「とと姉ちゃん」第120回~今までも、これからも、「なんとかなるさ!」の巻 | 日々のダダ漏れ

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「とと姉ちゃん」 第120
第20週 「常子、商品試験を始める
今までも、これからも、「なんとかなるさ!」の巻


昭和三十一年 二月

歯ブラシの商品試験と、
台所の記事を掲載した
最新号は評判となり、
売り切れる書店が続出しました。

常子は、
台所の取材に協力してもらった家を、
一軒一軒お礼をして回りました。


**********

この時代の鉛筆は、
芯の質が悪く、
滑らかに濃く書くためには、
先をなめて湿らす事もしばしばでした。


**********

松永) 電球、鉛筆に、トースターか。
    これは迷いますね。
島倉) 一見どれもよさそうですが…。
緑) うちも、買ったばかりの電球が
  すぐに切れた事があります。
本木) あ~。
松永) 鉛筆もすぐ割れたり、
    ひどいものが多いですしね。
寿美子) 私は、ちょうどトースターを
     買いたかったので…。
本木) アハハハハ!
    買ってやってもええけどね。
美子) 次は何の商品試験に取りかかろうか、
    迷いますねえ。
扇田) 俺ね、トースターはいいと思うんです。
男性) 俺もトースターには賛成です。
扇田) なあ? だってさ、実験のあとに、
    食べられるじゃないか。
常子) 食べたいだけじゃないですか。
常子) 花山さん?
花山) うん…。
    やはりもう一度きちんと話し合おう。
    本当にやるべきかどうか。
寿美子) 商品試験をやるかどうかですか?
花山) 今、水田君とも話したんだが、やはり
    相当の覚悟が必要なようだ。
常子) お金に関してはいくら費用がかかって
    もやろうと決めたじゃありませんか。
花山) あの時は具体的な金額が出ていなか
    った。水田君に改めて、試算してもらっ
    たんだ。
水田) これから、電化製品をメインに、商品試
    験を1年間継続した場合、年間、1300万
    円かかります。あくまでもこれは、低く見
    積もってです。
花山) 商品試験そのものにも、
    まだまだ問題は含まれている。
松永) …と言いますと?
花山) そもそも、商品の判定基準をどこに置く
    のかが難しい。例えば、タイマーは正確
    だが、汚れのあまり落ちない洗濯機と、
    タイマーは不正確だが、汚れのよく落ち
    る洗濯機があるとする。もし点数を平均
    すればどちらも同点になるが、本当の評
    価から言えば、汚れの落ちる洗濯機の方
    が、洗濯機としてははるかに優れている。
    だから平均点で伝えるのではなく、この
    項目において、この商品はよい、こちらは
    悪いと、伝えねばならん。
本木) そうなりますと、試験をやる人間の
    価値基準も問われますね。
男性) 確かに。汚れが落ちたかどうかの基準
    が人によって違えば、結果自体に統一
    とれませんよね。
花山) 更に、もう一つ理由がある。検査をする
    人間は誰でもいい訳じゃない。体重計を
    試験するとする。大塚さん、君ならどんな
    試験をする?
寿美子) えっ…。
     正確に、重さを表示するかどうかです。
花山) ほかには?
寿美子) ほかに…?
花山) 実際に体重計を使った事がある者なら、
    浴室の近くに体重を置く場合が多く、湿
    気でさびやすい事を知っている。そこで、
    さびにくいかどうかも、試験する項目に
    付け加える事を忘れないだろう。
男性) なるほど…。
花山) つまり、その者の、商品に対する目の
    深さ、社会に対する考えの広さ、そうい
    ったものまで、検査をする側に求められ
    るんだ。だから人を選ばないといけない。
    人件費も、それなりの額になるだろう。
    高価な電化製品を使った事がない人も
    まだまだ多い。たった一回の、高い買い
    物の基準を我々が提示するんだ。間違
    った結果は出せない。しかも、1年後に
    発表するための実験をしている間、何
    も記事に出来ないのでは、この企画の
    印象が薄れてしまう! 「あなたの暮し」
    には、毎号何らかの、商品試験が載っ
    ている必要がある。つまり…それはどう
    いう事だ!? 
島倉) 同時にいくつもの実験をしなくては
    いけないという事ですか?
花山) ご名答!
水田) そうすると、月ごとに、莫大な金額が
    動いていくという事になります。
花山) 商品試験を失敗したら、
    「あなたの暮し」は潰れるだろう。
    それでもやるか? 常子さん。
水田) 現在「あなたの暮し」は、毎号15万部
    の売上を維持しています。バックナン
    バーの売り上げもバカにできず、初版
    1万部だった創刊号が版を重ね、10万
    部をこれまで売りました。それを全て
    注ぎ込めば、商品試験を始められるだ
    けの資金はあります。ただ…ここで無
    茶をしなければ、安定した経営を続け
    ていけるという事です。本当に、いいん
    ですか?
常子) 戦争が終わったあと、私たち姉妹と花
    山さんは、女の人のために雑誌を作っ
    て、何もなかった時代に、暮らしを取り
    戻すお手伝いをしようと、誓いました。
    今、その願いはたくさんの女の人たち
    に届いて、「あなたの暮し」を買って下
    さっています。でも、彼女たちのお財布
    は、決して膨らんではいません。バッグ
    の中に大切にしまってあるお財布を取
    り出し、その中から160円出し、私たち
    の雑誌を買って下さっています。これは、
    大変な事です。旦那さんが働いて稼い
    だ、大切なお金を、お財布から取りださ
    せるほどの値打ちのある企画を、私た
    ちは考えなければなりません。商品試
    験には、それだけの値打ちがある。…と
    私は考えます。世の女の人や子どもに、
    お金の値打ちに見合った、安全で、いい
    ものが届くように私たちがお手伝いする。
    これは、今の時代にどうしてもやらなけ
    ればならない企画なのではないでしょう
    か。と、長々話しましたが…。商品試験、
    純粋にやってみたいんです! いばらの
    道になるかと思います。でも、今まで「な
    んとかなるさ」でやってきました。これか
    らも、「なんとかなるさ」と信じて、力を合
    わせて成し遂げましょう!


**********

「とと姉ちゃん」を楽しくご覧になっている皆様
は、この先は、華麗にスルーでお願いします。


う~ん…。節分って、父親に豆を投げつける行
事だったっけ? 星野家の子供たちは、「福は
うち~」と言いながら外に豆を投げていたけど。
私の認識では(ググってみても同じだったけど)、
家の玄関や窓を開けて「鬼は外!」と豆を撒き、
鬼が戻らないよう、すぐに戸や窓を閉めてから、
「福は内!」と部屋の中に撒く…のが普通かと。
そもそも一家の家長の父親が豆をまく、もしくは
子供と一緒に豆をまくもので、鬼役はいらないし、
父親が退治されてどうすんだって思うんだけど。
(これ、絶対「今」の感覚だと思う。やれやれ…)

散々豆をぶつけておいて、「お父さんがかわい
そう」と、娘が突然言いだす展開も何だかね…。
さらに唐突に、おしゃれおばちゃまに買った洋
服を見せてあげると言いだす青葉。会ったばか
りのおばさんを、「おしゃれおばちゃま」と呼べ
るメンタリティーというか、センスに馴染めない。

それにしても、水田家でも花山家でも、節分は
父親に豆を投げつける行事とは…。昭和の家
庭だというのに、節分の意味がまったく感じら
れないなんて! 一軒ぐらいまともなうちがあっ
てもいいのに…。脚本家の頭の中ではあれが
スタンダードなんだろうね、きっと。残念すぎる。

花山家では、節分の日にビーフシチューという
豪華さ。ビーフシチューなんて大人になるまで
食べたことがなかったよ。サラダにはお手製ド
レッシングらしきものが置かれているハイレベ
ルな食卓なのに、なぜか食パンを七輪で焼い
て、さらにわざわざ焦がしてみせるいやらしさ。
花山に商品試験の対象として認知させるため
のあからさまというか、無理やりな展開に苦笑。

そしてここに至ってもまだ、商品試験をやるかど
うかの話をウダウダと蒸し返す、という芸のなさ。
いやいやいや…そんな事、とっくに協議済みか
と思っていたよ。本当に行きあたりばったりの会
社だったのね…。いや、分かってはいたけれど。
何も思いつかないので、同じことを何度もバー
ジョンを変えて見せるだけ…って、もうとっくに視
聴者は気付いてるっつーの! 揚げ句に、とうと
う社長自ら、今までもテキトーにやってきたし、こ
れからもテキトーにやっていくと宣言。「なんとか
なるさ」を掲げる社長って怖い…。脚本も演出も
「なんとかなるさ」でやってきたんだろうね…怖っ。

あっそうそう、今回、唯一いいところがあったの
で、ちゃんと書いておかなくては…。鉛筆の芯を
なめる理由が説明された事! 今は見ないけど、
不思議だったんだよね、あの芯を舐める仕草が。
ただのクセというか、もしかしてかっこつけての
ものなのかと。単に、品質のせいだったのね…。
やっと、いいところが見つかって…よかった…w


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