「とと姉ちゃん」第77回~お竜との再会。戦後やりたい事を考えてみるの巻 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「とと姉ちゃん」 第77
第13週 「常子、防空演習にいそしむ
お竜との再会。戦後やりたい事を考えてみるの巻


常子) それじゃあ、川崎の親類のところに?
お竜) ああ、ほかに頼るところもなくて、
    妹たちと向かってたんだ。あっ、痛っ。
常子) ごめんなさい。
    このけがも、空襲の時に?
お竜) まあ…そんなところさ。
美子) ねえ、きれいにしてあげるから
    おねえちゃんのとこにおいで。
お竜) ほら、行ってきな。
鞠子) さあ、こっちよ。おいで。
美子) ここおいで。
鞠子) ここに座って。
君子) その節は、娘がお世話になったようで、
    ありがとうございました。
お竜) お世話なんかしてないよ。
常子) 助けて下さったじゃないですか。あ…
    よっちゃんがくれたマフラーなくした時
    もね、届けて下すったの。
美子) お世話になりました。
お竜) もう、よしとくれ。
君子) よかったら、召し上がって。こんな時
    だから、大したもの出せないけど。
お竜) そんな事ないよ。
    あたいらにはごちそうさ!
君子) さあ、お待たせしました。はい、どうぞ。
お竜) ほら、食いな。
君子) はい。
庸蔵) 頂きます!
和子) 頂きます!
お竜) 空襲以降、
    何も口にしてなかったからね。
美子) 下町の方はひどかったと聞きました。
お竜) 警戒警報が解除されて安心しきった
    ところで…急に始まったんだ、空襲が。
    あたいらは必死にこいつらに頭巾か
    ぶせて、防空壕へ放り込んだ。その
    直後、家に、焼夷弾が落ちてきてね。
    とてもバケツなんかじゃ消せない火の
    海だった。このまま庭の防空壕にいた
    んじゃ焼け死ぬと思って、こいつらと
    一緒に逃げ出したんだ。どこもかしこ
    もひどいありさまさ。火と煙と死体と悲
    鳴。どこに行ってもそれが付きまとう。
    しまいには、何とも思わなくなっちまっ
    たけど…。


**********

お竜) あと何年続くんだろ?
常子) えっ?
お竜) 戦争さ。あの子達だって、いつか兵隊
    にされて、どっか遠くに行かされる日が
    来るんじゃないかって…。そう思うと…。
    悪い…。


**********

常子) お竜さん。
お竜) おっかないんだ。去年の空襲で、父親
    が死んだんだ。あたいまで死んじまった
    ら、弟や妹は…。そう考えるとおっかな
    いんだ。
常子) 私も…焼け出された人達を見て、同じ
    事考えました。私達も、いつどうなるか
    分からないって。明日、焼夷弾が降っ
    てくるかもしれないって。もしそうなった
    ら、何としてでも、私が家族を守らなき
    ゃって。
お竜) あたいだって…守れるもんなら守って
    やりたいよ。ここに来るまでに、庸蔵と
    和子に何か食わせてやりたくて、やっ
    との思いで、食い物を恵んでもらった
    んだ。でも、2人のところに行き着く前
    に、奪われちまったよ。男の2人組だ
    ったね。力ずくでやられたよ。この腕は、
    その時のけがさ。
常子) ひどい…。
お竜) 今まで男に負けないつもりでいたけど、
    本気で来られたら、とてもじゃないが
    太刀打ちできない。女なんて弱いもん
    だ。そう考えると、あたい一人であいつ
    ら守ってやれるか…。


**********

常子) それより、
    お布団も敷かずに何話してたの?
美子) 大きな声では言えないけど、戦争が
    終わったら何をしたいかって話。
常子) あ~。
    庸蔵君と和子ちゃんは何がしたい?
庸蔵) 前にお姉ちゃんに連れてってもらった
    上野の動物園に行きたい。
和子) 私も!
お竜) ああ…いくらでも連れてってやるよ。
庸蔵・和子) やった~!
常子) みんなは? 何て言ったの?
鞠子) 私はそりゃあ、
    好きなだけ小説を書く事よ。
常子) うん。
美子) 私は、かわいいお洋服をいっぱい
    作って、着たいなあって。
庸蔵) お姉ちゃんは?
お竜) あたいは…特にないよ。戦争が
    終わってくれりゃ、十分さ。
鞠子) 最後はとと姉。
常子) ん?
鞠子) とと姉は何?
常子 あぁ、う~ん、
   私は…やっぱり雑誌作りかな。
   五反田さんと約束したの。みんなが戻っ
   てきたら、好きな雑誌を作ろうって。女の
   私でも、自由にやりたい事を考えて、そ
   れを実現する雑誌をやりたい。フフッ。
   やりたいばかりだけど。
お竜) あんた、
    本を作る仕事なんかやってんだ。
常子) あ…以前お会いした時はタイピスト
    でしたよね。私今、雑誌の編集者や
    ってるんです。
お竜) へえ…。
美子) この雑誌です。どうぞ。
お竜) へえ…。
常子) あ…興味なかったですか。
お竜) ああ、いや…。
庸蔵) お姉ちゃん、もう眠い…。
和子) 私も眠い…。
君子) それじゃ、寝ましょうね。
常子) 寝ましょう。


**********

その夜、常子はなかなか
寝つく事ができませんでした。
もし自分が生き残り、
戦争が終わる日を迎える事ができたなら、
自分のやりたい事ができる雑誌を作りたいと、
本気で思い始めていたのです。


**********

お竜) なあ…これは何て題名だい?
    悪いけど、字が読めないんだ。仮名は
    なんとか読めても、漢字はさっぱり…。
    ガキの頃から母親がいなかったもんで、
    学校にも行かず、家の手伝いやら、あ
    いつらの面倒見てきたもんだから…。
常子) これは、「新世界」という雑誌です。
お竜) 「新世界」か。
    あのあと考えたんだけど、あたいは
    戦争が終わったら、いろんな事を知
    りたいね。
常子) いろんな事?
お竜) 字もそうだけどさ、普通の人が当たり前
    のように知っている事を知りたい。あん
    たが羨ましいよ。あんたは、あたいが知
    らない事をたくさん知ってんだから。
常子) そんな事ありません。今まで、働いてお
    金を稼ぐ事ばかり考えてきましたから。
    私も、知らない事がいっぱいあって、知
    りたい事や、見たい事が、まだまだたくさ
    んあるんです。
お竜) そっか。あんたも一緒か。
常子) はい。


この時、お竜と語り合った事こそが、
戦後の常子を大きく動かす事になるのです。


**********

「とと姉ちゃん」を楽しくご覧になっている皆様
は、この先は、華麗にスルーでお願いします。


お竜との再会。さすがに資料映像だけではもた
ないと思ったのか、空襲の悲惨さをお竜に語ら
せてみる~の巻。まあ、ナレーションよりは、セ
リフで語ってもらった方が、ドラマっぽくはある。
しかも、ヒロインより百倍表情豊かな志田未来
ちゃんが語るので…その分、ヒロインの無表情
ぶりが、演技力のなさが、際立つのだけれどw

何もかも忘れて、設定に目をつぶって、今日の
シーンだけを見れば、怒鳴る人もいないし、今
までよりはマシな会話が続いたので、とりあえ
ず、不快にはならずに済んだけれども…。忘れ
られないのよねえ…脚本家先生のように、軽く
リセットできないというか。だって、東京大空襲
の翌日なんだよ? このお竜さんとの再会は…。
お竜さんから空襲の悲惨さは語られるものの、
まるで、遠い国の話を聞いているようなお花畑
一家の様子には脱力を越えて、空虚な気分…。
この人たちには、戦争の痛みは通じないのね。
おしゃれができないとか、おはぎが食べられな
いとか、自分たちの欲望が満たされないことが、
最大の関心事。親しい人を心配する事もないし。

お竜と常子の不安の大きさはレベルが違いす
ぎる。戦争に対する意識が、根本的にかみ合
わず、お竜の中の人のせっかくの熱演も、常子
の中の人の受けが下手すぎて、台無し。まさに
「まれ」と一緒。ヒロインの演技がまわりの人の
芝居をぶち壊してしまうの図。悪夢は繰り返す。

ありがたいことに、戦争は今週で終わるみたい
なので、それだけが救い。あと1日の我慢我慢。


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