「若者たち 2014」第11話(最終回)~旅立つ | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「若者たち 2014」

若者たち2014

第11話(最終回)
旅立つ



新城) 夢を見るのが若者の特権なら、
    夢を叶えるのが、中年の特権だよ。
旭) そっか。新城さん、旅立つんだな。
新城) お前も、今がその時だと思ってんだろ?
    谷川俊太郎の、「未来へ」っていう歌に
    出てくる最後の言葉、知ってるか?
    「誰も、きみに、未来を、贈ることは、できない。
    何故なら、きみが、未来、だから」。
    俺からの、最後のエールだよ。
旭) うん。ありがとう。

**********

旭) 幸せになってもらいたいんだよ!
  お前たちには、自分の幸せのために生きてもらい
  たいんだよ。ずっと思ってたんだ。「この家の借金
  のために、俺たちが一緒に住んでていいのか?」
  って。人は、金のために生きてるんじゃない。
  金に困ったら、いつでもこの家を売れ。
  俺は親父とそう約束したんだ。この家を守る事が、
  お前たちの足かせになっちゃいけないんだよ。
  親父もおふくろも、そんなことは望んじゃいない。
  ひかり。お前は、これまで本当によく頑張ってくれ
  た。看護師になる事が夢だったとはいえ、俺たち
  の生活費のために働くなんて、普通ならあり得な
  いよな? 辛かったと思う。でも、お前のおかげで、
  俺たちは今日まで暮らしてこれた。
  ホントにありがと。
ひかり) 何でそんなこと言うのよ?
旭) 陽。お前にもホントに感謝してる。夢を追いかけ
  るお前の姿が、俺の生きる糧となってた。お前の
  舞台、最高だったぞ。あんな興奮は、俺の人生じ
  ゃ味わえなかった。ホントにありがとう。
陽) (泣)
旭) 旦。お前のやさしさに、俺は何度救われたこと
  か。ホントは、一番わがまま言いたい時期だった
  だろうに。我慢させて悪かったな。でも、愚痴一つ
  言わずに、お前が家事をやってくれたおかげで、
  俺は安心して仕事に行けた。ありがとう。
  お前たちの幸せが、俺の幸せなんだよ。
  だからな、これからは、自分のために生きてくれ。
  ここから旅立つ時が来たんだよ。

**********

旭) お前を解放してやりたかった。
暁) 何だよ、それ? 誰がそんなこと頼んだ?
  善人ぶってんじゃねえぞ! あの家はお前にとっ
  て、何よりも大切なもんじゃねえかよ! それをお
  前、そんな事で。そんな事で手放すんじゃねえよ。
  なあ? なあ? バカなことで金を使った俺が憎い
  んだろ? だったらそう言えよ。俺を責めりゃいい
  じゃねえかよ。なあ? 殴れよ。殴れ。殴れよ。殴
  れよ。殴れよ。ほら。お前のせいで、あの家を手
  放さなきゃいけねえんだってよ。殴れよ!
  頼むから。頼むから殴ってくれよ!
旭) 暁。暁!
暁) 殴ってくれよ!
旭) 暁! 聞け! 聞け! お前のせいじゃねえ。
  お前はもう、十分罪を償った。
  確かに、あの家は、親父が残してくれた、大事な
  一軒家だ。でも親父が残してくれたもんはそれだ
  けじゃねえだろ。俺やお前や、みんなの心ん中に、
  ちゃんとそれがあるじゃねえか。
  いいんだよ。これでいいんだよ。
  いいんだよ。これでいいんだよ。
暁) (泣)

**********

暁) 俺があの家で一番覚えてんのは、親父が死ん
  で、お前と殴り合った後のことだ。お前が俺の肩
  掴んで、泣きながらこう言ったんだ。
  「俺が親父の代わりになる。だから心配すんな」。
  その言葉が、俺には一番心強かった。


**********

ひかり) アサ兄の相手が、梓さんでよかった。
梓) どうしたの? 急に。
ひかり) だってさ、アサ兄って一言で言えば、時代
     遅れの人間でしょ。だから、理解してくれる
     人と出会えて、幸せだなあって。
梓) 私ね、この歌初めて教えてもらった時、旭さん
  のこと歌ってるって思ったの。一生懸命とか、ひ
  たむきっていう言葉が、カッコ悪いって思われち
  ゃう、今かもしれないけど。もがいて、もがいて、
  答えが出なくても、それでも、前を向き続ける、
  あの人見てると、「ああ。人って、こうあるべきな
  んじゃないかなあ」って。それってやっぱり…。
ひかり・梓) 理屈じゃねえんだよ。

**********

ひかり) どんなに苦しく、閉ざされた日々であっても、
     あなたが私の青春でした。私は今、あなたを
     離れていくのは、ほかの何のためでもない。
     ただ、あなたと会うためなのです。
新城) 「されど、われらが日々―」か。
ひかり) 何度も読み返して覚えたの。
     新城さんからもらった本だから。
     いつかどこかで、あなたと会っても、
     私はもう振り向かない。
     ありがとう。さようなら。
新城) さようなら。


**********

旭) 俺たちは、周りから見れば、歪んだ家族なのか
  もしれない。でき婚の俺がいて、前科もんがいて。
暁) おい。
旭) 不倫するやつがいて。ニートがいて。
陽) 何だよ、ニート…。
旭) ストーカーがいて。
旦) ストーカーは言い過ぎだよ。
旭) それでもお前たちは、俺の誇りだ。
  明日からは、それぞれの道を行く。
  けど一人じゃない。一緒に笑って、一緒に泣いて。
  この家で積み重ねた時間は、嘘はつかない。
  どこに行っても、俺たちは家族だ。
  切っても切れねえ、家族なんだよ。
  それは、理屈じゃねえんだよ。
  理屈じゃねえんだよ。ああ~くそ~!ああ~。
  今夜は泣かねえって決めてたのによ。くそ。
暁) 泣き過ぎなんだよ、バカ。
旭) うるせえ、バカ!
  泣きたい時に泣いて、何がわりいんだよ?
  それが、人間ってもんじゃねえか。


**********

役者は文句なしで、今の若手の実力派が勢ぞろい。
面白くないわけではない。ベタでもちゃんと泣かされ
る。古臭いし、貧乏だといいつつもリアリティを感じな
いところに違和感も感じつつ、役者の力でゴリ押しさ
れているような、何とも言えない力技を見たような…。

何て言うか…まさに、理屈じゃねえんだよ。理屈じゃ。
何かね、気分じゃない。気分じゃないんですよ、この
ドラマ。気持ちはわかるが気分じゃない、っていうの
が正直な感想。大昔のリメイクだなんて言わないで、
新しい作品として出せばよかったのにって、つい…。

文学的な香りがするところは嫌いじゃないんだけど。
役者も好きな人たちばかりだし。ただ、気分じゃなか
った。ドラマの好き嫌いは、理屈じゃねえんだよ~!
嫌いじゃないんですよ。ものすごく期待していたし…。
何だかんだ言って毎回見ていたし(言い訳ばっかw)
何て言うか、好きになりたかったのになりきれず、自
分でも何となく残念な気持ちになったドラマでしたw

冒頭に出て来た、
谷川俊太郎の「未来へ」の全文はこちら↓

「未来へ」 (谷川俊太郎)

道端のこのスミレが今日咲くまでに
どれだけの時が必要だったことだろう
この形この香りは計り知れぬ過去から来た

遠く地平へと続くこの道ができるまでに
どれだけのけものが人々が通ったことだろう
足元の土に無数の生と死がうもれている

照りつけるこの太陽がいつか冷え切るまでに
目に見えないどんな力が働くのだろう
私たちもまたその力によって生まれてきた

人は限りないものを知ることはできない
だが人はそれを生きることができる
限りある日々の彼方をみつめて

未だ来ないものを人は待ちながら創っていく
誰もきみに未来を贈ることはできない
何故ならきみが未来だから


主題歌はこちら↓
●~若者たち~ 森山直太朗

「若者たち」関連ブログ↓
第1話~理屈じゃねえんだよ、結婚は
第11話(最終回)~旅立つ

●「若者たち」HP


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