「とと姉ちゃん」第72回~さよならおばあ様!木曽へ目黒へお引越しの巻 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「とと姉ちゃん」 第72
第12週 「常子、花山伊左次と出会う
さよならおばあ様!木曽へ目黒へお引越しの巻


清) お招きに、あずかりまして。
滝子) ああ、座っておくれ。
清) はい。
隈井) へえ。失礼しやす。
    どうしやす? 早速一杯やりやすか?
滝子) その前に…話を聞いておくれ。
隈井) へい。
滝子) この青柳商店は、ここで、
    看板を下ろそうと思う。
清) えっ?
隈井) 女将さん…。
滝子) 店を畳んで、軍に貸し出す。
清) えっ。ど…どうしてです?
  200年続いた看板を守るといつも…。
滝子) だからこそさ。
    このまま青柳を続けても、納得のい
    かない仕事をするのは…私には耐
    えられない。そんな事をするくらい
    なら、潰した方がいいんだよ。
隈井) しかし…。
滝子) 私は…あと、1年ももたないだろう。
    フフッ…最後くらいカッコつけさせて
    おくれよ。それに、隈井だって、もう、
    解放してあげないとね。
隈井) 解放だなんて、そんな…。
滝子) 感謝してるんだ。隈井には。
隈井) ここを引き払って…
    どうなさるおつもりですか?
滝子) 木曽のお得意様から、いい療養地が
    あるって聞いてね。向こうに引っ込もう
    と思ってるよ。
隈井) (泣)
滝子) だから、お前も気兼ねなく、
    どこにでも、お行き。
隈井) (泣) 女将さん…。
滝子) 清は、まだ若いんだ。これからは、
    店や、私に気兼ねせず、好きに…。
清) 私も木曽に行きます。青柳がなくなるのに、
  深川に残っても、致し方ありません。木曽で
  仕事を見つけて、ずっと、お母さんのそばに
  います。情けない話ですがね、私は、お母
  さんに褒められる事だけを考えて生きてき
  たんだ。今更生き方変えられませんよ。
隈井) だったらせめてあっしに、
    木曽までお送りさせて下さい。
    あっしは…この青柳の…番頭です。
    最後まで…最後まで…
    務めさせて頂きます。
滝子) 最後に…
    一芝居、つきあってくれないか?
隈井) 芝居?


**********

滝子) 集まってもらって、悪かったね。
    実は、この店を閉める事になってね。
君子) まさか、陸軍の借り上げの話を…。
滝子) ああ、受けようと思ってる。
    お国が大変な時だ。小さな木材問屋の
    行く末など、誰にも保証できない。だっ
    たら軍に貸して、いくらかのお金をもら
    った方が、賢明だと思ってね。
常子) おばあ様が決めた事であれば、
    私たちは何も。
滝子) 目黒にいい借家があってね、
    隈井が手配してくれたんだ。
隈井) そこなら、常子さんと、鞠子さんの職場
    からも近いですし、よろしいと思いまして。
君子) お気遣いありがとうございます。
隈井) いえ。
君子) でも…お母様たちは…?
滝子) あ…私は、木曽の療養地で、
    のんびり過ごそうと思ってるよ。
    清も来てくれるっていうしね。
清) お母さんの事は、任せて下さい。
美子) 嫌です。離れ離れなんて嫌です。
    私も一緒に木曽に行きます。
常子) よっちゃん。
美子) とと姉ちゃんも、まり姉もかかも、
    みんなで木曽に行けばいいじゃない!
滝子) 勘違いしないでおくれ。   
    私は、この青柳をやめる訳じゃない。
    ほんの一時、軍に貸すだけさ。
    戦争が終わって落ち着いたら、
    またここに戻ってきて、
    またこの青柳をやる。
    そうしたら、また、一緒に暮らせるんだ。
美子) 本当ですか? 絶対にまた
    戻って来てくれますか?
滝子) ああ。祭りに行くって、約束しただろ?
美子) はい。
滝子) フフフフ…。はぁ…。


**********

ひとつき後、
青柳商店は、最後の日を迎えました。


君子) お母様、そろそろ…。
滝子) あいよ。
君子) いいんですか? 少し見ていかなくても。
滝子) 生まれた時から毎日見てきたんだ。
    もう、見飽きたよ。結局…守りきってや
    れなかったね。偉そうに、君子を守るっ
    て言っておきながら、こんな事になっち
    まって…。
君子) いいえ。お母様には、ずっと、守って
    頂いていました。私は、この家に生ま
    れて、幸せだと思っています。(泣)


**********

美子) おばあちゃま。これを見て下さい。
    浴衣です。でもまだ仕上げてません。
    今度お会いする時までに仕上げます。
    だから、必ず帰ってきてください。
滝子) ありがとう。常子。
常子) はい。
滝子) 木材ってのは、今植えたものじゃない。
    40年、50年前に植えたものが育って、
    商品になる。だから植えた時は、自分
    の利益にならないのさ。それでも、40
    年後に生きる人の事を思って、植える
    んだ。次に生きる人の事を考えて、暮
    らしておくれ。
常子) はい。
鞠子・美子) はい。
清) さようなら。
隈井) ごめんくださいまし。


これが、滝子の姿を見た、
最後になりました。

3か月後、深川の木材問屋は、
すべて廃業しました。

**********

常子) ほうほうほう。
    これが新しい住まいですかい。
君子) 浜松の家に少し似てるわ。
鞠子) また4人に戻ったのね。
常子) 改めまして、
    どうぞよろしくお願いします。
3人) こちらこそ。


小橋一家が4度目の引っ越しを終えた頃、
海軍はミッドウェー海戦に敗北。
日本は苦戦を強いられ始め、
更なる苦難の時代へ突入していくのです。


**********

「とと姉ちゃん」を楽しくご覧になっている皆様
は、この先は、華麗にスルーでお願いします。


滝子おばあ様の最後の見せ場だったのだろう
けれど。まるで舞台のようなセリフまわしにも、
そこは笑っていいところと思えばうっすら笑え
るようになった今となっては泣けるはずもなく。
やつれて死にそうなおばあちゃんの姿にはな
りたくなかったんだろうなぁと、最後まで美魔女
おばあ様のままで退場したかったんだろうなと、
中の人の美に対する執着に苦笑してしまった。
(婆になる覚悟がないなら引き受けちゃダメ!)

情けない話ですがね、私は、お母さ
に褒められる事だけを考えて生きてき
んだ。今更生き方変えられませんよ。

唯一、清の健気さだけが、ほろっとしたところ。
気持ち悪いキャラにさせられて、ホント、お疲
れ様でした。けれども、中の人からにじみ出る
人の良さから、清の心情はちゃんと伝わった。
全ては、ただ、お母さんに褒められたくての行
動だったのだと、ちゃんとつながって見えたよ。
見直されたところで退場でよかった、よかった。

後はもう…さすが演技派の美子の中の人以外、
見るべきところは一つもなく…。あまりにも人の
情を描くことができない脚本に呆れてしまった。
娘の君子、そして常子も鞠子も、この人たちの
情のなさ、冷たさには心が凍ったよ…。脚本が
悪いとはいえ、死にそうなおばあ様との別れに
際して、もう少し気持ちを表現してもいいような。

結局、それぞれのキャラに魂が入っていないか
ら、何が起きても、そのキャラに共感できない。
今日は特に、BSで再放送中の「てるてる家族」
での、娘が東京に出るのを見送る家族の姿が
胸に沁みただけに、「とと姉ちゃん」の冷たさが
際立ってしまって…。脚本家も演出家も、「てる
てる」家族をちゃんと見直したほうがいいと思う。
その上で、「とと姉ちゃん」のダメなところに気が
付かないとしたら、もう、どうしようもないかも…。

それにしても…なぜ、あんな立派な広い家にお
引っ越し? まさに、この「ご時世」に! 演出の
感性が信じられない。何? このバブル家族は。
ほうほうほうじゃないっつーの! 慎ましい生活
をしている風に見せる、せっかくのチャンスを…。
ナレーションと参考映像だけで戦争を描けると、
いや、それしかできないんだろうなあ、脚本が。
更なる苦難の時代に突入していくといいながら、
浜松みたいな広~いおうちに引っ越す小橋家。
親の介護はちゃっかり清に任せ、娘達に養って
もらう気満々の君子が、相変わらず気持ち悪い。
常子の表情も相変わらず読めないし…。ヒロイ
ンも、常子が分からないからだろうけど…トホホ。


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