「とと姉ちゃん」第90回～出来ますよ。私となら・・・必ず出来ます！の巻

「とと姉ちゃん」 第90回
第15週「常子、花山の過去を知る」
出来ますよ。私となら・・・必ず出来ます！の巻

常子）　おかげさまで、全て売り切りました。
花山）　増刷してもすぐに売れるだろう。
常子）　いろいろと、ありがとうございました。
３人）　ありがとうございました。
花山）　約束は守った。
　　　　あとは、自分たちでやるんだな。
常子）　花山さん。これからも、
　　　　編集長を続けて頂けませんか？
花山）　一度だけという約束のはずだ。
常子）　私も鞠子も美子も、花山さんに一から
　　　　雑誌作りを教えて頂きたいんです。
美子）　お願いします。
鞠子）　お願いします。
花山）　私はもうペンを握らない。
　　　　今回は君たちを見守るだけだった。
常子）　でしたら、次号も同じように…。
花山）　本気で関わるとなるとそうはいかん！
美子）　だったら本気で関わって下さい！花
　　　　山さんが、本気で関わりたいと思う本
　　　　作りを、私たちにも携わらせて下さい。
花山）　すまないが、そのつもりはない。
　　　　失礼するよ。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

花山）　常子君。
常子）　はい。
花山）　一つ忠告しておくが、今のままでは、
　　　　すぐに売れなくなるぞ。
常子）　なぜです？
花山）　マネされて売れなくなるのは経験済み
　　　　だろ？そうならないためには、一朝一
　　　　夕にはマネされない本を作るしかない。
常子）　そういう本を作るのであれば、編集長
　　　　　を引き受けて頂けるんですか？
花山）　そんな事は言っとらん。こんな時代だ
　　　　からこそ、伝えなくてはいけない事が
　　　　あるはずだ。だが実際には、作れんよ。
　　　　そんな金のかかる雑誌。では。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

三枝子）　本当に、もう挿絵や文章を描かない
　　　　　おつもりですか？もうペンを握らない
　　　　　という方が、あんなにきれいに筆記用
　　　　　具を…。
花山）　ただの習慣だ。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

常子）　花山さん。こんにちは。お宅に伺ったら、
　　　　奥様が仕事仲間の方とここへと。
花山）　何の用だ？
常子）　答えが、何となく分かったんです。
　　　　花山さんがおっしゃっていた、誰にもマネ
　　　　されない雑誌。衣服だけでなく、衣食住
　　　　にまつわる全ての中で、毎号、私たちが
　　　　大切だと思うものを調べて、実際にその
　　　　生活の知恵を実験してみて、体験した事
　　　　を読者に伝えて、皆さんの生活が、今日
　　　　よりも明日と、少しでも、豊かになるような
　　　　雑誌。
花山）　ああ。そんな雑誌を作る事ができたらと、
　　　　このところ考えていたんだ。しかしそれに
　　　　はとても金がかかる。何もかも、実際に
　　　　作ったり試したり…。そんな事ができる訳
　　　　がない。夢みたいな雑誌だ。
常子）　出来ますよ、私となら。
花山）　なぜ、できると言い切れる？
常子）　根拠はありません。でも、私が、花山さ
　　　　んと一緒にやってみたいと思ったんです。
　　　　それだけです。それに、花山さんおっし
　　　　ゃってたじゃないですか。「何よりも優先
　　　　して守るべきだと思い込んでいたものが、
　　　　間違っていたと気付かされた」と。だった
　　　　ら…もう間違えないようにしませんか？
花山）　私は戦争中、男には、毎日の暮らしな
　　　　どよりももっと大事なものがあると思い
　　　　込んできた。思い込まされてきた。しか　
　　　　しそんなものはなかったんだな。毎日の
　　　　暮らしを、犠牲にしてまで守って戦うも
　　　　のなど何もなかった。毎日の暮らしこそ、
　　　　守るべきものだった。
常子）　毎日の、暮らし…。
花山）　人間の暮らしは、何ものにも優先して
　　　　一番大事なものなんだ。それは何もの
　　　　も侵してはならない。たとえ戦争であっ
　　　　ても。今ようやく分かった。もし、豊かな
　　　　暮らしを取り戻すきっかけとなる雑誌を
　　　　作れるのなら…。
常子）　私となら…必ず出来ます。
　　　　始めましょう。新しい雑誌作りを。
花山）　あの２人は何をしている？
常子）　えっ？あっ、鞠子と美子ですか？
　　　　多分、今、家で…。
花山）　バカ者！一瞬たりとも遊ばせて
　　　　おくんじゃない！四六時中雑誌の
　　　　事を考えさせておけ！
常子）　すみません。
花山）　全く明日からが思いやられる！
常子）　お力を…貸して頂けるんですか？
花山）　君は家族思いだから。孝行娘の
　　　　手伝いをしてやるだけだ。君らの
　　　　ためにペンを握ってやる。
常子）　ありがとうございます！
　　　　本当に、うれしいです。
花山）　終戦の日以来、初めて他人の…
　　　　それも、女性の言葉を信じてみたく
　　　　なったんだ！
常子）　でしたら…私も人生を賭けます。
　　　　私も、自分の人生の全てをかけて、　
　　　　新しい雑誌を作ります。
花山）　ハハハハハ。分かった。
　　　　よろしくな。常子さん。
常子）　「さん」だなんて、そんな…。
花山）　君は社長だ。
　　　　「君」という訳にはいかんよ。
常子）　はい…。よろしくお願いします。
　　　　花山さん。
花山）　ああ。

こうして、常子と花山の、
人々の暮らしを豊かにするための、
雑誌作りが始まったのです。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「暮しの手帖」のファンの方に朗報ですよ～！
7月18日（月・祝）［総合］前8:15から、特別番組
が放送されます。伝説の「大橋＆花森コンビ」
の魂に迫る！番組が。「暮しの手帖」関係者の
協力を得た、本当の「大橋鎮子」さんを知る事
ができそうな番組がようやく放送されますよ～。

詳しくは、こちらを↓

「とと姉ちゃん」と、あの雑誌

社長で編集部員の大橋鎭子、編集長は花森安
治。１９４８年に創刊された「暮しの手帖」とはど
んな雑誌で、二人は何を目指したのか？１時間
で作れる「直線裁ち」のドレスやこだわりの料理
記事、商品テストなど名物企画から探る。また
片桐はいりさんが、鎭子さんが生前暮らしたお
宅を訪問、９４歳でご健在の妹さんと出会う。漫
画家ヤマザキマリさんが語る、この雑誌の影響。
そして特集「戦争中の暮しの記録」に込められた
思いとは？

本格的に「暮しの手帖」をモチーフとしたお話が
始まる前に、ドラマは本物とは似ても似つかな
いフィクションであることを視聴者に知っておい
てもらわないと、「暮しの手帖」の方々が気の毒
すぎると思っていたので、本当に嬉しいかぎり！
7月18日（月・祝）8時15分から。予約しないと！

「とと姉ちゃん」を楽しくご覧になっている皆様

は、この先は、華麗にスルーでお願いします。

すごいよ常子！さすが常子！私となら、他の
誰でもない、この常子さま「と」なら、出来る！
必ず出来る！と豪語しちゃったよ。もちろんい
つもの何の根拠もないハッタリなのだけれど、
このドラマの中では、ある意味説得力がある。

出来ますよ、私となら。
根拠はありません。でも、私が、花山さん
と一緒にやってみたいと思ったんです。

私となら…必ず出来ます。
始めましょう。新しい雑誌作りを。

しかもこのセリフを言う時だけ、舞台を見てい
るようだった。やはり舞台が似合う人なのね。
一番の見せ場だし、テレビじゃなくて、舞台だ
と思って見れば、はいはいはいとも思えるし。

つくづく、唐沢さんが登場するところから始め
ればよかったのに…と思ってしまう。ヒロイン
を嫌いになってしまう前に、唐沢さんを登場さ
せてほしかった。これからは、さすがに今まで
のようにでたらめなフィクションばかりを書くわ
けにもいかないだろうし、普通に史実を取り入
れて書けば、面白くなるはずだから。面白くな
るフィクションなら歓迎できるのに…脚本家に
よって捻じ曲げられたフィクションがことごとく
つまらなかった訳で、余計な事をしなければ、
何とかみられるようになるはずなのだけれど。

いやいや…まさか新しい展開になるための、
ここぞって場面で、ヒロインをこれほど憎々し
く思う日が来るとはね…。私とならって言う度
に、張り倒したくなるなんて…。何てこと！！
とりあえず、月曜日の特番だけが楽しみ～♪

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