「とと姉ちゃん」第154回~私たちがこの雑誌で掲げてきたのは庶民の旗です | 日々のダダ漏れ

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「とと姉ちゃん」 第154
第26週 「花山、常子に礼を言う」
私たちがこの雑誌で掲げてきたのは庶民の旗です


「あなたの暮し」2世紀第32号、
戦争中の暮らしを特集した最新号は、
ついに、100万部を超える
発行部数を達成しました。


**********

昭和五十年 一月

次号の出版に向けて、
編集部員たちは、
会社と花山家を行き来して
仕事を進めていました。


扇田) この会社入って、何回花山さんに
    怒鳴られたんだろう。ちゃんと数数
    えておけばよかったな。
島倉) だけど、怒られるのも久しぶりだっ
    たから、私は懐かしかったですね。
木立) 僕もですよ。心のどこかでは、「あ
    なたの暮し」はこうでなくっちゃって。

**********

花山) すまんが、もう一つ筆記を頼みたい。
常子) でも今日は、もうお休みになった方が…。
花山) 平気だよ。
常子) 分かりました。何の原稿ですか?
花山) あとがきをね…。
常子) ああ…。

(録音ボタンを押す常子)
常子) では。
花山) ハァ…。書き出しはそうだな…。今まで、
    「あなたの暮し」を、ご愛読下さった皆様
    へ。私が死んだらね、その時の号の、あ
    とがきに載せてほしいんだよ。
常子) まだお元気なのに、何をおっしゃってる
    んですか。もう、めったな事言わないで
    下さい。
花山) 人間誰だっていつ死ぬか分からない。
    帰りに交通事故に遭って君が先に死ぬ
    かもしれないよ。書いてくれないか?
    常子さんにしか頼めない事だ。
常子) 分かりました。
花山) ハァ…。読者の皆様。長い事、「あなた
    の暮し」をご愛読くださり、ありがとうござ
    います。昭和22年の創刊以来、27年た
    って、部数が100万になりました。これは、
    皆様が、一冊一冊を買ってくれたからで
    す。創刊当初から、本当によい暮らしを
    作るために、私たちがこの雑誌で掲げて
    きたのは、庶民の、旗です。私たちの暮
    らしを大事にする一つ一つは、力が弱い
    かもしれない。ぼろ布、はぎれをつなぎ
    合わせた、暮らしの旗です。ハァ…。
    世界で初めての、庶民の旗。それは、ど
    んな大きな力にも負けません。戦争にだ
    って負けやしません。そんな旗をあげ続
    けられたのも、一冊一冊を買って下さっ
    た、読者の、皆様のおかげです。ハァ…。
    広告がないので、買って下さらなかった
    ら、とても、今日まで続けることはできま
    せんでした。そして、私たちの理想の雑
    誌も、作れなかったと思います。
    力いっぱい雑誌を作らせて下さり…。
    ハァ…。ありがとうございました。
    それに甘えて、お願いがあります。今ま
    で、「あなたの暮し」を読んだ事がない人、
    一人に、あなたが、「あなたの暮し」を
    ご紹介して下さり…ハア…。一人だけ、
    新しい読者を増やして頂きたい。
    それが私の…最後の、お願いです。

(録音ボタンを止める花山)
花山) あぁ…。さあ…もう帰りなさい。
常子) 花山さん。
    もし花山さんがいなくなったら…
    私どうしたらいいんですか…。
花山) 常子さん、大丈夫だよ。
    君はね…27年一緒にやってきて、
    大体僕の考えと一緒だよ。
    君の考えだけでやっていけるだろう
    けれど、悩んだ時は、君の肩に、
    語りかけろ。君に宿ってやるから。
    「おい、花山」。
    「どうしたもんじゃろのぉ」と。
常子) フフフ…。
花山) ハハ…。
常子) はい。


**********

花山) これをね、忘れていた。

(常子にイラストを渡す花山)
花山) 次号の表紙だ。
常子) すてきな人ですね。
花山) 初めて私の絵を見た時も、
    君はそんな顔をしていた。
    常子さん。
    どうもありがとう。
(頭を下げる花山)
常子) 嫌だわ、花山さん。
    また来ますね。

(手を振る花山)

**********

「とと姉ちゃん」を楽しくご覧になっている皆様
は、この先は、華麗にスルーでお願いします。


自分が死んだ時の号のあとがきに載せてほしい
という花山。いわゆるほぼほぼ遺言みたいな?

創刊当初から、本当によい暮らしを作る
ために、私たちがこの雑誌で掲げてきた
のは、庶民の、旗です。私たちの暮らし
を大事にする一つ一つは、力が弱いか
もしれない。ぼろ布、はぎれをつなぎ合
わせた、暮らしの旗です。ハァ…。世界
で初めての、庶民の旗。それは、どんな
大きな力にも負けません。戦争にだって
負けやしません。

う~ん…。庶民の旗…ねえ。初耳なんだけど?
これが、ちゃんと最初の段階で花山が言ってれ
ばねえ…。最後の最後に、思いついて書いたっ
て感じなのがどうにもこうにも…。この脚本家は
どれも思いつきで、話がつながらなくても気にし
ないというか…何もかも書いたそばから忘れて
しまうようで…羨ましい人だ(褒めてはいない)。

この、「庶民の旗」、おそらくは、花山のモチーフ
となった人の、「一銭五厘の旗」が元と思われ…

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おそらく、関係者は、このドラマでの使われ方に
はかなりの怒りを感じているだろうなあと。中途
半端に、しかも、軽~く描かれてしまうなんて…。

最終回に向けて、日に日に、心が冷えてゆく…
稀有なドラマ。ここまでひどいドラマを書いても、
本人は浮かれまくっているのが痛々しすぎる…。

「追記」
「一銭五厘の旗」について書かれた詩を読める
サイトを見つけたので、知りたい方はどうぞ↓
見よぼくら一銭五厘の旗

この詩の中に、「まるで うそみたいだった なん
だか ばかみたいだった」という一節が出てくる。
それを、西田が、募集文にぶっこんだわけか…。
つくづく残念な脚本…バチが当たればいいのに。


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