「なぞの転校生」
第２話
なんて美しいんだ、この世界は
第２話
なんて美しいんだ、この世界は
ある朝、家を出た岩田広一（中村蒼）は隣の家から出
てくる青年と出会う。青年は江原正三（ミッキー・カー
チス）の孫の山沢典夫（本郷奏多）と名乗り、隣に引
っ越してきたという。２人はエレベーターに乗り合わせ
るが、奇妙な行動を見せる典夫を広一は不審がる。
するとそこに光る何かが現れ…！？
チス）の孫の山沢典夫（本郷奏多）と名乗り、隣に引
っ越してきたという。２人はエレベーターに乗り合わせ
るが、奇妙な行動を見せる典夫を広一は不審がる。
するとそこに光る何かが現れ…！？
その後、野球の試合をしていた広一の前に再び典夫
が出現。野球の意味すら知らない典夫が、ピンチヒッ
ターをすることになるが…。
が出現。野球の意味すら知らない典夫が、ピンチヒッ
ターをすることになるが…。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
典夫） 起動して間もないので、２時間ぐらいで全て
のファイルのインストールが終わります。
その間はあまり、動いてはいけないことになっ
ています。動作が不完全になりますし、喋って
はいけない話をうっかり喋ったりしてしまうこと
もあったり…する事もあります。ホントは数時
間の安静が必要なんですが、僕にはあまり時
間がないのです。
のファイルのインストールが終わります。
その間はあまり、動いてはいけないことになっ
ています。動作が不完全になりますし、喋って
はいけない話をうっかり喋ったりしてしまうこと
もあったり…する事もあります。ホントは数時
間の安静が必要なんですが、僕にはあまり時
間がないのです。
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典夫） 初めて見ました。
みどり） えっ？ どれを？
典夫） 花をです。
みどり） 花を？
典夫） 本物の花は初めてです。綺麗ですねえ。
みどり） 一つどうぞ。差し上げます。
典夫） ありがとう。
みどり） これでいいですか？
典夫） はい。ありがとうございます。
（よろけて） 失礼。
まだちょっとインストール中で、バランスが
うまくコントロールできない。
典夫） さようなら。
みどり） 何？ あの人…。変な人。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
うまくコントロールできない。
典夫） さようなら。
みどり） 何？ あの人…。変な人。
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典夫） 野球というものは難しい。喜んでいる者も、悔
しがっている者もいた。一体何がしたいゲーム
なんだ？
しがっている者もいた。一体何がしたいゲーム
なんだ？
広一） 初めてやる人からしたら、難しいゲームかも
しれませんね。ヨーロッパの人から見ると、ホ
ント何やってるかわかんないそうだし。
典夫） 悔しい思いをするなら、
はじめからやらなければいいのに。
しれませんね。ヨーロッパの人から見ると、ホ
ント何やってるかわかんないそうだし。
典夫） 悔しい思いをするなら、
はじめからやらなければいいのに。
広一） 勝ったら嬉しいからでしょ。
典夫） 勝ったら嬉しい？ 自分さえ勝てれば相手は
どうなってもいいのか？
どうなってもいいのか？
広一） 負けたら、頑張って次勝てばいいのでは？
典夫） そんなことをしていたら、
どんどんエスカレートして最後には戦争だ。
どんどんエスカレートして最後には戦争だ。
広一） 戦争？ 極端ですよ、それは。正直、僕も勝
負ごとは好きじゃないんですけどね。
でも、観るのは好きかな。オリンピックとか。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
負ごとは好きじゃないんですけどね。
でも、観るのは好きかな。オリンピックとか。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
広一） で、学校はどこ行くの？
典夫） 学校？ 学校があるのか？
広一） えっ？ ああ。えっ？ まだ決まってないの？
俺は、東西山高校ってところに通ってて、
家からは結構近い。
家からは結構近い。
典夫） 東西山高校。そこには女子も通えるのか？
広一） もちろん。共学だから。
どうして？ えっ？ まさかキミ、女の子？
典夫） 僕に男も女もないが。
広一） えっ？
典夫） 姫が行きたがるかもしれないかと思って。
姫は学校に行ったことがないから。
広一） えっ？
典夫） 姫が行きたがるかもしれないかと思って。
姫は学校に行ったことがないから。
広一） 姫？
典夫） 教えてくれてありがとう。
僕もそこに行くことにするよ。
僕もそこに行くことにするよ。
広一） 行くって言っても簡単には行けないだろう。試
験を受けないとな。俺達も受験して入ったから。
転校生も受験が必要だと思うよ。正規で受験
するのと、転校生として受験するのどっちが難
しいんだろうなあ。俺達の学校は、競争率が2.7
倍だったから…。でも、そこ一緒じゃないと不公
平だよね。えっ、何それカッコいいね、そのスマ
ホ。どこの？
典夫） モノリス。
広一） モノリス？ 知らないなあ。
典夫） 東西山高校は、年に２回転校生向けの受験
を行っているようだね。本年度の受付はもう終
了しているのか。
広一） えっ、どこで売ってるの？そんなの。秋葉原？
典夫） 発売はされていない。
生まれた時に与えられるものだ。
広一） えっ？ 君、どこから来たの？
典夫） あっ、インストールが完了する。
典夫） あ…した。ごめん。
験を受けないとな。俺達も受験して入ったから。
転校生も受験が必要だと思うよ。正規で受験
するのと、転校生として受験するのどっちが難
しいんだろうなあ。俺達の学校は、競争率が2.7
倍だったから…。でも、そこ一緒じゃないと不公
平だよね。えっ、何それカッコいいね、そのスマ
ホ。どこの？
典夫） モノリス。
広一） モノリス？ 知らないなあ。
典夫） 東西山高校は、年に２回転校生向けの受験
を行っているようだね。本年度の受付はもう終
了しているのか。
広一） えっ、どこで売ってるの？そんなの。秋葉原？
典夫） 発売はされていない。
生まれた時に与えられるものだ。
広一） えっ？ 君、どこから来たの？
典夫） あっ、インストールが完了する。
典夫） あ…した。ごめん。
なんか僕、変なこと口走ってなかったかい？
広一） え…ああ…まあ…。
典夫） ごめん。全部忘れて。
広一） 全部って、何をどこまで？
広一） 全部って、何をどこまで？
典夫） まあいいや。山沢典夫です。
岩田広一君だね？ はじめまして。
これからもよろしく。
広一） ああ…よろしく。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
典夫） 君への最初の命令だ。
岩田広一君だね？ はじめまして。
これからもよろしく。
広一） ああ…よろしく。
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典夫） 君への最初の命令だ。
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典夫） 空を見ろ。
典夫） 満天の星空だ。
正三） 満天の星空だ。
典夫） なんて美しいんだ。この世界は。
正三） なーんて美しいんだ。この世界は。
ハハハハ。ハーハハハハハ。ハハハハハ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
初回は、本当にイントロでした。てか、なくてもよかっ
たかも。なんて言うと怒られそうですが、初回を見逃
しても今回からの視聴で十分。いや、実際、岩井俊
二ファンじゃなかったら、初回で離れてしまいそうに
なった人が結構いたんじゃないかと思ったし。やっぱ
り、物語が動かないと面白くないというか、なぞの転
校生、典夫が出てきて、俄然面白くなってきた訳で。
典夫役の本郷奏多君が、これまた人間らしくなくて、
宇宙人っぽい感じがよく似合う。物語に入り込みさえ
すれば、岩井俊二ワールドも心地よく、音楽もいい♪
なんて美しいんだ。この世界は。
ちょっと変わったお年寄りをやらせたらピカイチのミッ
キー・カーチスが、星空の下、子どものように、軽や
かに走り回る姿がいい。認知症かと思わせるヨレヨレ
のじいさんが、「な～んて美しいんだ、この世界は」と
叫び高らかに笑う。これはちょっと、いいんじゃない？
典夫とみどりの、ボーイ・ミーツ・ガールな瞬間もよか
った。変な人から恋しい人に変わるのは、お約束～。
昔、少年ドラマシリーズを観ていた時のような、ドキド
キ感、ワクワク感が戻ってきたようで、ちょっと嬉しい。
「なぞの転校生」関連ブログ↓
第１話～狂いだす僕らの日常
第２話～なんて美しいんだ、この世界は
第３話～ショパンの「雨だれ」がない世界
第４話～妹の夢と学校のヒエラルキー
第５話～アステロイドというバイオアプリ
第６話～モノリスのバグ、或いは・・・
第７話～アイデンティカと、敵の存在
第８話～痛快アスカ姫と王妃のオペ
第９話～きれいな雨とマルスの結晶
第10話～シャボン玉とアイデンティカ
第11話～王妃の死、アスカの秘密
第12話～アンドロイドが見た夢は・・・
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なぞの転校生 (講談社青い鳥文庫fシリーズ)/講談社
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初回は、本当にイントロでした。てか、なくてもよかっ
たかも。なんて言うと怒られそうですが、初回を見逃
しても今回からの視聴で十分。いや、実際、岩井俊
二ファンじゃなかったら、初回で離れてしまいそうに
なった人が結構いたんじゃないかと思ったし。やっぱ
り、物語が動かないと面白くないというか、なぞの転
校生、典夫が出てきて、俄然面白くなってきた訳で。
典夫役の本郷奏多君が、これまた人間らしくなくて、
宇宙人っぽい感じがよく似合う。物語に入り込みさえ
すれば、岩井俊二ワールドも心地よく、音楽もいい♪
なんて美しいんだ。この世界は。
ちょっと変わったお年寄りをやらせたらピカイチのミッ
キー・カーチスが、星空の下、子どものように、軽や
かに走り回る姿がいい。認知症かと思わせるヨレヨレ
のじいさんが、「な～んて美しいんだ、この世界は」と
叫び高らかに笑う。これはちょっと、いいんじゃない？
典夫とみどりの、ボーイ・ミーツ・ガールな瞬間もよか
った。変な人から恋しい人に変わるのは、お約束～。
昔、少年ドラマシリーズを観ていた時のような、ドキド
キ感、ワクワク感が戻ってきたようで、ちょっと嬉しい。
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