ドラマ10「お母さん、娘をやめていいですか?」第4回~甘い罠 | 日々のダダ漏れ

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ドラマ10
「お母さん、娘をやめていいですか?」




第4回 「甘い罠」

美月(波瑠)のもとに祖母・玲子(大空眞弓)
が倒れたという連絡が入る。美月は顕子(斉
藤由貴)と浩司(寺脇康文)とともに老人ホ
ームにかけつけるが、玲子は亡くなる間際、
顕子に「ダメな子ね」と言い残す。通夜の席
で、顕子は取り乱し、浩司と言い合いになる。
顕子はその日から子ども帰りして、美月に甘
え始める。そんな母を見て、美月は松島(柳
楽優弥)との付き合いをしばらくやめようと
する。


**********

美月) ウソ…。ママ…私に怒ってるんだ。
浩司) えっ?
美月) 私が、ママの言う事聞かないで、
   松島さんとつきあい始めたから…。
浩司) そんな事はない。
   ごめんって言ってたぞ。
美月) 私には分かる。

**********

生まれて初めてだった…。
ママのいない、家なんて。


**********

ママ…私、どうしたらいいの?
松島さんと別れたら、許してくれるの?

**********

玲子) 顕子…。
顕子) お母さん…。お母さん! お母さん!
玲子) どうして…できないの?
   ダメな子ねぇ…。

**********

顕子) 小さい頃…
   四の段が言えなくてよく怒られた。
美月) 四の段?
顕子) 九九よ。四一が四、四二が八…。
   ほんとはもうちゃんと覚えてたん
   だけど…。何だか怖くて。
   四が…死ぬの「死」みたいで。
   四三 十二…四四 十六…。
   あんまり「四」って言うと…お母さん
   死んじゃうんじゃないかって…。
   怖くて…。

おばあちゃんは、この日夜遅く、
息を引き取った。

**********

文恵) 娘にとって、母親の死って大きいのよ。
   年を取っても、ぽっかり穴が開いたみた
   いで、なかなか消化できないの。
松島) 美月さんのお母さんと、亡くなった
   おばあさんも仲よかったんですか?
文恵) ううん…。でも、仲が悪くても同じよ。
   私もそうだったけど、もう、恨み言をぶ
   つける相手がいなくなっちゃったことに、
   ショックを受けるの。美月ちゃんが振り
   回されなきゃいいけど。
松島) 僕が…気を付けます。
   いい恰好する訳じゃありません。 
   ちゃんとつきあいたいんで。
文恵) 見直した。ちょっとだけ。
松島) ちょっとだけ…。


**********

貴之) しかし、母さんは幸せ者だよな。
   姉ちゃんに看取られて。
和子) そうよね。
貴之) やっぱり娘だもんな。
顕子) 何言ってるの?
   あんた、何にも分かってない…。
貴之) えっ?
顕子) お母さんが、最期に私に何て言った
   と思う? 「ダメな子ねぇ」って。
浩司) あれは…うわごとだろ。
顕子) ううん。
   あれは、お母さんの遺言だった。
貴之) でも、結局は姉さんを、
   頼ってたじゃない。
和子) 私なんか、役立たずの嫁ですから。
顕子) そうじゃない。お母さんね、あんた
   たちに、迷惑かけたくないから、いっ
   つも遠慮してた。でも、私の事は大切
   じゃなかったから…だからいくら面倒
   見させても平気だったのよ。
貴之) 姉ちゃん!
浩司) すいません。急に亡くなったから、
   動転してるんですよ。
美月) そうだよママ。
   ママはおばあちゃんの事誤解してる。
   おばあちゃんは、ママの事とっても
   大事に思ってたよ。おばあちゃんね、
   亡くなる前に言ってたの。

    
(回想)
玲子) 期待しすぎたのかもしれない。
   みっちゃんにしか言えないけど、
   ママにはかわいそうな事をしたわ。
   ああ、いつかちゃんと謝らなくちゃね。


顕子) だったらどうして…。どうして生き
   てる間に言ってくれなかったの…。
   どうしてよ!(泣)
浩司) ごめんね。おい、落ち着きなさい。
顕子) 私はあなたみたいに鈍感じゃない
   のよ。何があっても知らん顔…。
   誰が何を言っても聞き流す。
   そんなふうには生きられない!
浩司) 鈍感な訳じゃないよ!
   俺だって、毎日、悔しくて、悔しくて…。
   けどお前に心配かけないように黙ってる
   んじゃないか。俺は…俺はな、リストラ
   候補の部署に回されたんだ。俺が…どん
   な気持ちか分かるか。
美月 パパ、今は、やめよう。
顕子) どうして…。どうして…。
美月) ママ、ほら、大丈夫だよ。
   私がいるじゃん。
顕子) (泣)


**********

顕子) ママを一人にしないでよ。
美月) 学校終わったら、すぐ帰ってくるから。
顕子) 松島さんと会わない?
美月) ママ…。
顕子) ママ寂しいの。みっちゃんが、松島さ
   んとこ行っちゃうんじゃないかなって。
美月) なに言ってるの。
顕子) ねえ。松島さんと、ママと、
   どっちが大事? どっちか答えて。
美月) もちろん、ママだよ。
顕子) よかった…。よかった…!


**********

浩司) 美月とは連絡をとってるのか?
松島) えっ…メールを。
浩司) 会ってないんだろ。
松島) はい…。落ち着かれたら
   お会いするつもりです。
浩司) グズグズしてる場合じゃない。
   好きなんだろ?
松島) はい。
浩司) もっと…戦わなきゃ駄目だ。

**********

美月) やっぱり、私たち、
   お別れした方が、いいと思います。
松島) 何で、急に?
美月) 今、母すごく弱ってるんです。
   とてもデートしたりできないし…。
松島) お母さん一応賛成してくれたじゃない。
美月) あれは本心じゃありません。
松島) じゃあ君の本心は?
   僕とつきあってもいいって言ったんじゃ
   ないの? それとももう嫌になった訳?
(首を横に振る美月)
松島) だったら別れる理由ないじゃん。
美月) でも…。
松島) お父さんに言われたからじゃないけど、
   戦うよ。僕は君の事がもっと知りたい。
   別れるも何もまだつきあえてない。
   これからだろ?


**********

顕子) 遅いわね…。
   ダメな子ねぇ…みっちゃん。


**********

ここは、
家より心地よいかもしれない。
そんな場所があるなんて、
思った事もなかった。

**********

顕子) そうよね! みっちゃん、結婚しても一生
   一緒に住んでくれるって、約束したもんね!
   ならいいの。じゃあ、松島さんとは、いい
   おつきあいしなさい。考えてみたら、松島
   さんはみっちゃんが、気に入った、初めて
   の男の人だもんね。
美月) まあ…。
顕子) 大事な事よ、何よりも。本気で好きにな
   れる人なんて、そうできないわ。ママはね、
   みっちゃんの幸せ…何よりも大切に思って
   るから。
美月) ありがとう…。

**********

顕子) 私ね…他に好きな人がいたんだけど。
   フラれちゃったの。でもどうしても家を
   出たくて、それであの人と結婚したの。
   いつか、母と笑い合えるようになりたか
   ったけど…かなわないまま死なれてしま
   った。もう永遠に仲直りできないのかと
   思うと、本当につらい。
松島) 分かります。すいません、軽々しく…。
   あの…前にも少しお話ししましたけど、
   僕は小さい時に母と別れました。これは
   美月さんにも言ってないんですが。男が
   できて出ていったんです。そんな母でも、
   きっと…死なれたら悲しいと思います。
顕子) ありがとう。何だか、初めて話を聞い
   てもらったような気がする。
松島) いえ、そんな…。
顕子) 厚かましいんだけど、
   2つお願いがあるの。
松島) 何でしょうか?
顕子) 美月を、よろしくね。
松島) はい。
顕子) それと…。
   少しだけここで泣いてもいい?
松島) どうぞ…。

母の心は、
私の手の届かない所へ、
羽ばたいていた。


**********

生きている間に、母親から聞きたかった言葉を聞
くことができなかった顕子は可哀想なのだけれど。
アドラーじゃないけど、顕子と玲子の問題と、顕子
と美月の問題は、違うお話。「課題の分離」につい
て誰か教えてあげればいいのにと思ってしまった。

比べようがないはずのものから、どちらかを選べ
と迫られる恐ろしさ。怖い怖い怖い。「結婚しても
一生一緒に住んでくれるって、約束したもんね!」
と当り前のようにいう顕子が怖すぎる。同居という
レベル以上に、一生娘にまとわりついて離れない
わよと言ってるようで、まるでホラーのようだった。
娘の、子供の愛情を、搾取していく親の恐ろしさ…。

母親への愛に飢えている松島の心の隙間に入り
込む顕子。怖いよ。「愛情」という名のもとに行わ
れる、無碍には払いのけられないべっとりとした
「支配」の罠が恐ろしい。それが特別ではなくて、
顕子と美月のような親子が普通がいそうで怖い。
少しずつながら存在感を見せ始めた父親、浩司
の活躍を秘かに期待。娘を助けてあげてほしい。


●「お母さん、娘をやめていいですか?」HP

「お母さん、娘をやめていいですか?」関連ブログ↓
第2回~三角関係
第3回~暴走
第4回~甘い罠
第5回~裏切り
第6回~毒りんご
第7回~出口なし
第8回~人形の家

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