「てるてる家族」(再放送)第91回 | 日々のダダ漏れ

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「てるてる家族」 第91回

夏子(上原多香子)はレコードデビューしたが、
曲はヒットしなかった。稲本コーチ(いしのよう
こ)の猛特訓を受けている春子(紺野まひる)
も伸び悩んでいる。集中力に欠ける春子を心
配した稲本は、何か気になることがあるのか
と尋ねるが、春子は何も言わない。一方、そ
のやり取りを見ていた岡谷(川岡大次郎)は
何か言いたそうで落ち着かない。その夜、岡
谷と会った春子は「私たち二人のことはまだ
誰にも知られたくない」と言う。

**********

昭和41年の夏、夏子姉ちゃんは、
念願のレコードデビューを果たしました。


夏子) ♪ネエ聞いてよ ネエママ
    ねえ聞いてよ ネエママ
    たとえば わたしが 街を歩くと
    みんながわたしを 見つめて言うの
    お茶を飲もうよ 映画を見ようよ
    ランランラン 楽しいじゃない

照子) ♪ネエ聞いてよ ネエママ

だけど、そのレコードは、
残念ながら、ヒットしませんでした。
お母ちゃんは、そのレコードを
たくさん買いました。
けれど、駄目なものは駄目でした。

照子) (ため息)
ヨネ) アホ!
照子) …えっ?
ヨネ) 見えへんがな。
照子) お母さん…? お母さん?
    お母さん! 返事して下さい!
    お母さん!?
冬子) 何してんの?
春男) あっ! シッ…!
照子) お母さ~ん。
春男) おかあちゃん、あんなに、おばあち
    ゃんの事愛してくれてたんやなあ。
冬子) うん…。
照子) お母さん? …お母さん! お母さん…。
    お母さ~ん! ひぃ~…気色悪い。


**********

私は毎日、
音楽学校の生活に励んでいました。
そうして秋が過ぎ、
その年の冬がやって来ました。

春子姉ちゃんは、国体に向けて、
稲本コーチの猛特訓を受けていました。


稲本) 何やってんの?
    もっと集中しなさい!


**********

稲本) 分からないわね。最近のあなた。
    一体何を考えて練習してるの?
春子) 来年の、国体の事を…。
稲本) あと僅かよ。だったらもっと
    集中できるはずでしょ?
春子) してます。
稲本) この5日間、何の成長もないわ。
照子) すいません、先生。春子、あんたも
    謝りなさい! せっかく稲本先生がこ
    うしてわざわざ、いらして下さってん
    のに、がっかりさせてしもて…。お母
    ちゃんもがっかりしたわ。
稲本) 春子さん。あなた何か、
    悩んでる事があるんじゃないの?
照子) はあ…。確かに、伸び悩んでます。
    ここにきてどないしたん? もう12月
    やで! 国体は2月なんやで!
稲本) おかあさん、2人っきりで話した方が…。
照子) いいえ! 先生もいて下さい。
稲本) いえ、そういう事じゃなくて…。
照子) ええか? 春子。今度の国体で、優勝せ
    えへんかったら、あんたは終わりやで。
    今度もまた、ライバルの福島選手と大橋
    選手は世界選手権でいてへんね。そや
    のに前回とまたおんなじように2位やっ
    たらあんたは日本で4位いう事やで!
    先生。今度のオリンピックは、日本から
    何人出られるんでしょうか?
稲本) 恐らく、3人まででしょうね。
照子) ほらね! ねっ! 4位やったら
    あかんね! 分かってんのか!?
春子) 分かってる!
照子) 分かってへん! 頭では分かってても
    体で分かってへん! 今日の練習は何
    やの? あれ! せっかく稲本先生がや
    で、福島選手から離れて、ちょっとだけ
    見に来てくれはったいうのに!
春子) すみません。
照子) 謝ったらええいう事やあらへんで!
稲本) いいから、おかあさん。
    …ねえ、晴子さん。あなた、練習に集中
    できない理由でもあるんじゃないの?
    スケート以外で、何か気になってる事と
    かない?
春子) ありません。
照子) そらあらへんはずやわなあ。スケート
    以外にあんたが今考えてる事はあらへ
    んはずや。もしそんなもんがあるんやっ
    たら、お母ちゃんは、どんな事してでも、
    潰すで!
岡谷) ゴホッ!
春子) 何もない!
稲本) 本当ね?
春子) はい。
稲本) だったらいいわ。
    それがあなたの今の、
    実力だと思いましょう。
照子) そんな、先生…。
稲本) 今度の国体で、優勝できれば、オリン
    ピックの選考委員に強く印象づける事
    ができるのよ。私はできればあなたに
    行ってほしいの。オリンピック。体験さ
    せてあげたいの。それにはまず…
    あなたがそれを強く望むかどうかよ。
    じゃあ私はこれで。また来月、ちょっと
    だけ、見に来ます。
照子) よろしゅうお願い致します。
春子) ありがとうございました。


**********

照子) あんた…何で黙ってんの?
春子) えっ?
照子) 何で「強う願てます」て、
    「望んでます」て言わへんの!?
春子) お母ちゃん。今日私もう帰るわ。
照子) まだ話は終わってへんで!
春子) ちょっと寄るとこあんね。
照子) どこやの?
    こんな時間にどこ寄ってくの!?
春子) 友達と会う約束してん!
照子) 友達て誰やの!? ちょっと春子!
岡谷) すいません!
照子) あんた邪魔やわ!
岡谷) お勘定! お勘定! すいません。
    お勘定、要らんのですか?
照子) 何言うてんの? あんた。要るわ。
    コーヒーやから、80円!
岡谷) 80円ね。
照子) 早よして。早よして!


**********

冬子) 和ちゃん!
和人) あっ、お帰り。
冬子) ただいま!
    …あっ、あかん! 離れて!
和人) …そやな。
    その制服ん時はあかんかってんな。
冬子) うん…まあ、ええか。和ちゃんは
    もう家族みたいなもんやし。
    「清く、正しく、美しく」!
和人) 危ない。
冬子) フフフッ!
和人) でも冬ちゃんもえらい遅いな。
冬子) もうじき試験やからね。
    居残り練習しててん。
和人) えらい張り切ってるやん。成績ええん?
冬子) それは聞かんといて。


**********

冬子) ああ…おなかすいた…。
    もうペコペコや…。
和人) ほな、またな。おやすみ。
冬子) なあ、和ちゃん。
和人) うん? どうした?
冬子) ごはんどうしてんの?
和人) そら食べてんで。
冬子) どこで食べてんの?
和人) 夜は、大体外やな。
    学校の近くに安い店あんね。
冬子) うちで食べたらええやんか。弘子
    ねえちゃんかていつも心配してるで。
    「和ちゃんは、ごはんどうしてんのや
    ろ?」て。
和人) 心配せんかて大丈夫や。
    そう言うといて。
冬子) 何か、水くさいねん。和ちゃんは…。
    そやから、みんな心配すんねんで。
和人) 冬ちゃん。俺…家族とちゃうで。
    工場長も恒夫さんも、ここにおる時は
    自分で何とかしてたやん。
    だから俺もそうしてるだけや。
冬子) お父ちゃんも、みんなも「ええ」言う
    てんねからええやんか。
和人) ここにいてるだけで、僕は十分や。
    感謝してんね。
    大将と働くの、楽しいしな。
冬子) えっ、そうなん?
和人) それで、給料までもろて学校にも行け
    てんねん。冬ちゃんの元気な顔も見れ
    るし。今で十分ぜいたくや。ほな、ぼち
    ぼち勉強するし。おやすみ。
冬子) おやすみ。


**********

春子) さっき、何言おうとしたん?
岡谷) えっ?
春子) お母ちゃんと、先生に何か
    言おうとしてたでしょ?
岡谷) いや別に。
    ただ、挨拶した方がええかな~思て。
春子) 無神経やわ。
岡谷) 無神経と違う。君が僕の事で責められ
    たらえらい事やて思てんやん。そやった
    ら、早いうちから誤解解いといた方がえ
    えやろ。
春子) アホちゃう? そんな事したら、
    どないなる思てんの!?
    もうめちゃくちゃやわ!
岡谷) 言うてくれたらいつでも挨拶しに行くで。
春子) やめて言うてるやん!
    もう、ほんま体育会系は、何も考えんと
    勢いだけで動こうとするから、かなわん。
岡谷) 君も、体育会系やないか。
春子) そんな事したら、
    余計ややこしくなるだけやわ。
岡谷) いや…僕は君を応援してるだけやて。
    君を悩ますような事はせえへんて言う
    ときたいんや。
春子) 岡谷さんの存在が、もう私の悩みや。
岡谷) きっついな~! つきあうまで君が
    こんなきつい思わへんかった。
春子) 私かて思わへんかったわ…。
岡谷) まあ、ええわ。僕の前では何を言うても。
    僕を使て、日頃の鬱憤発散してくれたら
    ええわ。
春子) 私の事、そんなふうに思てんの?
岡谷) いや、その…悪い意味とちゃうで。
春子) そやけど、お母ちゃんに知られたら、
    岡谷さん、ほんまに消されるで!
岡谷) そんな怖い事言いなや。
春子) シャレやあらへん!
    お母ちゃんやったらやりかねへんもん。
    なあ、言わんといて!
    誰にも話さんといて! 
    邪魔されたないねん!
岡谷) 華ちゃん…。分かった! 言わへん!
    誰にも邪魔させへん!


**********

春男) 何やね? さっきからイライラして…。
照子) ほんまにもう春子は一体こんな
    時間まで何をしてんねやろか!
弘子) 晩ごはんどっかで食べてくんねやろか。
照子) 最近あの子、私とまともに口もきかへ
    んねんよ! 国体前で緊張してんのか
    て思たらさっきかて行き先も言わんと。
春男) ええやんか。
    「友達と会う」言うてたんやろ?
照子) こんな時間に会う友達て
    どんな友達やの!?
春男) しゃあないやろ。春子は朝早ようから
    夜遅うまでスケートばっかりやってん
    ねんから。友達と会ういうたらこんな
    時間なんねん。かわいそうやんか。
照子) あんたは心配やあらへんの?
春男) ええか? 春子はな、もう二十歳過ぎ
    た大人やね。子供やあらへんね。
    自分の責任で何しようが、
    誰と会おうが、春子の勝手や。
弘子) 春ちゃん…
    恋人でもいてんのと違うやろか?
春男) 何言うてんねんな!? 弘子ちゃん!
    めったな事言うもんやないで!
弘子) いや…すんません。
春男) は…春子は何してんねんな、
    こんな時間まで! ええっ!?
    春子はもう何してんね…。
弘子) もう! 分かりやすすぎ!


**********

照子) (ため息) お母さん…。
    夏子はレコード売れへんし、春子は伸び
    悩んでるし。ほんま子供って、思うように
    いきませんねえ…。
ヨネ) アホ!
(タンスからヨネが登場)
照子) あっ! あっ! はっ…!
ヨネ) あんた、いっこも成長してへんなあ。
照子) お…お母さん…。お母さん…。
    お母さん! お母さん! すんません…!

(必死で拝む照子)
冬子) 何してんの?
春男) あっ! シッ…! ええか? 冬子。
    もし、いつか結婚したら、
    お姑さんを大事にせなあかんで。
    あないして未練残す事になるからな。
冬子) うん…。
照子) お母さん…? お…お母さん!?
    お…お母さん…!?

(タンスの中を流す照子)
照子) ああ…いや…気色悪~い…。
(仏壇の鈴の音)
冬子) 寝よ。

**********

フフフ…。おばあちゃんが帰ってきた~! 照子
の前だけに。幽霊になって。いつもの「アホ!」
が小気味いい。照子のことが心配なんだね~。
アホな子ぉほどかわいいっていうしねえ。フフフ。

岡谷と付き合うようになった春子は、いよいと親
離れの時が来たようで。あの照子から離れるの
は、なかなか大変そうだけど。岡谷の存在も知
られたら消されそうだし。照子より先に春男にw

とにかくこれからもヨネさんに会えそうで何より。
てるてる家族は、ヨネさんも含めて、だもんね♪


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