「あさが来た」第92回~加野屋がかっぱになる時・・・雁助の決断は? | 日々のダダ漏れ

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「あさが来た」 第92回
第16週 「道を照らす人
加野屋がかっぱになる時・・・雁助の決断は?


友厚) もし、私が死んだて、
    五代が作った大阪は残ります。


あさの胸に、小さな不安が、生まれました。

**********

その頃、加野屋では…。

榮三郎) 雁助。正直な気持ち、聞かしとくなはれ。
     今でも店は、銀行にせぇへん方がええて、
     思てはるか? ちょうど、2年前やったか、
     五代さんが言うてはりましたのや。


(回想)
友厚) 銀行に変われへん両替屋は、いずれ消えて
    無くなる。これは、あささんの考えが正しい。

榮三郎) 銀行というお商売はまだ危ういて。そやけ
     ど、五代さんが言うてはったとおり、今はもう
     両替屋だけで残ってるとこは、みんな見る影
     ものうなってしもた。加野屋は、今からでも銀
     行を作るべきなんやないやろか?

(回想)
正吉) みんなで、この加野屋ののれん、
    大事にしてな。


雁助) ここがわての潮時だすのやろな…大旦さん。
榮三郎) え?
雁助) いいや、わては…。
    わても、今は榮三郎さんの言うとおりや思いま
    す。加野屋は、この大阪財界に250年の重き
    をなす老舗だす。両替屋の時代が終わったさ
    かいいうて、お金を扱う仕事をやめてしまうい
    う事はあってはならんことだす。
榮三郎) それやったら…。
雁助) のれんを守るためだす。銀行に致しまひょ!
榮三郎) 分かった。お姉さんに言うてきます。


**********

よの) 今、銀行にするて、言うてましたかいな?
かの) 女子衆に知らせてこな!
千代) 何がえらい事やの?
新次郎) さあなぁいよいよ加野屋にも、
     新しい朝が来る、いう事だすやろなぁ。
よの) 何をひと事みたいに、もう…。

(笑い声)

**********

クマ) この店もいよいよ銀行いうのになるて?
弥七) 銀行になったら、
    わてらどないなってしまうんやろか…。
ツタ) 女子衆は、辞めさせられるて、ほんまやろか…。
佑作) 男の衆は、銀行員いうのになるみたいやで。
弥七) 銀行員? 何や、はんこみたいな名前やなぁ。

加野屋が、
銀行になるという噂話で、
店の者たちはあっという間に、
大騒ぎとなりました。


雁助) ほら、無駄話してんと仕事しなはれ。
三人) へぇ!

(雁助を見つめるうめ)
うめ) 番頭さん…。

**********

あさ) お母様。
    えらいお騒がせしてしもて、すんまへん。
よの) へぇ。それで、加野屋がその銀行とやら
    になるいうのはほんまだすのかいな?
榮三郎) へぇ。番頭のみんなとも話しして、
     これからこの加野屋は、銀行設立に向
     けて、動き出そういう事になりました。
よの) はぁ、そうだすのか。
    雁助も納得してますのやな?
榮三郎) へぇ。もちろんだす。
よの) 分かりました。それやったら榮三郎、
    あんたこれからお父ちゃんの墓前に、
    それ報告してきなはれ。銀行いうのの
    話はお父ちゃん、生きてる頃から度々
    気にしてはりましたさかいなぁ。
榮三郎) へぇ。分かりました。  
よの) …で、あささん。
あさ) へぇ。
よの) うちな、よう分からしまへんのやけど、その、
    加野屋が、両替屋から銀行とやらになったら、
    一体これから、何がどないなふうに変わりま
    すのや?
かの) ほんにほんに。みんなそれが心配で…。
あさ) 両替屋と銀行の一番の違いは…う~ん、
    銀行は、カンパニーや、いう事だすやろか。
よの) かっぱに?
あさ) へぇ。つまりお父様が言うてはったところの、
    カッパになるのでございます。



よの) カッパになる…?
あさ) へぇ。今までみたいに、雇い主が働き手の
    みんなと暮らして、面倒見るいうのやのうて、
    働き手一人一人にお給金払て、みんなはそ
    のお給金で暮らすいう事になって…。
よの) へ? もう一緒に暮らさへんいう事だすか?
あさ) へぇ。そないなります。住み込みの女子衆
    以外は、別の家に住んでもろて、朝になった
    らお店に来て、夕方になったら帰ってもろて、
    いう事になるて。
かの) はぁ~そら寂しおますなぁ。
よの) ほんまやなぁ。へ?
    …で、みんなのご膳はどないしますのや?
あさ) 朝ごはんも晩ごはんも別々で、みんなおの
    おの自分で用意するいう事になるのや思い
    ますけど。
よの) はぁ…うちの男衆に
    そないな事ができますやろか?
かの) ほんにほんに。
あさ) そうだすなぁ。しばらくは通いか住み込みか、
    みんなそれぞれ選んでもろた方がよろしおま
    すやろなぁ。
よの) そうだすなぁ。
あさ) お母様。大事な事気ぃ付かしてくれはって、
    おおきに、ありがとうございます。
    それからもう一つ…。
よの) はぁ?
あさ) 石炭の商いが思てた以上に大きなってしまい
    ましたさかい、これもまた近いうちにカッパ…
    いや、会社にせなあかん思てます。
よの) ああ…そら、どないな事なんだす?
あさ) 我が加野屋も、銀行だけやのうて、
    新しい会社作ろ思て…。
    う~ん、つまり…こないやったもんが、



あさ) こないなるいう事だす。



よの) こないに?
かの) はぁ~なんと立派な…。
あさ) へぇ。それで、こっちの主な方は
    榮三郎さんにお願いするとして、こっちの、

    新しい会社の社長なんだすけど…。



よの) 社長?
あさ) へぇ…。
    できましたら、こっちの石炭の方の社長は…。
よの) へ?

**********

宮部) そうですか。
    そんなら、炭坑の社長さんは予定どおり?
あさ) へぇ。当主の八代目にも、お母様にも、
    納得して頂きました。あとは…。
新次郎) ああ、ご苦労さん。
     今日お帰りだしたかいな?
宮部) へぇ。
あさ) あ…旦那様、よかった。大事なご相談が。
新次郎) ああ、そないな話してましたな。
あさ) 相談いうより、あれから日がたってもううちは、
    心決めてしまいましたさかい。
新次郎) 心決めた?
     …で、一体、何決めたいうんだす?
千代) お父ちゃん。うめがお話あるて!
うめ) いいや、お千代様! うちはそないな事…。
あさ) どないしたん?
うめ) はぁ…。


**********

うめ) あの…お店が銀行いうのになったら、番頭
    さんたちはどないなんのでございますか?
あさ) ああ! 雁助さんやったら、支配人になって
    もらうつもりだす。今まで以上に銀行のみん
    なをきっちり仕切ってもらおて思てますのや。
うめ) 支配人?
    でもそれやったら、のれん分けは…?
    すんまへん。出過ぎた事を。
新次郎) いいや。お父ちゃんの頃から、雁助には、
     のれん分けせな言うてたのに。そのままに
     なってしもてましたさかいなぁ。
あさ) 銀行には、のれん分けはあらしまへん
    のやけど、支店いう仕組みがおます。
うめ) 支店?
あさ) へぇ。商いがしやすいように、道頓堀や梅田、
    いずれは、神戸や東京にも、銀行の支店を置
    きたいて思てますのや。雁助さんには、その
    一番大きい支店の支店長になってもろたらど
    ないかて、榮三郎さんとも話ししてますのや。
うめ) 支店長だすか…。
新次郎) まあ、そやけど、
     それは、昔からののれん分けいうのとは、
     ちょっと意味が違てますのやろなぁ?
あさ) へぇ。そうだすなぁ。
新次郎) うん。
うめ) すんまへん。おあさ様。うちが、口出しする事
    やあらへんというのは重々分かってんのだす。
    そやけど、番頭さんは、きっとうちと同じように、
    お家や皆さんの事を大事に大事に思って、ず
    っとご奉公してきはったんだす。お願いでござ
    います。どうか、どうか、悪いようにはせんとい
    てあげておくれやす。

**********

あさ) うめがあないな事言うやなんて、   
    今までで初めての事だす。
新次郎) 古参の如才ない奉公人同士、どっか
     心通じるとこがありますのやろなぁ。
あさ) ひょっとして、のれん分けでけへん言うたら、
    出ていきたい言いはりますやろか?雁助さん。
    銀行になったら、ますます雁助さんが頼りや
    思てたのに…。
新次郎) けどなぁ、もしそないなったとしても、
     それが雁助の選んだ道やったら、そら
     止めたらあきまへん。あいつの人生だ
     す。今までさんざん犠牲にさしてしもた。
あさ) そうだすなぁ。商いはどんどん変えていこうと
    してるのに、雁助さんにだけ変わらんといて
    ほしいと思うのは、身勝手な話だすなぁ。
新次郎) まあ、そういうこっちゃ。
     雁助には、わてから話してみるさかい。な?
千代) また、銀行の話?
あさ) 堪忍。あんたにまで、銀行いう言葉覚えさし
    てしもた。そやけど…何や、難しいなぁ。
千代) そら、こら、お母ちゃんには、折られへんわ。
あさ) フフフ。そうやなぁ。
    大きなるいうのは、ほんま難しい事だすなぁ。

**********

その頃、五代は体にむち打って、
大阪の繁栄のために働いていました。

**********

うめ) あ…番頭さん。
雁助) もう、わての時代やあらへん
    いう事だすやろなぁ。
うめ) え?
雁助) わてが、そろばんばっかりはじいてる間に、
    時代がすっかり変わってしもた。今までみた
    いに、商いを一家みんなで守るいう考えが、
    のうなってしまいましたんや。
    「会社」やてなぁ…。
    何や響きが冷たいみたいな気ぃしますわ。
    わても年だけ食うてしもたんかいなぁ。
うめ) 番頭さんは、加野屋にはのうてはならんお方
    だす。八代目だけやあらしまへん。大奥様も、
    新次郎様も、おあさ様も、み~んな番頭さんに
    いてほしいて思てはります。もちろん…うめも。
雁助) なぁ、うめ。
うめ) へぇ。
雁助) わてと一緒に、この家出ぇへんか?
うめ) え…?

**********

雁助に相談し、同意を得た榮三郎は、加野屋を銀行
にすることを決断。まあ、時代の流れとしてはそうな
るよね。黙って取り残されて行くわけにはいかないし。
トップは常に、未来を、先の先を、見ていかないと~。

とはいえ、加野屋が銀行になることが、自分たちの生
活にどんな変化をもたらすのか、店の人間が不安に
思うのは当然のこと。お給料をもらって、そのお給料
を使って自分の裁量で自由に生活する事を、手放し
で喜べる人間はまだ少ないはず。住み込みのほうが
楽だと思う独身者は多いだろうし。よのとかのが寂し
がる気持ちも分からなくもない。それでも、加野屋は
いよいよ本格的に変わっていこうとしているようです。
今となっては、「のれん分け」したところで、両替屋に
未来はないわけで、銀行の支店長というのは、ちょう
どいい落としどころと思えるけれど…。時代の変化に
取り残されたというか…いつの間にか自分の時代が
終わっていたことに気が付いた雁助の選ぶ道は…?

わてと一緒に、この家出ぇへんか?

いきなりのプロポーズ(…なのか、いわゆるヘッドハン
ティングなのか…)が最後の最後にくるとは…。焦らし
方がイケズだわ~。雁助の、独立問題の行方は…?
まあ、某最凶最悪ブラック事務所のような事にはなら
ないでしょうけれど…。すみません。昨日からちょっと、
某ブラック企業への怒りが、頭から離れなくて…(怒)
ずっと会社のために尽くしてくれた人たちを、大事にし
ない会社は駄目になると思う。結局は、人なんだから。
雁助さんへの加野屋の誠意を見せてほしいものです。
とにかく雁助とうめを幸せにしてくれれば…ヨシ(*^^)v


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