「あさが来た」第109回~あさと新次郎初めての旅・・・和歌山のみかん畑へ | 日々のダダ漏れ

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「あさが来た」 第109回
第19週 「みかんの季節
あさと新次郎初めての旅・・・和歌山のみかん畑へ


あさは、加野銀行で、
女子行員候補の採用を始めました。
その目論見は成功し、明るくなった銀行には、
より多くの客が詰めかけるようになりました。

あさと新次郎の一人娘の千代は、
寄宿舎のある京都の女学校に、
入学する事となり、
加野銀行で働きたいと
家出をしてきた藍之助は、
はつと供に和歌山へ帰っていきました。


新次郎) たまには、旅にでも行かへんか?
     和歌山なんか、どないだす?
あさ) そうだすなぁ。ええ考えだす!
    行きまひょ、旦那様!
新次郎) よっしゃ。

あさと新次郎、初めての旅です。


**********

うめ) ほんまにご一緒せんとよろしおますのか?
あさ) へぇ。うち、旅は慣れてますし。
    それに旦那様が言いはりましたのや。
    たまには夫婦水入らずで、どないやてなぁ。
うめ) まあ、そないな事だしたら、
    お邪魔しても何だすけどなぁ。
あさ) そやろ。それに千代も、
    週末の休みまで帰ってけぇへんし…。
    うめもたまには、ゆっくり休んどくなはれ。
うめ) そない言わはりましても。うめはおあさ様たち
    のお世話あらへんかったら、一体何したらええ
    か分かれしまへんのだす。それに女中の手も
    足りておりますし…。
あさ) そないな事言わんと…て言いたいけど。その
    気持ちよう分かります。旦那様は、休みいうた
    ら一日中遊ぶなり、ダラ~ンとするなりしてた
    らええ言いはりますのやけど。そないな事うち
    時がもったいのうてようしまへんさかい…。
うめ) ほんまだすなぁ。ダラ~ンてなぁ?
あさ) なぁ?


**********

新次郎) あんたら、どこまで働き者だすのや?
     ええお天気だすなぁ。
あさ) せやけど、何や昨日も胸がドキドキして
    しもて寝られへんかって…。お商売の絡 
    まへん旅が初めてやさかいやろか?
    それとも旦那様と2人の旅が、
    初めてやさかいやろか?
新次郎) ほんまやなぁ。あさは今まで、五代さんや
     亀助と何べんも旅してたいうのに、わては、
     ずっと置いてけぼりだしたさかいな。
あさ) おおきに。
新次郎) それに、さっき、ドキドキして寝られへん
     かった言うたけど、わてより先に寝たはり
     ましたで!
あさ) ほんまだすか!?
新次郎) ほんまだす。まあええわ。
     行きまひょ。ハハッ。
あさ) ほんまにほんまだすか?
新次郎) へぇ。ほんまだす。


こうして、あさと新次郎は、
船で大阪から、和歌山の有田に渡り、
はつや惣兵衛のいる、みかん畑へと向かいました。

**********

あさ) はぁ~やっぱり風の匂いが違てますなぁ。
    雨降ってへんでよかった。船でパラパラ降っ
    てきた時はどないしよか思いましたわ。
新次郎) わてが楽しみにし過ぎたさかいな。
     う~寒! はぁ…どっこも風よけるとこあれ
     へんがな。やっぱり温泉寄ってから来たら
     よかった。
あさ) はぁ、温泉なぁ。そういうたら忠隈山から
    そない遠ないとこに、ええ温泉が湧いて
    るて亀助さんや坑夫のみんながな…。
新次郎) あ~っ、もう!
     亀助や坑夫の話はやめてんか。
     ええか? あさ。今はわてら夫婦初めての
     旅だす。炭坑や銀行の事とか、不粋な事
     は一切考えたらあきまへん。
あさ) へぇ。
新次郎) それからなぁ、お姉ちゃんとこ行くから
     いうて、よそ様の子供の将来の事、口出
     すやなんて事は…。
あさ) 分かっております。な~んも、言わしまへん。
新次郎) うん。それやったらよろし。
男の子) 何な? あれ。どこの者よぉ?
男の子) おっかし格好して歩いちゃあるで!

(笑い声)
男の子) ほんまじょ! 養にいちゃん!
     養にいちゃんも見てみいなよ!
養之助) 何や? へ? 何や、何や…!?
     あ…ほんまじょ!
     腰にミノムシぶら下げちゃあるでぇなぁ!
新次郎) そない言われたら違いあれへんわ。
惣兵衛) こら! お前ら、道草食うてんと早いんで
     お父ちゃんお母ちゃん手伝わんかいな!
3人) はい。
惣兵衛) お前も、今日は早帰れて
     お母ちゃんに言われたたやろが。
養之助) アイタタタ!
惣兵衛) あぁ?
養之助) 堪忍、堪忍!
あさ) 惣兵衛さん?
惣兵衛) あ? 妹さん…? おおっ、新次郎さん!
新次郎) やぁ、惣兵衛はん!
惣兵衛) やぁ! ようよう会えたがな。
新次郎) えらいたくましええ男はんになりはって。
     たまげましたなぁ。
あさ) なぁ。
惣兵衛) おまはんこそ何や…
     あんたはちょっとも変わりまへんなぁ。
新次郎) へぇ。
惣兵衛) 羽振りのええ事で。はぁ…。相変わらず
     あんたの嫁さんは、変わってますなぁ。
新次郎) は?
惣兵衛) そないミノムシみたいな格好して
     この辺歩いてたら、おなかすかした
     小鳥に、つっつかれるで。
あさ) え!? そら困ります!

(笑い声)
新次郎) そらあかんなぁ。

**********

惣兵衛) ただいま。来はったで。
はつ) やぁ、あさ!
あさ) お姉ちゃん!
はつ) よう来てくれましたなぁ。
    新次郎さんも、ようこそ遠いとこまで。
新次郎) いいや。
     山王寺屋さん、どうも、お邪魔致します。
栄達) どうも、加野屋さん。
    やぁ、山王寺屋やなんて、久しぶりに、
    言われてしまいましたわ。
菊) ほんまだすなぁ。ほんまに…まああの…
  それがその、洋服いうのだすか?
あさ) へぇ。
菊) へぇ。
藍之助) あっちの部屋、拭き終わったで~。
     あっ、ようこそです! 社長にあさおばさん。
あさ) やぁ、藍之助! 元気そうだすなぁ。
栄達) しゃ…社長?
惣兵衛) そやねんで、お父ちゃん。新次郎さん
     今な、加野屋の新しい会社の、社長さん
     してはりますのや。
栄達) こらこらえらい景気のええこって。
    うちなんかもう新聞も取ってませんさかい。
    世間様の事に疎うてもう…。
新次郎) いいや。わてなんかちょっともそない大し
     た事あれへんのだす。偉いのは、嫁さんで。
あさ) 何言うてはりますの!
    はぁ~ええ匂いしてますなぁ。
養之助) そやろ! お母ちゃんの作った、サバの
     かき混ぜ飯は、ほんまおいしいさかい。
     いっつもみんなで取り合いや!
はつ) あんたはまたつまみ食いして。
    今日はようけ作ったさかい、心配せんとたん
    と食べなさい。それよりあんた、新次郎さんも
    あさおばさんも会うの初めてやろ?
    ちゃんとご挨拶しましたのか?
養之助) どうも、養之助です。
はつ) もう…男の子て愛想ないやろ。
藍之助) 僕は愛想あるで。
惣兵衛) 自分で言うか?
菊) ほんまや。
栄達) 惣兵衛はほんま悪かったもんね。

(笑い声)

**********

あさ) はぁ~こらよろしなぁ。
はつ) こないな着物実業家の奥さんに
    着せてしもてええのやろか。
あさ) おおきに。助かります。


**********

養之助) ミノムシみたいや言うて。

(笑い声)
新次郎) はぁ~こらおいしいこと。
栄達) え? ハハハ! お気に、召しましたか?
新次郎) へぇ。この味は大阪では、
     お目にかかられしまへん。
栄達) おおきに。
養之助) 今日は具もぎょうさん入ってるしな。
惣兵衛) 余計な事言わんかてええ。
菊) 私は大阪のおすしが食べたいわ。
惣兵衛) お母ちゃんも余計な事言わんといて。
栄達) ほんまやで。

(笑い声)
藍之助) 加野屋の皆さんは、お達者ですか?
新次郎) へぇ。相変わらず、
     にぎやかにやってまっせ。
藍之助) そうですか。商売繁盛でよかった。


**********

はつ) なぁ、あさ。ひょっとしたら、藍之助の事が
    心配で来てくれたん? こないだうち大阪で、
    恥ずかしいとこ見せてしもて…。
あさ) いいや。恥ずかしいとこやったら、生まれて
    この方、うちの方がよっぽど見せてます!
    これは、うちと旦那様の初めての旅や。
    お姉ちゃんたち一家に会いたかっただけだす。
はつ) そう? おおきに。


**********

倉掛) あるか?
    お…こら今日もまたにぎやかな事で。
菊) まあ、庄屋さん! こんばんは。
倉掛) ごはん食べちゃんのかぇ。邪魔して悪いよ。
惣兵衛) 邪魔やなんてとんでもない!
     藍之助、養之助。
2人) はい。
惣兵衛) 新次郎はん。
新次郎) へぇ。
惣兵衛) こちら、村の世話役の、倉掛さんや。
     親類が泊まりに来る言うたら、
     布団貸しちゃある言うてくれはってなぁ。
新次郎) 倉掛様、おおきに。お世話になります。
     わてが義理の弟の、新次郎だす。
倉掛) ほならおまんさんがあの、
    大阪の加野銀行の旦那さんかいの?
新次郎) へぇ。
倉掛) やぁ、こないだ奥さんの記事
    新聞で読みましてな。
新次郎) おっ。
倉掛) これよ。
    「偉大なる、婦人実業家、白岡あさ女史」て。
    そんな家が、親戚筋なて聞いちゃあ、
    びっくりしちゃあてよ。
はつ) お待たせしました。
    まあ、こんばんは、倉掛さん。
倉掛) はつ先生。
あさ) はつ先生?
栄達) ああ、はつと菊はな、この倉掛さんの家で、
    お琴、教えさしてもろてますのや。
はつ) そうだすのや。ほんまお世話になってしもて。
倉掛) うんにゃ。そんな世話になっちゃあるなんて
    言わんといてよ。

**********

倉掛) わしはよ、この眉山の一家は、徳川様の
    ご威光が消えてしもたこの有田に、再び
    降り注いだ一筋の光よ思うちょります。
新次郎) ほう。光だすか。
倉掛) 十何年か前に、いきなりおいでた時は、
    がいな一家や思いやったけども。旦那 
    さんたちは頼りになるし、奥さんたちは
    学があって…美しい!
菊) 嫌やわ。またそないな事言いはって。
倉掛) うんにゃ、うんにゃ。ほんまの事じょ。その上、
    この藍之助はほんま賢い子や。うちの学校の
    先生も、「このまま村に置いちゃあるのはもっ
    たいない。世が世なら、お殿様に仕えちゃあっ
    たはずや」そう言うちゃあったで。
あさ) へぇ、そうだすのか。
倉掛) 今、和歌山のみかんは、正念場を迎えちょり
    ましてなぁ。徳川様の時代には、紀州みかん
    はもてはやされてた。御三家紀州様の後ろ盾
    もあってな。
新次郎) そうだすなぁ。
倉掛) それが時代が変わって、後ろ盾ものうなって
    しもたよって。東京の問屋に、がいな扱い受け
    てよ。
惣兵衛) 一つ腐ったみかん入ってたいうだけで、安
     う買いたたかれてやで。「有田の、みかん作
     りは、東京問屋の小作人や」とまで言われて
     しもて。悔しいこっちゃねん。
あさ) それは…きっと、おみかんの売り方や儲けの
    配分が、東京の問屋にええようにされてしもて
    るさかいだすなぁ。今すぐその仕組み変えるの
    は難しいにしても、もし、誰か、村から東京に
    派遣して、問屋の言うなりやのうおみかん売る
    事ができたら…。

(口をつまんでみせる新次郎)
新次郎) ん。
あさ) ん?
新次郎) ん!
あさ) はっ、堪忍。つい、この口が…。
    よそ者が余計な事言うて堪忍だす!

(口をつまむあさ)
はつ) 相変わらずやなぁ、あんたは。
惣兵衛) せやな。ほんま変わらへんわ。
倉掛) いや、この一家見てても分かるように、
    やっぱり、こいからは百姓にも知識がの
    うてはあかないしょ。そやってうちも、息
    子らは東京の学校に、やっちゃある。い
    ずれ、その息子らと、この藍之助君で、
    この村を背負てもらいたいと、そう願て
    おりますのや。なぁ、藍之助。
藍之助) はい…。
倉掛) 頼りにしちゃあるで。
    もう突然のうなって、大事なお母ちゃんに
    心配させたら、あかなよ。なぁ、はつ先生。
はつ) へぇ。


あさは、はつの心の中が、
気になっていました。


**********

ゆっくり休んでと言われても、何をしていいのかわか
らないと言ううめと、同じくダラ~ンができないあさ…。
たまにいるよね。動き続けていないと死んじゃうんじ
ゃないかって、独楽のような働き者タイプのお方…w
休まないと…一定期間ダラ~ンしないと死んでしまう
タイプの私には、独楽タイプの人はまぶしすぎる存在。

あさと新次郎の初めての旅、いわば新婚旅行は船旅。
大阪から和歌山へは船を使うんですね~なるほど~。
みかん畑が新鮮。いえ、生でみかん畑を見たことがな
いもので、ちょっとみかん畑には憧れがあったりして。

あさの洋装姿は、田舎の子供たちにはミノムシに見え
るらしく…。つまりはミノムシをよく見かける環境って事
だよね~w 私も田舎育ちだけれど、ミノムシは図鑑で
しか見た事がない。というより、そもそも虫が苦手だっ
たりしますが。たくましく男ぶりがあがったと褒める新
次郎に「あんたはちょっとも変わりまへんなぁ」と返す
惣兵衛。テヘペロなお顔の新次郎に萌え。久しぶりに
幼なじみに会えた嬉しさが伝わって、見る側も嬉しい。
ミノムシみたいな恰好のあさが、お腹のすいた小鳥に
つっつかれるで~なんてメルヘンな惣兵衛のセリフも
花子とアンに出てきた童話を思い出させてくれて萌え。

はつのおいしそうな手料理も、貧しいながらも温かい
食卓も、庄屋さんが出てくるところも花アンにかぶる。
そして庄屋さんに何気に村の将来を期待される藍之
助が、「あまちゃん」で海女になることを期待された春
子に見えたよ。おら、大阪に行って商人になりてぇ~
という藍之助の心の叫びが聞こえてきそうだった。夏
さんが春子を送り出したように、春子がアキを送り出
したように、はつもまた…藍之助を送り出すのかな?

山王寺屋の家族が、大阪にいた時よりもずっと穏や
かで、やさしい笑顔になっているのが、幸せな時間を
過ごしてきた事を感じさせてくれてちょっと嬉しかった。
でもね~人には向き不向き、そして違う夢がある~!
商人より百姓が性に合った惣兵衛。百姓より商人の
方が性に合いそうな藍之助。彼にも、行きたいところ
に行けるチケットが手に入ればいいね。和歌山にあ
さが来た! なかなか新鮮な絵面で楽しみです(*^^)v


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●「あさが来た」HP


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