「あさが来た」第75回~あさと大久保利通、アイスクリンとガス灯 | 日々のダダ漏れ

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「あさが来た」 第75回
第13週 「東京物語
あさと大久保利通、アイスクリンとガス灯


友厚) ここは東弘成館といって、大阪にある
    弘成館の、東京屋敷みたいなもんです。
うめ) ふ~ん。そやけどこれ、
    えらいお尻に優しいお椅子だすなぁ。
あさ) 弘成館いうたら、
    五代様の鉱山業の会社だすわな?
友厚) ええ。西から東まで多くの鉱山を買うた為、
    大阪だけでは手が足りんようになってしまい
    ました。そこで、東京にもカンパニーを作った
    次第です。
あさ) どのぐらいのお人が働いてはるんだすか?
友厚) そうですなぁ…
    ここだけ言うたら、200人ぐらいでしょうか。
あさ) 200!?
友厚) はい。
あさ) 五代様も、これからはやっぱり、東京で主に
    お仕事しはるおつもりなんだすか?
友厚) ええ?
あさ) 天子様かて、いつかはお戻りになると思て
    ましたのに。東京にお行きになったきりだす。
    今井の家かてそうだす。みんな、いつかは
    そないなってしまうのかな…て。
友厚) そうですなぁ。
    もし私がそうしていたら、もう少し、
    彼の役に立っていたかも分かりませんな。
あさ) 彼?
友厚) 実は、あなたに会わせたい人がいるんです。
    本当は、それが一番の目的で、
    あなたを東京にお連れした。
あさ) 会わせたい人?

(ノック)
三坂) 失礼します!
友厚) ご紹介します。
    こちらは内務卿、大久保利通殿です。
あさ) へ…大久保、利通様!
大久保) 初めまして。
あさ) はぁ。びっくりぽんや。

**********

あさ) うめ。うめ! びっくりぽんや。
    大久保利通様いうたら、あのお方やな!?
    あの、政府で一番偉い…。はれ? 寝てる…!

(笑い声)
大久保) 長旅でお疲れかな。
あさ) すんまへん。うめ…うめ!
友厚) よろしですよ。寝かせてあげましょう。
    私も実は昨日、ここでうたた寝して、
    家に帰らずじまいでした。
大久保) はは~ん。
     それでそんな、気の抜けた格好しよっとか。

(笑い声)
友厚) あなた様とは、立場が違いますよってに。
    それにしても、今日の格好は決まりすぎと
    違いますか? おヒゲも伸びすぎや。

(笑い声)
大久保) お前にはかなわんな。
あさ) あの…お二人は?
大久保) この、五代友厚君は、私の心の友です。
あさ) 心の友?
大久保) 善きあしき、人の上にて身をみがけ、
     友は、かがみとなるものぞかし。
     これは、我々の故郷、薩摩のいろは歌です。
     私とこれは、そのようにして、お互いをお互い
     の、鏡として、切磋琢磨してきた仲でしてな。
(寝ているうめに自分の上着をかける大久保)
大久保) まあ、私はこれとは違って、
     ほんの小禄でしたがね。
友厚) 何言わはります。
    今や、日本政府の実権を握る人物が。
大久保) 何の…。これだけ寝食惜しんで、
     日本のために尽くしているのに、
     すっかり嫌われ者だ。
あさ) そないだしたんか。五代様が、友を大事
    にされる事は存じておりましたんやけど。
    あなた様みたいな、頼もしいお友達が
    いてはりましたとは。
大久保) 友を大事に? この男が…か?
あさ) へぇ。何せお名前かて、友に厚いの、
    友厚様でございますよって。
大久保) なるほど。
     聞いていた通りの、興味深い婦人だ。

   
**********

大久保) 東京は、来てみていかがでしたか?
あさ) へぇ。まだ、ちょっと歩いただけだすけど、
    レンガ造りの建物や、新しい商いのお店が
    ぎょうさんあったり。立派な馬車や人力車
    がようけ通って。これが五代様の言うては
    った文明いうのやて、しみじみ思いました。
うめ) (小声で) 誰?
あさ) それにこのアイスクリン!
    こない素晴らしい文明があったとは…。
    文明開化、万々歳だす!
(アイスクリンを食べるあさ)
友厚) 豪快な食べっぷりですなぁ!
大久保) 東京はもう、江戸とは何もかもが違う。
     我々が東京を、政治、経済文化の中心地と 
     して発展させようとしてきたからです。しかし、
     大阪には、大阪にしかないものがある。それ
     は古くから、商いの町として栄えた、という歴
     史です。五代は、大阪商人の、知恵と経験、
     そして誇りこそが、世界と渡り合えるのだと、
     ずっと、そう主張しています。
あさ) 五代様が…。
大久保) 「大阪に、この国の未来が懸かっている」、
     とも。だから私が何度高官の席を用意して、
     東京に呼び寄せても来てはくれなかった。
     こやつさえいてくれたら、私も内務卿として、
     どれだけ助かった事か…。
うめ) 内務卿…今、内務卿て?
あさ) あ…うめ。やっとお目覚めだすか?
うめ) やぁ、まさか…
    ほなこれ、内務卿様の上着!?
あさ) そうだす。それにそのアイスクリンも
    大久保様が下さいましたんやで!
    早、頂きなはれ。溶けてしまいます。
うめ) 頂きます!
大久保) あささん。この男を、よろしく頼みます。
あさ) はい?
大久保) 大阪が大きく育ち、そしてほかの土地や、
     やがてこの東京とも一つになって、大きな
     経済を生み出す。日本が世界と、対等に
     やっていくにはそれしかない。そのために、
     これからも五代に、そして、いずれは、
     この私にも、どうか、力を貸して下さい。
うめ) おあさ様が内務卿様のお力て…!?
あさ) へぇ。分かりました。任しとくはなれ!
うめ) 何二つ返事で引き受けてはるんだすか!
    こんな大事な話を!
大久保) いいんですよ。さあ、あささん。

(あさに手を差し出す大久保)
あさ) あっ、これは…シェークハンドだすな?
大久保) ほ~う。シェークハンドをご存じでしたか。
     これは、イギリス紳士の挨拶ですよ。
あさ) へぇ。友情の証しやて聞きました。

(大久保と握手するあさ)
友厚) おう!
うめ) あらま…。
大久保) おっと。なかなか力がある。
あさ) 大久保様、おおきに。うち、頑張ります。
    大久保様が政府にいて下さいますのやっ
    たら、日本のこれからは、明るいのやない
    か、いう気がしてきました。
大久保) え?
友厚) 私もそう思いますよ。内務卿殿。
    あなたこそ、これからや!
大久保) ハハハ! ありがたい。そのような温かい
     言葉を聞くのは久しぶりだ。身にしみる。
うめ) はぁ。なんちゅうこっちゃ。日本の政府のてっ
    ぺんにおられるお方と、日本一の鉱山王が、
    おあさ様を囲んではるやなんて…。


**********

うめ) はぁ、信じられまへん。
    ほんま信じられまへん。
あさ) まだブツブツ言うてますのか。
友厚) 今日の大久保さんは、珍しくえらい
    優しい顔してはりましたなぁ。
あさ) そうだしたんか。
友厚) はい。近頃は政府での地位も、揺るぎない
    ものになって、人を寄せ付けない、威厳があ
    って…。せやから、あない優しい顔見るのは、
    久しぶりなんです。
あさ) ほんまに、仲がおよろしいのだすな。
友厚) ハハハ。
うめ) あの…あれは何してはりますのやろ?
あさ) わぁ。
    ガス灯だす。ようけ並んでますなぁ。
友厚) はい。ここからおよそ、一里の間に、
    85本のガス灯が街道を照らしてます。
あさ) 85本!? なんて明るい事。
    提灯とは比べもんになりまへんなぁ。
うめ) ほんまだすなぁ。
五代) これから、
    東京の夜はますます明るなりますわ。
あさ) へぇ。
    旦那様や千代にも、見せてあげたいなぁ。

**********

そのころ、大阪では…

(回想)
亀助) 一緒に行くのが、
    あれだけの男盛りだすさかいなぁ。

あさ) 五代様。あなた様は、
    大阪になくてはならんお人なんだす。

新次郎) やっぱり洋行帰りのお方は、
     おなごに親切なことだすなぁ。
友厚) 誰にでもと、いう訳やありません。

友厚) さすがあささん!
新次郎) あっ、わての奥さんに何してますのや!


新次郎) はぁ~あ…。
亀助) ああ、もう、ため息なんかつきはって。
新次郎) うるさいな!
     お前が男盛りとか余計な事言うさかいや。
亀助) そない心配やったら、外に出しはれへん
    かったらよろしいのに…。
新次郎) けどな、しょうがあれへんのや。
     わてな、五代様が持ってるようなもんは、
     あさに、何も与えてあげられへん。その点
     では、男として負けてしもてますさかいなぁ。
亀助) そうだすなぁ。勝ってるとこいうたら、
    背ぇの高さと、お家柄と、お金…は
    向こうの方が持ったはるやろか?
新次郎) お家柄かて向こうが上や。
     それに、薩摩の名門やいうてましたしなぁ。
亀助) ああ…。それやったら。背ぇの高さと…。
    え、え…背ぇの高さと、え~背ぇの高さと…。
新次郎) 背ぇ背ぇて! そら、わてが背ぇ
     高いだけの、アホみたいやがな!
ふゆ) そんな! 新次郎様が男として誰かに負ける
    やなんて、そないな事ある訳ございまへん!
新次郎) へ?
ふゆ) あっ、いえ、その…お千代様も、幸せや思い
    ます。新次郎様のようなお父様がいてて…。
    そう、うちの父なんか、おなごを物みたいにし
    か思てまへんだしたさかい。
新次郎) へぇ、そないだしたんか。
ふゆ) へぇ。おあさ様も、新次郎様の優しさやええ
    とこを、誰よりよう分かったはるはずだす。何
    も心配する事なんかございまへんよってに。
新次郎) おおきに、おふゆちゃん。
ふゆ) いや。
新次郎) ああ、そないいうたら、家の周り
     うろついてたけったいな男、近頃、
     誰も見ぃへんようになりましたなぁ。
亀助) へぇ。そうだす。
    盗人か、商売敵か、のぞきか分かれしまへん
    けど、この家の男の衆がしっかりしてんの見て、
    逃げ出したんや思いますわ。
新次郎) そら頼もしいなぁ。
亀助) ええ。
新次郎) これで安心だすなぁ。おふゆちゃんが、
     一番心配してましたもんな。
ふゆ) へぇ。ほっと致しました。
    うちは、どうにも気が小そうて…。
    すんまへん。おおきに。
亀助) な~んの何の!
新次郎) うまい事やりましたなぁ。
亀助) へぇ。そらもう。もうお兄ちゃんでも何でも
    ええさかい、ここらで男、上げとかな。
新次郎) はぁ…。お前は楽しそうでよろしいな。
     さあ、千代。おいで。
亀助) フフフ~ン。
新次郎) よいしょ。
亀助) はい~。
新次郎) 千代、千代~。
亀助) ハハハ。

(新次郎を見つめるふゆ)
(新次郎を言つめているふゆに気付く亀助)
亀助) おふゆちゃん、ひょっとして…。
新次郎) はぁ。早、帰ってけえへんかなぁ。
よのの声) 新次郎!
新次郎) ん?
よの) 新次郎!
    あ…ちょっとよろしいか。
新次郎) へぇ。

**********

あさ) 実はな、こないな便りが届きましたのや。
新次郎) これは…。

(手紙を読む新次郎)
新次郎) はぁ!

**********

新次郎がいろいろな事にやきもきしている間にも、
東京のあさは、五代に連れられ、
東京の新しい名だたる所を見学していました。

**********

あさ) はぁ~ええ匂いやことなぁ!
うめ) はぁ、ほんまだすなぁ。
あさ) ビールいうの、飲んでるお方も
    いてはるみたいだすなぁ。
うめ) ほんまに、
    えらいけったいなお茶屋さんだすなぁ。
福沢) あのおなごだ…!


あさがこの日、待ち合わせをしていたのは、
一体誰なのでしょうか?


あさ) あっ、いてた。

**********

陸蒸気の椅子がよっぽど硬かったらしく…ふかふか
のソファーで寝てしまううめ。上着をかけてあげる大
久保利通のジェントルマンぶりに萌え。ちょっとラフな
スタイルの五代に、いつもの3倍以上(当社比)萌え。
日本のてっぺん大久保と、鉱山王五代…というより、
何、このイケメン2人!…に囲まれるあさが羨ましい。

亀助に煽られ、回想してはため息をつく…新次郎の
心配は、一般的にはあながち間違ってはいないのだ
けれど。何しろあさは、普通のおなごじゃないからね。
五代に勝っているのは「背ぇ」だけと失礼なことを言う
亀助には、さっそく天罰(?)が…。新次郎が男として
誰にも負けはしないと力説するおふゆちゃんの姿に、
あさと違って女子力が高すぎる亀助の、女の、じゃな
い、男の勘は鋭い。ふゆのダダ漏れしている新次郎
への恋心に気づいてしまったようです。お兄ちゃん役
のままでは駄目かもよ?亀助はん、頑張りなはれ~。

加野屋をうろつく謎の第三の男の正体は、なんとなく、
よのさんに届いた手紙に関係するような気が…。さら
なるピンチが亀助を襲う予感。まあ、恋バナは山あり
谷ありの方が盛り上がるもの。期待しておきましょう。

そういえば…東京の風景として撮影されたロケ地は、
「和歌山マリーナシティ」、というところだったようです。
う~ん、楽しそう。ここは行ってみた~い! 「あさが
来た」のロケ地として、これから人気が出そうな予感。

あさの待ち合わせのお相手は、東京にいる、あの方
たちしか思い当りませんが…。こちらもさらにカッコよ
くなっていたらいいなぁ…。福沢諭吉も絡みそうだし。
そうそう、五代友厚(1836年生まれ)と福沢諭吉は同
世代。福沢の方が五代より1歳年上。ちなみに大久
保利通は、五代より6歳年上。それを考えると、福沢
諭吉役はもうちょっと若い人にしてほしかったような。
五代のように、福沢諭吉の若々しい姿が見たかった。
まあ、晩年のお姿としてはぴったりなんですけどねw

ちなみに、ドラマの中での年齢設定は分かりません
が、史実として、五代友厚とあさのモデル、広岡浅
子さんとの年齢差は、13歳。あさと新次郎のモデル、
広岡信五郎さんとの年齢差は、8歳となっています。

●生年月日一覧
大久保利通 1830年09月26日
福沢 諭吉  1835年01月10日
五代 友厚  1836年02月12日
広岡信五郎 1841年
広岡 浅子  1849年10月18日


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●「あさが来た」HP


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