「あさが来た」第47回~おなごのしなやかさを、忘れたらあきまへんえ | 日々のダダ漏れ

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「あさが来た」 第47回
第8週 「京都、最後の贈り物」
おなごのしなやかさを、忘れたらあきまへんえ


あさ) びっくりぽんや。突然来はるやなんて!
梨江) バタバタしてるうちに、
    京を出る日ぃが近づいてしもて。せやさかい、
    慌ててご挨拶に寄せてもろたんえ。
あさ) はぁ…いよいよ、行ってしまいはるんだすなぁ。
梨江) まずはあんたと話してる場合やありまへん。
    お姑さんに、ご挨拶せな。
あさ) へ? お母はんが、お母様に?


**********

あさ) 2人で話するいうて、何の話したはんのやろ?

**********

梨江) 娘がいつもいつも、ほんまに、
    申し訳ございません。
よの) いやいや、何をおっしゃいますやら。
梨江) いいえ…嫁いで10年もたついうのに、いろ
    いろ、嫁として至らんところがあるようで…。
よの) うちこそ、至らん姑で…。いろいろ教えな思て
    も、あささんは月の半分は、九州に行ってしま
    いはるさかい、何もでけへんて情けないなぁい
    うて、いつも話してますのや。なぁ?
かの) へぇ。ほんに。
よの) うちが嫁に来た頃は、
    お姑さんが厳しゅうてなぁ。
梨江) へぇ。うちも同じどす。「今井の嫁とも
    あろう者が、何してはりますのや!」
    なんて、毎日言われて。
よの) 自分は決して、ああはならへんいう心積もり
    でおましたんやけど。今はもう何て言います
    か。あのお姑さんの気持ちも、ちょっとは分か
    るようになってきたと申しますか。フフフフフ。

**********

あさ) 笑われへん。

**********

梨江) これ…大したものや、ありまへんけど。
よの) ああ、何だすやろ?
    わぁ! まあ、なんと、美しい。
梨江) 加野屋様に似合う思うて、
    お仕立てしてきたんどす。
よの) まあ! なぁ、かの、見て。
梨江) 加野屋様、どうぞ、これからも、
    娘をよろしゅうお願い致します。
よの) ああ、もちろんだす!

**********

梨江) おおきに。(お茶を飲んで) はぁ…。そないに
    いつもいつも家を空けてたやなんて…。ほんま
    やったら、離縁されてもおかしない事どすえ。
あさ) へぇ。すんまへん。東京に行きはる
    最後の最後まで、心配させてしもて。
梨江) あさ。あんた覚えてる?
    あんたが小さい時に、うちが、おなごは
    何も知らんでええみたいに言うた事。


(回想)
梨江) お商売の事も、世間の事も、おなごは何も
    心配せんと、ただお嫁に行ったらええんです。

梨江) うちはほんまにそう思うてた。そやけど、その
    うちの考えは、間違うてたのかもしれへん。そ
    の証拠に、はつのお家はあないなってしもた
    いうのに。ご商売に首を突っ込んだあんたは、
    こうして、今でも、お家を守ってる。はつは何も
    悪ない。悪いのは、うちなんや。
あさ) そうだすやろか? うちも、間違うてるて思うん
    だす。そうかて、なんぼお家のためにて頑張っ
    ても、何やかんや言うて、殿方は、家にいてる
    おなごはんが好きなんだすやろ?
梨江) フフフ。驚いた! あんたが今更、
    そないな事思うてたやなんて。
あさ) 嫌や。笑わんといとくれやす。
    おなごとしての自信があれへんのだす。
梨江) フフフフ。自信持ちなさい。これからの
    おなごは、あんたのように生きたほうが
    ええのかもしれへんえ。
あさ) え?
梨江) あさのように、胸を張って堂々と…。
    まあ、せやけど、あんたの場合はちとやり
    過ぎや思いますけどな。おなごのしなやか
    さを、忘れたらあきまへんえ。
あさ) へぇ。分かりました。おおきに、お母はん。
梨江) そや。これを…あんたから、
    はつに渡してくれへんか。
あさ) これは…?
梨江) 和歌山にある、今井の土地の証文や。
あさ) 土地の?
梨江) ここはもう、長い事誰も使うてへん。
    今井が東京へ行ったらなおさらや。
    それやったら、はつやご一家の皆さんが、
    新しい人生始めるのに使うてほしい思て。
あさ) そやけど…。
梨江) うちが渡しても、はつは決して受け取らへん。
    せやから、あんたに、
    ええ時に渡してほしいんや。これは、
    うちとお父はんからの、最後の贈り物なんや。


**********

うめ) もうお帰りやて、さみしおますなぁ。
梨江) せやなぁ。
    うめ。あのあさを、よう守ってくれて、
    おおきに。あんたがいてくれるおかげで、
    どんだけ力になってるか。
    これからも、よろしゅう頼むえ。
うめ) へぇ。おあさ様も、ああ見えてはりますけど、
    女子衆や丁稚からよう慕われて、ええ奥様
    のところも、おありになりますんだす。
梨江) それやったらよかったわ。
    さすがに、もう相撲は取ってへんやろなぁ?
うめ) へぇ。もちろんだす。


**********

(相撲を取るあさを回想する亀助)
亀助) まあ、ええか。

**********

新次郎) お母さん! やぁ、来てはったんだすか。
梨江) 新次郎さん。


**********

よの) これと、これと…これもかわいらしいなぁ。
あさ) 母にこないぎょうさんお土産頂いては…。
よの) 次いつ会えるか分からへんいうのに。
    なぁ、これもええな? フフフフフ。
    これも入れとこ。
はつの声) ごめんやす。


**********

はつ) あさ。お漬物がやっと出来たさかい。
あさ) お姉ちゃん、あのな…。

**********

梨江) 新次郎さんには、ほんまに、
    あさがご迷惑おかけして…。
新次郎) いや、お母さん。
     あさがあない働いてくれてるのは、
     わてのせえだすのや。
梨江) え?
新次郎) わてが、ふがいない分、全部あさにやって
     もろて。こないなんでええのか思うこともあり
     ますんやけどな。何や、あさの顔見てたら、
     「ま、ええか」て、思いますのや。
梨江) そないいうたら、ほんまどすなぁ。
    京都でいやいやお裁縫していた時より、今
    の方が、よっぽどええ顔してましたわ。なぁ?
うめ) へぇ。ほんまだすなぁ。
梨江) 新次郎さん。どうぞこれからも、あの子の
    手綱、しっかり、握っといとおくれやす。
新次郎) いやいや…お母さん、そない頭下げて
     もろても、わて、何もしてしまへんのだす。
はつ) お母はん!
梨江) はつ。
はつ) これは、受け取られしまへん。家を失うた
    のは、山王寺屋が自ら招いた災いだす。
    潰れてお家がのうなってしもても、山王寺
    屋は、もう意地でも、今井屋から施しを受
    ける訳にはいかへ…。
梨江) 施しやなんて、そんなつもりや…!
はつ) お願いだす。持って帰っとくなはれ。
あさ) あ…バンクや。
新次郎) は? バンク?
あさ) そうだす。銀行だす。
    お姉ちゃん。お父はんが作りはる、銀行いう
    のはな、志のある人を、応援するために、お
    金、貸してくれはるとこなんだす。今、お姉ち
    ゃんと惣兵衛さんは、お子たちも増えて、精
    一杯、お仕事頑張ってはる。その志のある
    お姉ちゃんを、信用して、応援して、助けて
    くれる…それが、銀行いうもんなんだす。
    そやさかい、これはもらうのやあれへん。
    貸してもろたらええんだす。ほんで、これ貸
    してもろた分、お姉ちゃんたちが、その信用
    に応えて、頑張って、そないして、いつか何
    倍にでもして、返したらよろしいのや。
はつ) そんな事、できる訳…。
梨江) いえ。そうしなさい。
    あんたも言うてたやないの。
    「青物には、不思議な力がある」て。
    あんたらはまだ若い。これからいくらかて、
    地に足つけて、新しい人生歩む事ができる
    んえ。うちもお父はんもな、あんたに、それ
    貸して、あんたら親子が、これからどう生き
    るのか見届けたいんや。
はつ) お母はん。
梨江) お願いや、はつ。母の、最後のお願いどす。
はつ) 分かりました。遠慮のう、お借りします。
    おおきに。ほんまおおきに! お母はん。


**********

そして、数か月後。

あさ) 失礼致します。お父様。
    ご相談したい事があるんだす。
正吉) そろそろ、来る頃やと思うてましたんや。
あさ) え?


**********

梨江さんはさすがですね~。娘の不始末を詫びつつ、
お姑さんが喜びそうな着物をお土産に持ってくる。よ
のさんの口からダダ漏れする嫁への不満も右から左
に聞き流す~♪ 姑に厳しくされて、ああはなるまいと
思っていたはずなのに…。いつのまにか姑の気持ち
も分かるようになっていたり、知らず知らずイケズをし
てしまっていたりと…今でもよく聞く、嫁・姑あるあるw
それを聞いていたあさの、笑われへん気持ちもよくわ
かる。いたたまれないよね~。よのが思っているだろ
う至らなさも自覚はしているし、女として自信がないし。

おなごのしなやかさを、忘れたらあきまへんえ。

やり過ぎとは言いながら、あさの生き方を認め、自分
の教え通りに生きたはつへの責任を感じている梨江。
いいところも悪いところもあって、時に、正しかったり、
間違っていたり、それでも根っこの部分では、梨江さ
んの子育ては間違ってはいなかったと思えますが…。
あさもはつも、しなやかさを忘れずに、臨機応変、力
強く生きていく力を、ちゃんと持っているように見える。

親としての最後の贈り物を、頑なに受け取ろうとしな
いはつ。そこでようやく「バンク」の意味が腑に落ちる
あさ。お父はんの役目かとも思ったけれど、やっぱり
ここはヒロインの出番よね。あさが、姉と母が納得で
きる落としどころを提案。信用して貸す。信用を担保
に借りる。そういう信頼関係の中での貸し借りならば、
さすがに、頑固なはつでもね…。ただもらうより、借り
る体のほうが、返そうと頑張れるだろうし。五代のバ
ンク論が、ここにきて役に立ちました。あさにとっては
ドラえもんのような五代。そのうち、「どこでもドア」で、
あさの前に神出鬼没しそうな予感が…。個人的には、
ドラえもんというよりは、不思議の国のアリスに出て
くる三月うさぎと帽子屋を足して2で割ったイメージな
んですけど…。あさの冒険を導くトリックスター的なw

様々な境遇の変化、対比があっても、親子、姉妹の
互いに思いやる気持ちが、変わらないところが好き。
後は、夫婦の気持ちが変わらないところも、胸キュン
な演出で見せてほしいところ。期待していますよ~♪


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●「あさが来た」HP


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