ! 

 それそいつ、さっきあっち行ったあっち。

男性) あっち?

政治) おい待てよおい! 待てよおい。

 これコンゴの旗手、ねっ?

男性) はい行こう行こう。

政治) バタバタじゃんね~!

東) 時間時間時間!

政治) あ~そうそう…。

 

**********

 

1時58分、天皇陛下、ご臨席。

 

**********

 

<水明亭>

店主) あれ? 焼き飯のじいさんどこ行った? 

店員) えっ?

テレビ) 「選手団の入場行進開始であります。

 華やかなパレードが開始されます」。

 

**********

 

(金栗足袋で、満員のスタンドに立つ四三)

四三) あっ、ああ…ああ…ああ~! ハハハ!

♪(オリンピック・マーチ)

(観客席の通路を走る政治)

政治) あ~ごめんなさいごめんなさい。

 ごめんなさいね。

四三) あっ…。

野口) あっ、あっ、金栗さん!

四三) あ~野口君!

可児) 金栗君。

野口) ちょうど今始まったところですよ。

四三) そぎゃんね。アハハハハ、可児先生。

 ご無沙汰しております。

 いや~こりゃ、とつけむにゃあ!

(グランドにギリシャの選手団入場)

北出) 「オリンピアから東京へ。今大会聖火リレーの第1

 走者、しかも、旗手として選手団の先頭を行進する…」。

(治五郎の写真を手にした90歳の可児)

可児) あ~やっと見られる…

 やっと見られるよオリンピック。

野田) 可児さんはいつもお見送りでしたもんね。

北出) 「22番目は、コンゴであります」。

政治) ハハハハ!ヨンベ、間に合った

 間に合った。ヨンベ! ウランダ! ハハハ!

(コンゴの2人だけの入場行進を見つめる四三)

四三) 思い出すね~ストックホルム。

 三島さんと2人で歩いた…。

(明治45年7月6日ストックホルム

 オリンピック開会式の回想)

四三) 嘉納先生に、見せたかったですね。

(インドの選手団入場)

東) あ~そうそうまーちゃん。

 アレンが「よろしく」って。

政治) あっ…インドネシアか。

 

(回想・羽田空港)

アレン) コレハ タバタ ノ タイカイ。

 タバタノ オリンピック。ダカラ デタカッタ。

東) アレン! すまない!

(頭を下げる東)

アレン) サカラワズシテ…カツ!

(笑うアレン)

 

政治) 次は必ず出てもらおう。

東) 次!?

政治) へへへ。おっ、聖火スタートだな。

 

午後2時35分、皇居を出発した聖火は、

国立競技場を目指します。

 

(トーチを手に、顔を上げる坂井)

 

**********

 

北出) 「日本選手団の入場であります。男子は、

 真っ赤なブレザー、女子の真っ赤なブレザー。

 女子は白のプリーツスカート、男子は白ズボンで

 あります。女子は白い帽子をかぶっております」。

(選手団を率いる役員の中に、松澤もいる)

北出) 「ロイヤルボックスから、盛んな拍手が

 送られます。ちょうどその前にさしかかりました」。

政治) カクさん! お~い! カクさ~ん!

北出) 「堂々の行進であります」。

(日本選手団に拍手を送る

 野田や鶴田、高石や大横田)

北出) 「開催国日本の、意志と力を振りまくようで

 あります。そして、帽子を胸に当てまして…」。

(涙を浮かべ、行進を見ている四三)

四三) 晴れてよかった。あの時は…。

河野) 晴れてよかったですね、都知事!

東) あの時はどしゃ降りでしたもんね。

野口) あの時?

四三) 小松勝君ば送り出した時たい。

政治) ここから戦地へ向かったんだよ、

 3万人の若者が。

(昭和18年の学徒出陣を回想)

(真っ赤なブレザーで行進する、

 晴れやかな顔の日本選手団)

政治) やったぞ河野! ここで、オリンピック!

 ヘッ! ざまあ見ろバカ野郎め、ハハハハ。

河野) やかましい! 何も言うな。

(泣きながら拍手をしている河野)

四三) ばんざ~い! ばんざ~い!

(立ち上がる四三)

野口) ばんざ~い!

四三) ばんざ~い!

野口) ばんざ~い!

可児) ばんざ~い!

四三) ばんざ~い! ばんざ~い!

(四三を見て立ち上がる河野)

河野) ばんざ~い! ばんざ~い! ばんざ~い!

東・政治) ばんざ~い! ばんざ~い! ばんざ~い!

一同) ばんざ~い! ばんざ~い! ばんざ~い!…。

(やがてスタンド中が立ち上がる)

一同) ばんざ~い! ばんざ~い! ばんざ~い!…。

北出) 「オリンピックは、全世界の、青年の胸に、

 平和と希望と、前進の火をともしてまいりました」。

 

**********

 

<水明亭・表>

男性) すいません。

 選手通りますんで空けて下さい。

(トーチを手に、最終中継点に立つ坂井)

(道の先を見る)

坂井) 来た…。

(女性ランナーが掲げたトーチの明かり)

 

**********

 

岩田) 会長が日本語をしゃべったら、英語字幕を。

 もし英語をしゃべってしまったら、日本語の字幕を

 電光掲示板に出して。

女性) はい。

岩田) よろしくね。

 

**********

 

ブランデージ) (英)オリンピック大会は、全世界のものである

 証拠として、遂に、ここ東洋で、行われようとしています。 

 

**********

 

男性) 点火!

(坂井のトーチにつながれる炎)

鈴木久美江) 頑張って。

坂井) はい。

(トーチの炎を掲げ、走り出す坂井)

 

**********

 

北出) 「天皇陛下に、第18回オリンピック競技

 大会の、開会宣言を、お願いするのであります」。

ブランデージ) ワタクシハ 1896ネン…。

岩田) うん?

ブランデージ) 「ピエール・ド・クーベルタン 

 ダンシャクニ ヨッテ…」。

岩田) 日本語? ちょっと英訳に切り替えて。こっち!

女性) はい!

ブランデージ) キンダイ オリンピックノ ダイ18カイ キョウギ 

 タイカイノ カイカイ センゲンヲ ココニ ツツシンデ 

 テンノウヘイカニ オネガイ モウシアゲマス。

(拍手と歓声)

岩田) グッジョブ プレジデント!

 

**********

 

<バー・ローズ>

(カラーテレビのスイッチを入れるマリー)

テレビ) 「こにオリンピック旗の引き継ぎが終わりました」。

マリー) 晴れたでしょ! 

 占い、わざと、反対を言ったんです。だから、

 田畑さんが、買って下さったの。カラーテレビ。

(拍手と歓声)

テレビ) 「その数1万という風船が、鮮やかな色彩

 を残しまして、緩やかな飛翔を始めました」。

マリー) すごい…。

 

**********

 

男性) まもなく聖火入ってきます。

岩田) よし!

北出) 「そして、選手団の目が、

 7万5000の観衆の目が、等しく…」。

 

**********

 

(競技場の外で、カメラを構えた撮影隊)

(トーチの炎を掲げ、ゲートに向かっていく坂井)

(ゲートをくぐる坂井)

北出) 「拍手が起こりました。聖火の入場であります。

 オレンジの炎、白煙をなびかせて、聖火が入場して

 まいりました」。

四三) あっ、坂井君! あ~よか!

北出) 「昭和20年8月6日生まれ」。

四三) よか! よか走りばい、坂井君!

北出) 「無限の未来と、可能性を持った、19歳の若者、

 坂井義則君です。10万人の若人に、受け継がれ、

 引き継がれて、聖火は今、日本の東京、オリンピック

 のメインスタジアムに到着したのであります」。

(坂井を見つめる政治)

北出) 「バックストレッチへ、その中央にあります、聖火台

 への階段に、今、さしかかるところであります。これより、

 高さ32mの聖火台まで、上る階段は163段、勾配は28度、

 菊の花が香る、花道であります。坂井君、上り始めました。

 緑のじゅうたんを踏んで、力強く上っていきます。未来へ

 向かって、限りなき前進を象徴するかのように、速く、高く、

 力強く上がっていきます!

(政治が、四三が、見つめている)

北出) 「ついに坂井君は、聖火台に立ちます。日本の

 秋の大空を背景に、すっくと立った、坂井義則君」。

政治) いいぞ、坂井! 坂井義則! ハハハハ。

(トーチを傾け、炎のともった聖火台と並び、

 トーチを掲げる笑顔の坂井)

四三) うん! でかした! 

 坂井君でよかった! ハハハ。

(泣きながら笑う四三)

 

**********

 

(青空に飛び立つ一万羽のハト)

(ブルーインパルスの飛行音)

(五機の航空機が、飛行機雲を噴射しながら、

 それぞれ円を描いていく)

(空を見上げる選手や観客たち)

(やがて大空に、五つの輪)

松澤) うわ~!

 

**********

 

<ブルーインパルス機内>

松下) うわっハハハハハ! 

 ウエ~イ! みんな、ありがとう!

 

**********

 

(聖火台から五輪の飛行機雲を見ている坂井)

四三) とつけむにゃあ~! アハハハハ!

政治) 初めて成功したじゃんね~! アハハハハ!

(空に向かって手をたたく政治)

(可児の胸に抱かれた写真の治五郎)

 

**********

 

ついについに始まった、東京オリンピ~ック!!!

ここに来るまで、視聴者として一緒に歩んできた分

胸熱になってしまうじゃんね~! 万歳の意味の違

いに泣けてくるじゃんね~! 成功すると分かって

いても、ブルーインパルスの五輪に嬉しくなって…。

市川崑監督の映画を見たいと強く思ってしまったよ。

 

最終回はいつも以上に長いので、前半、後半に分

けています。いだてんブログ完走まで…あと少し!

 


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