ごちそうさん(114)~共同炊事、一つのお鍋でカレーうどん | 日々のダダ漏れ

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ごちそうさん 第114回
「貧すればうどんす」
~共同炊事、一つのお鍋でカレーうどん


役人) どういうつもりだ! 台本にない事を放送して!

上司) 我々もその…ほぼ終わるまで気が付かず。
役人) ただでは済まんからな!
川久保) けど、寝てはりましたよね? そちらも、
     職務上よろしゅうないんやないですか?
役人) それは今、問題やない!
川久保) 子供の番組の台本なんて、上の人は見て
     はらへんやろうし、騒ぎ立てるほうが、事を荒
     立てる事になるんやないですか?
役人) しかし、こんな、非国民的な内容!
希子) どこが非国民的なんですか? 海の中で、昆
    布のおだしは無限に広がってるんですよ? 
    一見引き分けのように見せながらも、昆布だし
    は全てを包み込んでるんです。これはひそか
    なおでん皇國の大勝利の物語やないですか。
    世界が大日本帝国を中心にまとまる。これぞ
    まさに、八紘一宇の精神やないですか!
    だからこそどうしても伝えたかったんですよ! 
    ねえ?
室井) (頷く)
役人) 本当に主義者じゃないのか!?
室井) 違います。あの…僕は、軍国歌謡だって書い
    てますし、りんごだってもらってます。
    大日本帝国万歳ですよ!

**********

一同) あっ。
馬介) よかった、戻ってきた。
桜子) 大丈夫だったの? あんな事して。
室井) ウケた?
桜子) うん?
室井) 笑った?
馬介) まさか、笑かすため、だけにやったん?
室井) 桜子ちゃん、泣いてたから。
    あっ、あっ、ちょっと、ちょっと、泣かないで。
    泣かないで。ダメ。ダメダメ。ダメ。ダメダメ。
    ダメダメダメ…。
め以子) 馬介さ~ん!あの~休みの日とか、早じま
     いの日でええから、ここ使わせてもらうことて
     できる?

**********

勝治) ほな、今日はこれで、お開きに。
め以子) あの~。あの…提案が、あるんですけど。
     これ、回してください。うちの隣組でも、共同
     炊事いうんを、やってみませんか?
房子) あんた、それ、場所のうて諦めたやんか。
め以子) 場所は、確保できたんで。みんなでお料理
     すれば、木炭の節約になるし。
材料も、余っ
     てるもんと足らんもんの都合つけやすいし。
     一緒に作って食べたら、おいしいし。
     集まったら、ほら、あったかいし。どうでしょう?


**********

藤井) 共同炊事て、奥さんも酔狂やな。
悠太郎) そうですか?
藤井) 近所のおばちゃん、そろい踏みやろ。
    どんな地獄の一丁目や。
悠太郎) 
うちのも、結構なおばちゃんのような気ぃし
     ますけど。ハハハ。
藤井) …
人、減ったな。
悠太郎) 兵隊に取られたり、軍の仕事に回されたり
     で。まあ、これからは、業務自体も一つ減り
     ますし。
藤井) やっぱり、あの噂、ホンマなん?
悠太郎) もうすぐ、発表なる思います。

**********

め以子) おおきに。
泰介) うわ~。こんなに、小麦粉出すん?
め以子) とりあえず、主食になるもんは、誰かが出さ
     んと。
皆さん、何持ってきてくれはるか、わか
     らへんし。
悠太郎) ただいま戻りました~。
め以子) お帰りなさい。
活男・泰介) お帰りなさい。
め以子) 何、それ?
悠太郎) 今日、僕宛てに、
     差出人不明で届いたんです。
め以子) あっ! これ…。
悠太郎) 心当たりあるんですか?
め以子) 竹元さんに、にんにくの梅肉エキスあえを
     お贈りした、壺なんですけど。
悠太郎) そんなもん贈ってたんですか?
め以子) 喧嘩しはったって聞いたんで、とりあえず、
     つけ届けて思うたんですけど、
壺だけ取られ
     て、追い返されてしもて。

     (壺のフタを開け) 
あっ!

**********

馬介) しかし、これで、何作んの?
桜子) め以子?
め以子) みんな、来てくれるかなあ?
伸世) 出せるん、ネギしかなかったんやけど。
    ええ?
め以子) もちろんです。
房子) 
ちょっとちょっとちょっとちょっと、持ってきたで。
    ほれ、カツ節。見て見て。
時子) こんなんでええ? 昆布やけど。
め以子) ありがとうございます。

**********

多江) うち、何したらええ?
め以子) 高山さん…。
多江) これは絶対要るやろ? 
め以子) おおきに。火口、足りなかったんです。
     ごっつう助かります。
多江) 何作るん?
め以子) ああ…。カレーうどんです。

**********

め以子) はい、ちょっと通りますよ。
     はい、お待たせしました~。
伸世) おいしい!
房子) あったまるわ~。
時子) けど、あんなに小麦粉出して、大丈夫なん?
め以子) ほんなら、今度はよろしゅうお願いします。

**********

勝治) 君か! あんなとんでもない話作ったんは。
室井) はあ、つい。
希子) 
あきませんでした?
勝治) けしからんけど、笑てもたわ。
桜子) 実際苦情とか来なかったの?
希子) ああ…何件かは、お叱りの言葉ありましたけ
    ど、
皆さん心の底では、スカッとするとこあった
    んちゃいますかね。フフフ。
川久保) 
君が一番スカッとしてそうやけど。
希子) まあ、
そうかもしれませんね。

**********

め以子) あの、高山さん。おおきに。
     木炭、ホンマに助かりました。
多江) これで、イケズは帳消しやで。
め以子) はい。
多江) けど。言うとくけど、水かけてもうたんもたまた
    まやし、告げ口したんも、うちとちゃうで。
め以子) えっ?
多江) 
やり返されたら困る事、やるかいな!
め以子) 
ほな、高山さんも? そうですよねえ。
     そうやなかったら、あんなに木炭…。
多江) あんたは、声大きいんや。
め以子) いや…いや…。大変でしたね。
多江) そうやなあ。そうや。大変やった。大変やった。

**********

静) 
あったまるなあ。
悠太郎) ホンマですねえ。

**********

め以子) 水、かけてもうて、すんませんでした。
多江) すいませんって、あんた…。
め以子) いや…
     ホンマにちょっと、カ~ッとなってしもて。
多江) 私、風邪ひいたんやで。わかってる?
め以子) 存じております。おいしいですねえ。

**********

文女) どないしたん?
活男) これ、誰が誰に、
    ごちそうさん、言うたらええの?
泰介) せやな。

**********

勝治) ほな、皆さんで。
一同) 
ごちそうさんでした。

**********

め以子) はい、どうぞ。
子供) これ、何?
め以子) うどんをカリッとさせて、
     カレー粉まぶしたんや。
子供達) 頂きます~!
     辛っ! けど、うまい!
め衣子) うん。
終わったな。

**********

悠太郎) 今日、地下鉄の工事が、
     正式に中止になりました。
め以子) えっ?
悠太郎) 資材も、
     一切回ってこんようになってしもうたんで。
め以子) そうなんですか。
悠太郎) もう、限界でした。
め以子) あっ。悠太郎さん。
     カレー粉のふたに、貼ってあったんです。

これ以上、
くだらない妥協の産物が増えなくて何よりだ。
工事の中止は、むしろ祝福されるべき事だが、
とりあえずは、カレーでも作ってもらえ。
                         竹元


悠太郎) はい。そうさせてもらいました。

**********

けれど、
思わぬ仕事が、残っていたのでございました。

悠太郎) 防火改修課って…。
上役) 本土空襲に備えて、
    市中の、防空防火に備える仕事や。


**********

女性1) ちょっと、うちの痩せとるんばっかりやん。
女性2) よう似合てはんでえ。
女性1) まあ、ええわ。
     共同炊事では、サービスしいや、あんた!
女性2) 痛っ。
女性1) おおきに。
め以子) 
お願いします。
みね) 
ちょっと、皆さん、皆さん。ちょっと皆さん。
    
これ、見はった?



め以子) 「
ミナミのごちそうさん」…えっ?
みね) なあ、ひょっとして、密告したんて…。
一同) ああ…こいつか~!

**********

「八紘一宇」とは…ざっくり言ってしまうと、
「世界は一家。人類は皆兄弟」ってことのようです。

川久保の援護射撃と希子の言いくるめによって、室
井は何とかお咎めなしで家に帰り、桜子笑わせる為
にやったのだと告白。め以子も室井も、自分がやり
たい事をやっただけで、反骨精神ではないという…。

室井の話で思いついため以子の案は、「共同炊事」。
め以子が配った紙に書かれていた内容↓

  共同炊事をしませう
材料をみなさんで持ち寄って
経済的に美しく楽しく
共同炊事であたたまりませう。
一人一品、何でも結構ですから
ご持参下さい。
何を作るかは当日考へます

日時・二月九日 午後二時より
場所 うま介
           西門め以子

竹元からのカレー粉の差し入れで、カレーうどんを
作る事にしため以子。多江もやってきて、共同炊事
は大成功の巻~!多江が言ったように、やり返され
たら困る事は、やらないのが大人。やり返されたら
怖いから、我慢するのが大人の世界…なんだよね。

こんな普通のことを、当たり前のことを、わざわざ、
中年のおばちゃんに気づかせる為だけの…1週間。
一応謝りもしたけど、子供みたいな、テキトーぶり。
いや、もう、いいけどね。もう、何も期待してないし。

め以子を密告した犯人らしき、松島婦人が、「ミナミ
のごちそうさん」として、め以子のビフテキのエピソ
ードをそのまま語っていたのに笑った。本当に自分
も同じ事をやってみせたのならいいけど、やってな
かったら、すぐバレそうな話なんだけど…。いや~
すがすがしいほど浅はかな展開を、相も変わらず
思いつくなあと、心の底から感心してしまいました!


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