「花子とアン」第156回(最終回)~日本中に、アンの腹心の友ができますように | 日々のダダ漏れ

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「花子とアン」 第156回(最終回)
第26週(最終週) 「曲がり角の先に
日本中に、アンの腹心の友ができますように
 

 

宇田川) 敗戦後、
     私が筆を折っていたのはご存知?

 

花子) ええ…。
宇田川) 何を書くべきか分からなくなってしまったの。
     7年間、宇田川満代はがらんどうだった。
     その私が…また書けるような気がするの。
     ありがとう。




花子) 宇田川先生…。
宇田川) あなたじゃなくて、
     「赤毛のアン」にお礼を言ったのよ。
花子) あっ、今お茶を。  
    宇田川先生!
宇田川) もう書きたい言葉が溢れてるんだから。
     邪魔しないで。


「赤毛のアン」は、
たちまちベストセラーになりました。


**********



亜矢子) 「プリンス・エドワード島は、世界中で一番
     きれいな所だって、いつも聞いていましたか
     ら、自分がそこに住んでいるところを、よく想
     像していましたけれど。まさか、本当にそうな
     るなんて、夢にも思わなかったわ」。




**********



朝市) 「もう驚きもしないし、
    あんたがたを気の毒とも思いませんよ」。
リン) このリンド夫人ちゅうのは、口やかましくって、
   人騒がせなおばさんじゃんね~。


**********



武) 「貧乏な者の幸せの一つは、たくさん
  想像できるものが、あるというところだわね」。


**********



蓮子) 「愛すべき懐かしき世界よ。あなたは何て
    美しいのでしょう。ここで暮らす事ができて、
    この上なく、うれしいわ」。




**********



かよ) 「小さな手が自分の手に触れた時、何か、
    身内の温まるような快いものが、マリラの胸
    に湧きあがった。多分、これまで味わわなか
    った、母性愛であろう」。


**********



旭) 「重なっていく日々は、
  一年と名付けられたネックレスに連ねられた、
  黄金の玉のようにもアンには思われた」。




**********



かをる子) 「自分が美人なのが、一番素敵だけれど、
      それは、私にはダメだから。その次に素敵
      な事は、美人の腹心の友を、持つ事だわ」。




**********

今日は、出版の成功を祝うパーティです。

花子とアン(156)

亜矢子) はなさん。間に合いそう? 大丈夫?
花子) 話したい事が次から次へと溢れてくるの。
小泉) ああ…村岡先生。新聞や雑誌から、取材の
    依頼が殺到しています。後でお時間下さい。
門倉) その前に、続編の打ち合せだよ。
花子) てっ…今なんて?
門倉) ですから、「赤毛のアン」の、
    続編を出したいんです。
花子) てっ…。続編?
英治) はい。君が読みのを我慢していた、
    「ANNE of AVONLEA 」。今日のお祝いに
    持ってきたんだけど、ちょうどよかったね。
花子) 英治さん…。


**********

梶原) ルーシー・モード・モンゴメリというカナダの作
    家と、村岡花子君は、映し鏡のように重なり合
    うのです。ありふれた日常を、輝きに変える言
    葉が散りばめられたこの小説は、まさに、非凡
    に通じる、洗練された、平凡であります。必ず、
    時代を越えて読み継がれる、ベストセラーとな
    る事でしょう。どうも、ありがとうございました。

(拍手)
小泉) では最後に、日本語版、「赤毛のアン」の、
    生みの親である村岡花子先生に、
    ご登壇頂きましょう。
亜矢子) どうしたのかしら?


**********

花子) cantankerous…。cantankerous…。
英治) 花子さん!
花子) はい、英治さん。ねえ、辞書はないかしら?




英治) えっ!?
    みんな君のスピーチを待ってるんだよ!
    ほら、急いで!


**********



花子) あ…ほ…本日は、こんなに大勢の皆さまに、
    「赤毛のアン」の出版を、祝って頂き、こんなに
    幸せなことはありません。私は、本の力を信じ
    ています。一冊の本が、心の支えとなって、自
    分を絶えず励まし、勇気づけてくれるのです。
    私にとっては、「ANNE of GREEN GABLES」は、
    その一冊でした。主人公を取り巻いている世
    界は、私が修和女学校の寄宿舎で過ごした日
    々と、あまりにも似ていました。厳しいけれど、
    深い愛情を持つマリラは、まるで、校長のブラ
    ックバーン校長のようでした。腹心の友、ダイ
    アナは、私が寄宿舎で出会った、2人の大切
    な親友です。彼女たちは、生涯を通じて、私の
    腹心の友となってくれました。




亜矢子) 2人? 私も…?



花子) この本との出会いは、運命のように思いまし
    た。13年前、私は、ミススコットと約束しました。
    「平和が訪れた時、必ずこの本を翻訳して、日
    本の多くの人に読んでもらいます」と。
    けれど、日本は、大きな曲がり角を曲がり、戦
    争は、激しくなる一方でした。どんなに不安で
    暗い夜でも、必ず明けて、朝がやってきます。
    そして、曲がり角の先には、きっと一番いいも
    のが待っている。それは、物語の中で、アンが
    教えてくれたことでした。








花子) 私の今までの人生を振り返っても、
    いくつもの曲がり角を曲がってきました。
    関東大震災。愛する息子の死。戦争…。
    思いがけないところで、曲がり角を曲がり、
    見通しのきかない、細い道を歩くことになっ
    たとしても、そこにも、優しい心、幸福、友情
    などの、美しい花が咲いていると、今は強く
    信じています。アンのように、勇気を出して、
    歩いていけば、曲がり角の先には、きっと…
    きっと、美しい景色が待っています。








花子) 日本中に、
    アンの腹心の友ができますように。




(拍手)

**********

小泉) 村岡先生!
英治) 花子さん!



花子) cantankerous…。cantankerous…。





花子とアン(156)

**********

花子) cantankerous…。cantankerous…。
    cantankerous…。cantankerous…。
    cantankerous…。




花子) あった。「意地悪な」、「気難しい」か。



花子) 「ある気持ちのよい、8月の午後のこと。プリ
    ンス・エドワード島の、一軒の農家の玄関先。
    赤い砂岩の踏み段の上に、背の高い、ほっそ
    りとした、少女が座っていた」。








花子が命懸けで守り、
愛と友情を込めて翻訳した、
「赤毛のアン」は、
昭和から平成の時代を経て、
今なお、多くの人に読み継がれ、
希望を与えています。








花子) 「アンの心は、はるか彼方の、
    素晴らしい世界へ、飛び去っていた」。




ごきげんよう。さようなら。



**********


いや~まさかまさかの泣きどころが、醍醐さんが報わ
れた瞬間になるとは! 子供の頃からず~っと花子の
そばにいて、友情を捧げてきた醍醐さん。蓮子に心を
奪われていく花子を見守りつつ、報われないまま2番
手の立場に甘んじてきた醍醐さん。どうせ、花子の腹
心の友は蓮子さん一人よね、とやさぐれても不思議じ
ゃない扱いをされてきた醍醐さん。醍醐の、花子への
まるで片思いのような友情が、切なくて、ついつい醍
醐さんの気持ちになってしまって…。花子が腹心の友
は2人と言った瞬間に涙がぽろぽろと…。自分でもビ
ックリするほど、何だろう? すっかり醍醐さんの気持
ちになっていて。「私も…?」と言わずにはいられない
ほど、花子の気持ちに自信が持てなかった醍醐さん
がもう、愛しくて愛しくて。うんうん。あなたはず~っと、
花子にとってのダイアナでした。蓮子さんよりずっと。
随分都合よく使われまくったキャラだったけれど、中
の人の頑張りで、醍醐さんはとても魅力的なキャラだ
ったと思います。醍醐さんがいてくれてこその花アン。
最後の写真にも、醍醐さんが写っていてほしかった。
最後が花子と蓮子だったのに、ガッカリしてしまった。
それほど脚本家の意図を越えて、醍醐さんのキャラ
が、生き生きと物語の中でしぶとく生きていたという。
(もちろんそれは、私の思い入れということですがw)

ついつい、今日一番泣けたのが醍醐さんのところだ
ったので、熱く語ってしまいましたが…。最終回とし
ては、いい感じにまとめたかなって。文句を言い出し
たらキリがないので、いいところだけ。懐かしい面々
が、「赤毛のアン」の中に見出した自分に近い文章を
読んでいく演出は、ベタだけど、みんなの「今」を見る
ことができてうれしかった。何より、待ちに待った、あ
のお方のお姿が! しかも名字が「勅使河原」になっ
ていたのが嬉しい。無事結婚できたされたのですね、
白鳥かをる子様、改め、勅使河原かをる子様~~!
いいところに嫁がれた様子が見てとれて、大変うれ
しゅうございます。旦那様はきっと、大吉さん、いえ、
田村検事似のお方ですよね…(ヒーローに出てこな
かったのが不満と言いますか、心残りだったのでw)

 

 

どんなに不安で暗い夜でも、
必ず明けて、朝がやってきます。

 

 

そして、曲がり角の先には、
きっと一番いいものが待っている。
それは、物語の中で、
アンが
教えてくれたことでした。

うんうん。もっとドラマの中でも教えてほしかったよ…。
アンと重なる花子の人生をもっと深く知りたかったよ。
きっと、知りたかったら、自分で調べて、本を読めって
ことなんだよね。「赤毛のアン」を実際に読んでくれと。
そういう意味では、もっと、正しい史実を知りたいとい
う気持ちは十分に育てられたとも言えますが(苦笑)。

脚本と演出には大いに不満がありますが、役者さん
たちが、本当に現場を愛し、このドラマを愛していた
事がとても伝わってきていたので、そのあたたかさが
好きでした。まだまだ未熟でも、一生懸命な姿が、朝
ドラの醍醐味ともいえるし。吉高さんは、確かに演技
派とはいえないかもしれないけれど、時に化けるタイ
プの女優さんだと思います。今回は、脚本家の勝手
なイメージによるあて書きが悪い方に作用したんだろ
うなあって、スタジオパークでの中園ミホさんの言葉
で思いました。村岡花子を史実から作り上げるので
はなく、安易に(脚本家の)吉高さんのイメージで作り
あげてしまったのが、変な花子像になった理由だと。
中園さんは、吉高さんのことを、「私もっと根性ない子
かと思ってたら、全く弱音も吐かずに、見事な座長ぶ
りでした」と言ったのです。なるほど、そう思ってたの
ね…。花子が根性のない子に見えちゃうわけだよ…。
脚本家が自ら、ヒロインの可能性を潰していたのね。

それでも、少しでも、村岡花子さんに、赤毛のアンに、
興味を持って、本を手に取る人が増えてくれたらいい
なあと、心から思います。たくさんの子供たちに、夢
見る力を持ってほしい。曲がり角の先を楽しみにして
ほしい。大人になってもその力は生きる力になってく
れるから。いつまでも少女のように、新しい本に、新
しい言葉にパルピテーションを感じる花子の姿で終
わったのが微笑ましかったです。それが花子らしい
と見守る人たちのあたたかい視線も含めて。題名に
期待したものとは全く違った展開のドラマではありま
したが、登場人物は大好きだったので、それなりに
楽しめたとは思います。ごきげんよう。さようなら~♪
半年間、お付き合い下さってありがとうございました。


 

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●「花子とアン」HP


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