「あさが来た」第119回~銀行の悪い噂、ひねくれ者の娘、話がしたいあさ | 日々のダダ漏れ

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「あさが来た」 第119回
第20週 「今、話したい事
銀行の悪い噂、ひねくれ者の娘、話がしたいあさ


あさが思い描いていたとおり、
日本中に大きな影響力を持つ、
大隈の賛同を得てからというもの、
東京での協力者集めは、
順調に進みました。


絹田) よっしゃ。また協力者が増えましたね!
成澤) 白岡あさ。なんてお人だ!


**********

しかし…

あさ) ただいま! ん? どないしたんだす?
    みんな浮かへん顔して…。
新次郎) お帰り。
榮三郎) お姉さん、困った事になりました。
あさ) え?


**********

あさ) どないな事だすのや?
榮三郎) お姉さんがおなごの教育に夢中になって
     るいう話が、もう広まってしもてましてな。
平十郎) それはほんまの事やから、しかたないとし
     て、この銀行のたくさんの儲けを、その事業
     に回すと、悪い噂が立って…。
あさ) 誰がそないな事を?
榮三郎) 「大事なお金預けてるいうのに、おなごの
     大学校なんかに使われてたまるか!」言う
     て…預金してるお客さんが、ぎょうさん取り
     引きやめに来てはんのだす。
あさ) そんな…。そやけど、東京では、大隈様やよ
    うけなお方が、こらえらい大事な事業や言う
    て、協力する言うてくれてはりますのやで…。
榮三郎) 東京では、どないなってんのか知りまへん
     けど、大阪では、事実こないな事になってま
     すのや。
平十郎) 奥さん、前から言おう思てました。
     成澤さんは、立派な教育者かもしれません。
     そやけど、私の目から見たらあのお方は、
     一銭もこの銀行に、お金を預けてません。
     融資をする予定もない。この、加野屋の商
     いにとって、何の関わりもないお方です。
     おなごの大学校に、
     力を入れているのは、奥さんの道楽です!
あさ) 道楽…。
平十郎) そんな事に、もともとない時間を使って、
     お金も使って…そんな事続けられたら、
     私らはかないません。
あさ) せやけどうちは…。
新次郎) あさ。
あさ) すんまへん。
    迷惑かけてしもて、ほんま堪忍だす。
    うち、ちょっと店見てきます。
榮三郎) あっ、いいや、お姉さん。この話が落ち
     着くまで、しばらくは、店の表に顔を出さ
     んといてもらえますか。店にためだす。
     どうか、頼んます。
あさ) 分かりました。
     

**********

千代) お母ちゃん?
あさ) あ…千代。帰ってましたんか。
千代) へぇ。連休で休みも長う取れたさかい、3日前
    から帰ってきてます。それに、お父ちゃんがそ
    ろそろ先の事を、お母ちゃんと一緒に考えよて。
あさ) そうだすか…。うちは、ずっと思うようにさして
    もらいました。あんたもそないしたらよろし。
千代) そうだすか…。
あさ) ゆっくり、後で話聞きますさかいな。

(回想)
宜) その事故が起きた頃、炭坑の仕事に打ち
  込まれへんかったのは、赤ちゃんができて、
  大阪にずっといてたさかいなんやて。
  きっと、千代ちゃんの事やな。

あさ) お母ちゃんなぁ、商いが好きなんだす。

千代) せやなぁ。思うようにしてきたんやろな。
    そやのにうちなんかが生まれてしもて。
    そらえらい迷惑かけてしまいましたわ。
あさ) 何言うてますのや?
千代) いてへん方がよかったて、
    思てはりましたんやろ?
    うちが足手まといやて…。子供さえいてへん
    かったら、もっと大好きな仕事に打ち込めて、
    失敗なんかする事ものうて、自由に働いたり、
    学んだりできたのになぁて。もう心配しはる事
    あらしまへんよって。もううちかて、お母ちゃ
    んなんか必要あらしまへん。卒業したら、お
    母ちゃんの言うように、好きに生きさせてもら
    いますさかい。
あさ) 待ちなはれ。待ちなはれて!
千代) 痛い。やめてぇな!
あさ) ええか? あんたを足手まといやなんて思た事、
    いっぺんもあらしまへん。あんたがまだお乳飲
    んでる頃に置いていった事かてあるし。初めて
    しゃべったり歩いたり…そない大事な時にそば
    にいてられへんかった事もある。申し訳あれへ
    ん思た事はぎょうさんあるけど、後悔した事な
    んか、あらしまへん。それはそれがうちの選ん
    だ道やさかいだす。
千代) 分かってます。分かってますわ! せやさかい、
    つまり、いつも娘より仕事選んではったいう事
    だすやろ?
あさ) そない思うねやったらそない思てたらよろし。
    このひねくれ者が。
千代) ひねくれ者やて?
あさ) あんた言い訳にして仕事手ぇ抜いて、
    「ややこがいてたさかい失敗しました。
    すんまへんなぁ」言うてる方が、よっぽど
    あんたに失礼と違いますのか?
千代) そんなん…
    家空けて仕事したい女の言い訳や。
あさ) 何でいつもそないなふうにしか取られへん
    の? お母ちゃんが、あんたをどない大事に
    思てるか…! あんたがいてるさかい頑張ろ
    思う事はあっても、足手まといやなんて思う
    事があってたまりますかいな! せやのにい
    てへん方がよかったやて? 甘えなさんな!
    あんたがなぁ、まだ小ちゃい子供やったら、
    「ごめんな、ごめんな。お母ちゃんいつも置
    いていってほんまごめんな」言うて何べん
    でも謝るけど。もうええ大人やあらしまへん
    か? いつまで自分甘やかしたら気ぃ済み
    ますのや!
千代) せやなぁ…かいらし娘やのうて、
    そらえらいすんまへなんだなぁ。
    せやけど…ず~っと甘えさしてくれへん
    かったんは、お母ちゃんやんか!
よの) 何だす!? 2人で大きな声出して。
あさ) 千代!
よの) あささん。ちょっと、一人にしといたらよろし。
    その方がよろし。
あさ) お母様、そやけど…。
宜) アワワワワ…! アワワワワ…!
  す…すみません。
あさ) あなたは?
よの) ああ…今な、うちに泊まってもろてますのや。
    千代の女学校のお友達でな、お名前は…。
あさ) ひょっとしたら、宜ちゃん?
宜) はい…! アワワ…。
  怪しい現れ方してしもて、ごめんなさい。
  今、憧れのお人に会えた喜びと興奮と、
  自分の罪深さに、こう、三方板挟みにな
  っていると申しますか…。
あさ) 罪深さ?
宜) すいません。千代ちゃんがあないな事言いだし
  たのは、うちが余計な事言うてしもたさかいです。
あさ) へ?

**********

萬谷) おい。いつもいてる奥さん出したって。
弥七) それが今日はいてしまへんのだす。
佑作) どうぞお引き取りを。
萬谷) 昨日もいてへんかったやないか。
    お前ら隠しとんねやろ!
弥七) いやいや、せやさかい、
    まだ東京から帰ってきてない…。あっ!
萬谷) はぁ~せやったなぁ。東京まで行って、
    おなごの大学校か何たらいうくだらん
    もんに力使たはんねんてなぁ! そんな
    くだらんもんに使う金あんねやったら、
    わしに何で貸してくれへんのや!
弥七) せやさかい、
    それとこれとは話が別だして!
萬谷) そうかお前ら、わしは死ね言うんやな?
    お前らわしの一家もろとも、殺す気やな!
    皆さん! この銀行やってる名物女の白岡
    あさっちゅうんは、ろくでもないおなごだっせ!
    昔なじみのわしにはちょっとの銭も貸さんと、
    おなごの大学校か何たらいうどうでもええ事
    に、皆さんの大事な銭使てますんやで!
平十郎) またこの男かいな!
弥七) 萬谷さん、どうかやめとくなはれ。
萬谷) うるさい!
    こんな銀行な、もう長い事おまへん。
    じきに潰れますさかいな。こんなとこに
    お金預けたらあきまへんで! なぁ!
平十郎) 萬谷さん。
萬谷) お前は要らんねん。なぁ、ねえちゃん。
サカエ) キ…キャ~!
萬谷) ここのおなごはんは、あの奥さんからえらい
    教育受けてますのやろ? フッ。客喜ばしてく
    れなぁ。イタタタタッ! 何すんねん!
新次郎) 痛おましたら堪忍だっせ。
     せやけど、なんぼ昔なじみでも何でも、
     おなごに手ぇ出すいうのは、やっぱり
     ちょっと許されしまへんな。
萬谷) 放さんかい! チクショー!
    放してくれ。放せ…放せ!
一同) あ~っ!
平十郎) 大丈夫ですか?
萬谷) あ…ああ…。
新次郎) 萬谷さん。
     わてはなぁ、大概の事は、そない気になれ
     へんのだすけど。2つだけ、どないしても、
     腹に据えかねる事がありますのや。
     それはな、男がおなごに手ぇ上げる事と、
     わての嫁さんに、
     的外れの悪口言われる事だす!
萬谷) 何やと!
新次郎) 帰っとくれやす!
萬谷) クソ…!
弥七) はいはい、行きまひょ行きまひょ!
    こっちだす! こっち。はいはい。

**********

あさ) 千代。またそないぎょうさん買い物して。
千代) お母ちゃんに、関わりあれへん事だす。
あさ) 千代…。
    お母ちゃん、あんたともっと話がしたい。
    お母ちゃんなぁ、あんたと話したい事が
    ぎょうさんありますのやで。
    あんたが小ちゃい頃の事や、お父ちゃん
    の事や、おじいちゃんの事や…。
千代) うちは!
    お母ちゃんと話する事なんかあらしまへん。
    そないなもん、あれへんさかい。


**********

(物音)
(包丁を持った萬谷としゃがみこんでいるあさ)
千代) へ?
あさ) 千代…。
萬谷) 自業自得じゃ…! はっ、は、は…。

(逃げて行く萬谷)
千代) お母ちゃん?
    (大声で) 嫌や、お母ちゃん!
新次郎) 千代。
千代) お父ちゃん。
    お母ちゃんが…お母ちゃんが!
新次郎) あさ…? あさ。あさ!
     しっかりしぃ! あさ!


**********

互いに想う気持ちはあれど、それがちゃんと伝わらな
いまま今に至ってしまったこじらせ母娘。千代の態度
は、恵まれた生活をしているだけに、腹が立つけれど
も…。こればっかりは、性格というか、個人の感じ方と
いうか、状況を「理解する」ことと…「感じてしまう」こと
は別ものだから…。だって千代は、ずっと寂しくて、確
かに周りに人はたくさんいたかもしれないけど、「お母
ちゃん」に居てほしくて、甘えたかったんだよね。そう
想う気持ちは、どんな環境であろうと、そう感じてしま
う気持ちというものは、否定することはできないと思う。
思えば…堪忍といつも先に謝られて、寂しいと、行か
ないでと、千代は素直に言えなかったような気もする。
諦めて、強がっているうちに、こじれちゃったんだろう
ねえ…。気が付けば、もう、母親が恋しいと素直には
言えなくなって…悪態をつくことしかできなくなって…。
神の視線でドラマを観ている私たちには伝わっていて
も、千代目線で見れば、愛情が伝わるような、愛情表
現をあさが千代にしていたとは思えない。親の背中を
見せていれば…と言われても、誰もが親の気持ちま
で理解できるわけではないし。エスパーじゃないかぎ
りは、ちゃんと言葉にして伝えないと伝わらないから。
まさに、コミュニケーション不足。忙しすぎて、ちゃんと
話をしていないのだから、伝わるものも、伝わらない。
千代がこじれてしまったのは、ある意味あさの自業自
得。ビジネスの相手なら、根気強く向き合うはずなの
に、娘ということでちょっと甘えが出てしまったのかも。
まあ、千代は贅沢者だとは思うけれども、ちょっと、千
代にもね、気持ちを爆発させてあげたいといいますか。
いっぺん素直に今までの毒を吐いてしまえばよろし!
大好きを大嫌いとしか言えないままじゃ可哀想すぎる。
親孝行もお話も、できる相手がいるうちに…って思い
しらさせるエピソードとしてはハード過ぎる展開ですが。

あまりに深刻すぎる展開の中で、期待していたあさと
宜のご対面シーンを楽しみきれなかったのが残念…。
アワワワ…とアワアワする宜ちゃんに萌えたかったの
に! 直前シーンがシリアス過ぎて堪能できず…無念。
その分、「びっくりぽん!」が7つぐらいのびっくりぽん
だったのが、男らしい新次郎! 何?何? 能ある鷹は
爪を隠す? ホントは強い、男らしい人だったの~!?
まあ、アル中の老人ぐらいはさすがに何とかできるっ
てところが真相かもしれないけれど…久々に萌え!!
男前でかっけえ新次郎にびっくりぽん、どっきりぽん!
そして、新次郎にドキドキしてすぐに、別のドキドキが。
流血の様子はなかったけれど…。まさかのみねうち?
なんてことはないだろうけれど、顛末が気になります。


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●「あさが来た」HP


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