「あさが来た」第122回~デリケシイに欠ける母親と、言霊を気にする娘 | 日々のダダ漏れ

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「あさが来た」 第122回
第21週 「夢見る人
デリケシイに欠ける母親と、言霊を気にする娘


弥七) ほんまだすのか!?  奥さん、
    もう起き上がって、ごはん食べてはるて。
佑作) はぁ~あない傷ひどかったのになぁ。
亀助) せや。お医者の先生も、あきれるぐらいピン
    ピンしてはりましたわ。もう休まなあきまへん
    言うてるのに、もう、早帰ってみんなに謝りた
    いとか、働きたいとか、花木寮行って勉強し
    たいとか、わがまま言うてなぁ。
サカエ) ほんまによかった! 奥さんご無事で。
ツル) ほんまに…。
亀助) うん。うん。
藍之助) さすがあさおばさんや。
亀助) はぁ? お前、誰や?
    奥さんの事をおばさんやて…。
平十郎) もうこれで、心配ないという事です。
     奥さん、しばらくお休み頂きますが、みんなは
     心配せんと、いつものとおりに励んで下さい。
一同) へぇ!
平十郎) それと、奥さんのお客様が来られた時は、
     私か、頭取に回して下さい。
ハト) はい。
すず) 承知致しました。
平十郎) それからお見舞いはお断りしてたんやけ
     ども、たくさん面会希望のお客さんが集まっ
     て困ってると、病院から苦情がありました。
     柴田君、小松君、今から病院に行って、
     その応対よろしくお願いします。
柴田・小松) はい。
平十郎) では、今日も、よろしくお願いします。
一同) へぇ!
亀助) 何だすね、あれ。前会うた時には、
    「へぇ」しか言わへんかったくせに。
    あない偉そうに…。
弥七) そらそうだすわ。
    へぇさんは支配人だすさかい。
亀助) 支配人やて?
弥七) わてかて、支出掛の係長なんだっせ。
    亀助さんかて、加野商店の炭坑部門の
    支配人さんだすやろ?
亀助) まあ、そらそやけどもやで、何や寂しいわ。
    大番頭や中番頭言うてた頃が懐かしなぁ。
弥七) そうだすな。亀助さん、結局、
    大番頭になられへんままだしたな。
亀助) うるさいわ! フッ。けど何や、何もかも
    変わってしもて、お前のその変わらへん
    減らず口がいっそうれしいわ。ハハハ。
    そやけど、今日わて何しよう?


**********

そのころ病院では、
ようやく目を覚ましたあさのもとに、
多くの花や見舞いの品が、届いていました。


あさ) はぁ~工藤様まで。こないきれいなお花ぎょ
    うさんもろてしもて。ほんまもったいないなぁ。
    何やこないして寝てたら、生きてるのに、
    お葬式みたいだすなぁ。
うめ) ほんまに今日が、お通夜やお葬式になって
    てもおかしなかったんだっせ。そないな冗談
    言わはったらあきまへん!
あさ) へぇ、堪忍。
    千代。おおきにな。
    えらい心配かけてしもて、堪忍やで。
千代) いっこも心配なんて、してしまへん。
    お母ちゃんの事だす。「九転び十起き」や
    とか言うて、そのうち起き上がってきはる
    やろ思てました。
あさ) ハハハ。そうだすか。
    あっ! そないいうたらあの、宜ちゃん、
    家に来てはりましたやろ?
    ほら、あんたの女学校のお友達の。
千代) 宜ちゃん? いつの話だす。
    もうとっくに京都に帰ったわ。
    せっかくうちに遊びに来てくれたのに、
    遊ぶどころやのうなってしもたしな。
あさ) そうだすか…そら悪い事しましたなぁ。
    せや、あんたは?
    あんた今学校どないしてますの?
千代) そら休んでますわ。
あさ) はっ、休んでるて? はぁ…うちなんかのため
    に長い事休ましてしもて。ほんまもったいない
    事してしまいましたなぁ。はぁ~あ、堪忍やで。
    せやけど、もう大丈夫だっせ。先生も、命の心
    配あらへんて言うてくれはりましたさかい。
    あんたももうぼちぼち京都帰って…。
千代) あ~っ! もう、うるさいなぁ!
あさ) えっ、うるさい?
千代) お母ちゃんて、前々から思てましたんやけど、
    何やどっか、デリケシイに欠けてますな。
あさ) でりけし? 何だすの? それ。
千代) デリケシイいうのは、こう、繊細な心いうか、
    こまやかな心配りいうか…まあ、それが欠け
    てるいうのは、野暮なお人やいう事だす。
あさ) 野暮?
千代) そうだす。お母ちゃんなんか、
    ちょっと刺されたぐらいが、ちょうどええんだす。
あさ) はぁ? あんた今、
    ちょっと刺されたぐらいがええ言うた?
千代) へぇ。お母ちゃんはものすごう無神経で
    無鉄砲なんやさかい、ちょっとぐらいは痛
    い目に遭うて、弱るぐらいがちょうどええ
    のや、言うたんだす。
あさ) なんて事を! あんたな、この…この傷が今、
    どない痛いかて! もう…。あんなぁ、この世に
    は、言霊いうのがあってな、口から声に出した
    言葉は、ほんまの事になったりしますのやで。
千代) へ?
あさ) 悪い事言うたら悪い事が起こったり。
    ええ事言うたらええ事が起こったりしますのや。
    そやのにあんたもう…
    ちょっと痛い目やなんて言うて。
千代) な…何だすの、それ! 何が起きても、
    全部お母ちゃんの自業自得だすやろ!?
あさ) フッ。そうだすな。冗談や。分かってます。何
    があっても、こら全部お母ちゃんのせぇだすな。
    デリケシイなぁ…。せやなぁ、もっと、やらかい
    心持って、笑て生きていかな、あきまへんなぁ。
    はれ?

(花瓶を持って病室を出ていく千代)
あさ) はぁ~あ、もう…。娘にデリケシイやら、野暮
    やら言われたらもう気落ちしてしまいますがな。
うめ) ほんまだすか。ちょっと気落ちして、じっとして
    るぐらいのほうが、今のおあさ様にはちょうど
    ええのと違いますか?
あさ) もう、うめまでそないな事言うて。
うめ) あ~あ、見してあげたいなぁ。
    お千代様が、どないな顔しておあさ様の事
    心配してはったか。「親の心子知らず」とは
    いいますけど、子の心もどうして、親知らず
    なとこがありますのやな。


**********

新次郎) へぇ、おおきに。
千代) まだ、捕まらへんのだすか?
新次郎) うん…。
     千代は、今日はもう帰りますのやで。もう
     何も心配する事あれへんのやさかい。な?
千代) はい…。


**********

啓介) ハハハハ!
    それは君、気楽がすぎるんじゃないか?
    僕たちだって、無事入学できたとはいえ、大事
    なのはこれからさ。これまで励んできた勉強は、
    いわばこれからのためのものなんだ。
    失敬。
清二) どうせ君はまた大学の試験でも
    首席を取るつもりだな。
啓介) う~ん。それはどうだろうなぁ。
    何せ、大阪まで来てしまったんだ。でも来た
    からには、僕は先生に尽くそうと思うよ。
清二) さすがエリート。発言にも余裕があるね。

(包丁でりんごを切ろうとする清二)

(回想)
(包丁の映像)
あさ) 千代…。
(うずくまるあさ)


千代) ヒッ…!
(花瓶を落としてしまう千代)
清二) はっ!
千代) すんまへん。すんまへん!
    イッタ…。
啓介) 大丈夫? 君。どうかしたの? 顔が真っ青だ。
よの) 千代? あれま、花瓶落としてしもたんかいな。
かの) あ~れ、えらい事。ごめんやすなぁ。
よの) 大丈夫か? ごめんやす。

(包丁に気付き、ふきんで隠すよの)
よの) 大丈夫やで。
    ほら、おばあちゃん来ましたよってな。
千代) もう平気だす。失礼致しました。
    堪忍な、おばあちゃん。かの。
かの) いいえ。
よの) ああっ、かのに任しとき。
かの) へぇ。
千代) おおきに。

**********

柴田・小松) お先に失礼します。
新次郎) へぇ、ご苦労さんだした。
亀助) ご苦労さんだした。
新次郎) はぁ~。
     こないようけ来てくれはりましたんかいな。
     亀助がほとんど応対してくれたてなぁ。
     さすが中番頭や。頼りになりますわ。
亀助) いやいや。工藤さんいうお客さんなんか、
    「奥さんに文句言うたままのお別れにならんと
    ほんまよかった」言わはって。店の方にも、奥
    さんの様子聞きたい言うて、商業会議所の方
    が、ようけ来てはりました。
新次郎) そない言うてくれるお人ばっかりやったら
     よろしいのやけどなぁ。あさが、ある一部の
     人から恨み買うてるいうのは、確かな事な
     んだす。銀行の神さんの、渋沢先生も言う
     てはりましたわ。


(回想)
渋沢) 東京まで聞こえた噂といえば、炭坑夫を
    ピストルで脅して働かせているとか。
    やり手すぎて、ヒゲが生えてるとか。


亀助) うん…。
新次郎) わて、守ったられへんかった。
     ひょっとしたらわてのせえかも分かれ
     へんいうのに。ほんま情けないわ。
亀助) 何を言いはりますねや。
    道端で後ろから刺されたんだす。
    そないな事から誰が守れますのや!
新次郎) せやけど、
     次またこないな目ぇに遭うたら…。
亀助) ここいてる間、
    わても奥さん守らしてもらいます。
    奥さんが、納屋頭の中から引き抜いた、
    副支配人がいてましたやろ?
新次郎) ああ、よっちゃんなぁ。
亀助) ええ。あれが、よう出来る男で。
    「ゆっくり行ってきてくれ」言うてくれました
    んや。わてにも、お手伝いさしとくなはれ。
新次郎) 亀助…。


**********

そして…

はつ) ごめんやす。
クマ) はぁ! あなた様はおあさ様の。
はつ) 姉でございます。
    いつぞやはえらいお世話になりました。
よの) はぁ、おはつさん。惣兵衛さんも。
はつ) ご無沙汰しております。
    電報もらいまして。今、妹は?
よの) あささんな、今朝な、病院で、
    気ぃ付きはりましたんや。
はつ) へ? ほんまだすか? ああ…。

(よろめくはつを受け止める惣兵衛)
惣兵衛) あ…おおっ。よかったなぁ。
     そらほんまよろしおました。そやけど急に
     危篤やて、どないな事やったんだす?
かの) いや~暴漢にブスッと…。
はつ) へ!?
惣兵衛) ブスッとて…?
よの) いやな、あの…命の心配は、もうあらしまへん
    のやで。けどな、こらもう話したら、長うなります
    さかいなぁ。今日は、うちに泊まってかはったら
    どないだっしゃろ? なぁ?
はつ) いいや、そないな事は…。
よの) もうなぁ、面会の時間も過ぎてますし。
    それになぁ、今日は、新次郎と、千代がな、
    病院に泊まり込んでますのや。
はつ) 千代ちゃんが?
かの) へぇ。初めは、帰る言うてはったん
    ですけど。ん~言霊が何やかんや
    心配やさかい、とか言うて。
はつ) 言霊?
かの) へぇ。
藍之助) あれ? お母ちゃん?
     あっ、お父ちゃんも!
惣兵衛) おお、藍之助。
よの) お帰り、藍之助。
    あっ、そや。今日は、あんたらも、久しぶりに
    親子で話していかはったらどないだすやろ?
    なぁ? 入って。入って入って!
はつ) すんまへん。お邪魔致します。
よの) どうぞ。
はつ) へぇ。


**********

うめ) ほな、お言葉に甘えさしてもろて。
新次郎) うん。ゆっくり、休んどくなはれ。
うめ) へぇ。
あさ) おおきにな、うめ。


久しぶりの、
親子3人で過ごす、夜でした。

**********

確かにあさはデリケシイが著しく欠けている人だとは
思うけれど、千代もまた、あさに対しては恐ろしくデリ
ケシイに欠ける発言をしていると思うのだけれど…w
お見舞いの品に囲まれて、生きてるのにお葬式みた
いだと言うあさも、ちょっとぐらいは痛い目に遭った方
がいいと言う千代も、似た者同士、言霊をもっと気に
しようよ!って、視聴者にツッコミをさせたいのかな?
でもホント、私も常日頃、言霊はあると思っているの
で、嫌な言葉を言い捨てしないように気をつけている
方だけれど、ついつい、やらかしてしまう事もある訳
で…。できれば、いい事が起こるように、いい言葉だ
けを口にしたいものです。千代も、後悔しないように、
親の悪口を言ったらあきまへんで~! あさも、笑え
ない冗談を言ったらあきまへんで~! そう考えると、
新次郎はいつも、人にやさしい言葉を口にするお人。
ほんにほんに、言霊のご利益を知るお人だすなぁと。

繊細な千代は、もう既に、包丁を見るだけでバクバク
してしまい、あさの事件がトラウマになっている様子。
バクバクしているところに、おそらくは運命の出会い。
あきらかにザコキャラとは思えない、啓介さんが現れ
ました。新たな恋バナが始まりそうで、久々に萌えが
見られそうな予感。大人の恋の後は、若者の恋…?
思った以上に、亀助の存在にほっとするというか、加
野屋の面々も、亀助の存在に救われている感じが伝
わってくるのが嬉しい。これぞ、積み重ねてきた日々
が効いてくる朝ドラの醍醐味。丁寧にキャラが描かれ
てきた証。みんな大好きだ~! イケメンじゃなくても、
萌えはちゃんと感じてるよ、亀助はん! あさとはつ、
それぞれに…久しぶりの親子水入らずの夜。どんな
お話が待っているのか、和解があるのか楽しみです。


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