「とと姉ちゃん」第84回~常子、雑誌をマネされて大量に売れ残るの巻 | 日々のダダ漏れ

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「とと姉ちゃん」 第84
第14週 「常子、出版社を起こす
常子、雑誌をマネされて大量に売れ残るの巻


鞠子) 何よ、これ…。
君子) 「スタアの洋服」。随分似た本ね。
鞠子) 似てるんじゃないです。
    きっとマネしたんです。
君子) えっ?
男性) ああ、そうだろうね。売れたって
    噂になった本は、すぐ、似たよう
    な本が出るから。
君子) あら…。
常子) 「スタアファッション」。「スタアの着物」。
鞠子) 「スタアの彩り」。「ファッションは装ひ」。
    敵も考えるわね。
美子) これなんてひどいですよ。
一同) 「装ひのスタア」!?
常子) 逆さにしただけじゃない。
鞠子) もはや意味も分からない。
君子) あ…マネされるなんて、光栄じゃない?
    こっちが、元祖なんだもの。
    自信持って、売りましょう。
3人) はい。

**********

ひとつきたっても、
増刷した「スタアの装ひ」は、
僅かしか売れていませんでした。


**********

常子) 叔父さん、お金…。
鉄郎) 金?
常子) お借りした資金、まだ返せてません。
鉄郎) いいよ。今返しちまったら、 
    次の本が作れなくなるだろ。
常子) でも…。
鉄郎) 常子。鞠子。美子。
    諦めねえでもう一度出せ。
    俺は、当分東京には戻らねえ。
    俺のいるとこの本屋にも置かせて
    もらえるような雑誌、作ってくれ。
    見つけたら、すぐさま電報打つから。
    な?
三姉妹) はい…。
鉄郎) 達者でな。
君子) 気をつけて…。
美子) 行っちゃった…。


**********

鞠子) 何だかんだ言って、
    いないとさみしくなるね。
美子) そうそう。この1年、叔父さんが
    いてくれて心強かったわ。
君子) そうね。男の人がいるのといない
    のでは、違ったでしょうね。常子?
鞠子) どうしたの?
常子) あと1冊、頑張ってみない?
    もう後はないけど…
    やるだけやってみよう。
美子・鞠子) うん。
常子) うん。
君子) 頑張りましょう。
    私も、何でも手伝うからね。
3人) ありがとうございます。

**********

谷) そうか…そんなに売れ残ったのか。
常子) ええ…。
谷) あ…小橋君、申し訳ない。
常子) えっ?
谷) もう新しいやつを雇ってしまったんだよ。
  だから、君を受け入れる、余裕が…。
常子) あっ、あっ、いや、あの…そういう相談
    ではなく、2冊目を作る上で何か助言を
    頂けないかと。
谷) あっ、そういう事?
常子) はい。
谷) あっ、そういう事か…。
常子) えっ?
五反田) この前も言ったけど、女性向けの
     雑誌は、僕らも詳しくないからね。
常子) 何でもいいんです。
    何かありませんか?
    もう失敗できないんです。
谷) だが…女性目線の雑誌など、
  皆目分からんのだよ。
相田) そうなんですよね。我々の目から見た
    ら、悪くない誌面の気がしたんだけど…。
富樫) いや、そもそも、我々の目が、社長に
    よって培われたものだし。ねえ。
谷) 何だよ、その言い方。えっ?
  何だ…俺が悪いのか?
富樫) いやいや、めっそうもない!
相田) 「餅は餅屋」って事ですよ。
    どうせ、助言もらうなら、
    別の人がいいんじゃないかな。
常子) そうですか…。


**********

五反田) 常子君。
常子) あ…はい。
五反田) あの人に、相談してみろよ。
常子) あの人?
五反田) 花山伊佐次。会った事あるだろ?
常子) 花山さん…
    あっ、内務省にいた方ですよね。
五反田) そう。

(花山の事を回想する常子)
五反田) そう。その花山さん。
常子) 私、あの人、どうも苦手で…。
五反田) いやまあ、正直な人なんだよ。
常子) でも、花山さんって、
    挿絵を描く方ですよね?
五反田) だけじゃない。あの人はもともと、帝
     大新聞の編集長だったんだ。うちの編
     集長がへそを曲げるとやっかいだから
     さっきは言わなかったんだけど。花山
     さんってのは、絵も文章も、編集の力
     量も、業界じゃ有名だったんだぞ。
常子) へえ~。
五反田) だから、宣伝標語で内務省から
     お呼びがかかったんだ。
常子) ああ…。
    いや、でも、あの方はちょっと…。
五反田) 確かに、行動は自分本位だし、発言
     は歯に衣着せぬので、傷つけられる
     事も多いよ、でもね、あの人の女性へ
     の目線は、男性から女性を見た視点
     ではなく、どことなく、女性側の視点で
     見ている気がするんだ
常子) あの方がですか?
五反田) ああ。花山さんが書いた文章や挿絵
     なんかから、そんなにおいがするんだ
     よなあ。
常子) ああ、確かに、
    あの方の挿絵は好きですけれど…。
五反田) きっと、君の作ろうとしている雑誌を、
     よりよくしてくれるはずだ。
     これ、訪ねてみてごらん。
常子) はい…。

**********

えっと…叔父さんの本当の行き先は…ヒロイン
…じゃなくて今度こそ主役になれる、TBSだと
思う~。「とと姉ちゃん」での駄目男のイメージ
を払拭すべく奮闘する旅に出たのだよ、彼はw

とにかく、設定がおかしすぎて、気持ちが悪い。
よくもまあ、史実をこれだけ改悪できるものかと
呆れるというか、アレンジ能力の無さに呆然…。
しかも、おそらくは、本人はよくできていると思っ
ているだろうところがもう絶望的というか…致命
的。感覚がズレていると思うところが、本人にと
っては普通なんだろうと思うと…何も言えねえ。

本当は、常子が出版社を起こすまでの経緯をじ
っくり描かなければならなかったはずなのに…。
ナレーションとセリフで説明するばかりで、映像
で視聴者を納得させてこなかったツケが回って
きたというか、視聴者の脳内補完に頼るにもほ
どがあるというか…。気になって「とと姉ちゃん」
における時間経過を振り返ってみたら、鳥巣商
事でタイピストを3年、甲東出版で編集を3年、
貸本業を半年というのが常子の職歴。まったく
そうは見えなかったけれど、一応編集の仕事を
3年していた事になる。ちなみに、ドラマのモチ
ーフとされている大橋鎮子さんの経歴は…。↓

昭和12年(17歳) 
  東京府立第六高等女学校を卒業。
  日本興業銀行(現みずほ)に入行。
昭和15年(20歳)
  日本興業銀行退職
  日本女子大学校家政科二類に入学。
  が病気療養のため半年で退学。
昭和16年(21歳)
  日本読者新聞社に入社。日本出版
  文化協会の秘書室に勤務。
昭和18年(23歳)
  日本出版会から
  日本読書新聞社勤務に戻る。
昭和20年(25歳)
  「日本読書新聞」は編集部員らの徴兵
  により休刊するが、終戦後に部員らが
  復員し、再会。「日本読書新聞」編集長、
  田所太郎の紹介により、花守安治に会う。
昭和21年(26歳)
  銀座に「衣装研究所」を設立、社長に就任。
  「スタイルブック」を刊行する。


出身は浜松じゃないし、子供時代はほとんど全
部フィクション。話がおかしいのは、脚本家のせ
い。史実はことごとくおかしな展開に脚色されて
いるというのが実情。名誉棄損レベルだと思う。

実は、病気のために半年で辞めてしまったけれ
ど、「あさが来た」であさがその設立に尽力した、
あの「日本女子大学校」に入学していて、しかも、
その当時の学長は、宜ちゃんのモデルだった人。
女学校でありもしないイジメを描くより、こちらを
描いてほしかった。「あさが来た」ファンを喜ばせ
ることもできただろうに…。大橋さんが、もっと勉
強したいと願っていた、向上心のある人だという
こともここで描けただろうに…。ホント、勿体ない。

本当は、銀行時代の仕事の経験も、後に繋がっ
ているのだけれど、つまらない会社での苛め描
写に終わらせてしまっているし…。確かに、家族
を養うために、お金をたくさん得るために、自分
で雑誌を作ろうと思うのだけれど、そこに至るま
での過程は、十分納得できるものだし、仕事ぶ
りも、人間関係もちゃんできていて、人望もあっ
てできたこと。そこにはちゃんと、雑誌作りに対
する思い入れがあり、信念があってできたもの。

それをまったく描かずに、言葉だけで3年働きま
した。会社辞めます。会社つくります。ド素人の
3人でチャチャっと雑誌つくっちゃいま~すって。
いくらなんでも…何じゃそりゃ~って思うでしょう。
あまりにも、ひどい。フィクションにするなら、より
楽しめる、気持ちのいいフィクションにしないと!

最後の望みは、ちゃんとした出版社編になって
から、今までの事はどうせなかったことのように
描かれるだろうから、それを機会にまったく新し
いドラマに生まれ変わってくれる事…それだけ。


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