「あまちゃん」第108回~アイドルの資質、アキの再スタート | 日々のダダ漏れ

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「あまちゃん」 第108回
第18週 「おら、地元に帰ろう!?」
アイドルの資質、アキの再スタート


録音・GMT5) ♪「地元に 帰ろう~」
春子) こんなのうちの娘の声じゃない
 もの! 冗談じゃない! うちの娘、
 鈴鹿ひろ美と一緒にしないで!
太巻) カメラ止めろ!


デビュー直前、
おら、事務所をクビになりました。


アキ) 太巻さんさ、伝えてけろ!
 頼む。このとおりだ!
 GMT、デビューさせてやってけろ!


**********
 
春子) あんたの事、
 絶対アイドルにしてやるからね!
アキ) うん。
 
…と、威勢のいいママでしたが、
当面は、特にすることもなく。

テレビ) 「巣立ちの時期、親鳥は
 特に神経質になります。巣の周り
 を飛び回り、敵がいないかどうか、
 パトロールを繰り返します」。



春子) ああ。家事でもすっか!

**********

(ドアベル)
アキ) ありがとうございました。

同じく、おらもやる事がなく、
合宿所を出て、ママと同じ道
を歩み始めていました。

テレビ・鈴鹿) 「そうなんです。
 最近、電車を使うように
 なったんですけどね。」
 
突然の事で、鈴鹿さんに、
ちゃんと挨拶できなかった
事だけが、心残りでした。





テレビ・鈴鹿) 「付き人の子が、辞め
 ちゃって、スイカのチャージが」。
甲斐) かわいいなあ。発音が、
 果物の方になってるのもかわいいよ。

テレビ・鈴鹿) 「スイカ、便利ですよね」。



**********
 
水口) 懐かしいなあ、原宿なんて。
 バンドやってた頃、思い出すな。
 
そう呟いて、水口さんは、
ブラックコーヒーを
一口すすりました。
何だか、自分に酔って
るような感じでした。
 
水口) 明治通りのライブハウスとか、
 出たな。客いないんだし、座りなよ。
アキ) バンドやっでだんですか?
水口) あ、うん。ベース、弾いてた。
 バースデイ・オブ・エレファント…
 ってバンドで。



アキ) 象の誕生日ですね。
水口) まあ、もっと深い意味あんだけど。
 その頃、太巻さん紹介されてさ。当時
 アイドルとか超バカにしてたんだけど。
 しゃべってみたら、ピュアで熱くて、
 すごくよくしてくれて。
 
ていうか、何のつもりだ?



仕事サボって、
退屈なヒストリーなんぞ語りやがって。



あ~退屈だ。
お客さん来ねえがな。
 
水口) そんな俺を、太巻さんが
 GMTプロジェクトのチーフに、
 抜擢してくれたんだよ。
 でも、国民投票ぐらいからかな。
 「どうなんだ?この人」って。
アキ) あ、水口さん、太巻さんに、
 伝言伝えてくれましたか?

(回想) 
水口) 社長、ちょっと今、
 よろしいでしょうか?
太巻) お前もちょっと座って考えろ。
河島) 急いで、
 天野の代わり見つけないと。
水口) 天野の代りはいません!

アキ) じぇじぇじぇ!
水口) ごめん! 
 正反対な事言ってしまった。
アキ) 何してんだよ!
 ガキの使いじゃあるめえし!




水口) だって、何か悔しくて。



(回想)
水口) ビジネスとしての、意見です。
 天野がいなかったらGMTは売れません!
 そんな事もわからないとしたら、社長、
 ちょ、ちょっと、勘がにぶったんじゃない
 ですか。
河島) おい!
太巻) 絶対だな。
水口) はい。




 太巻) よし! カメラ回せ。天野がいな
 かったら、絶対売れないんだな?
水口) はい。
太巻) 絶対か?
水口) 絶対です。
太巻) おもしれえ! わかった。
 じゃあ、俺が売ってやるよ、GMT。
太巻) 俺が本気出したら
 1万じゃ済まないぞ。
 10万枚売ってやるよ、水口!
 



太巻) お前ごときが俺にビジネス
 語るだのさ、目に物見せてくれるわ!





水口) という訳で、CDは予定通り発売
 される。声は差し替えられないから
 アキちゃんの声が残っちゃうけど。



声だけが・・・。ママど一緒だ。

水口) ごめんね。
 ロボットみたいな声で。
アキ) いや、おら、ともかく、みんな
 がデビューできるのはよがった。
 …で、水口さんは、どうすんだ?
水口) 「どう」って…。う~ん。
 社長に頭下げるのはプライドが
 許さないし。とはいえ会社
 辞める度胸もないしな。
 琥珀でも堀りに行くかな。
アキ) よし! 勉さんに電話すっぺ!
水口) いやいやいや! 
 そこまで迷ってないけど。
アキ) そうが? 
 いろいろ楽しかったな。
水口) ユイちゃん元気にしてるかな?
 正月以来しゃべってないけど。
アキ) あ、そうそう! 
 海女さんになるって。
水口) え?
アキ) 今年の夏、海に潜ってみるって。
水口) じぇじぇ! あのユイちゃんが?
アキ) びっくり
だべ?
水口) え~?
アキ) おらも帰って潜りでえな。
水口) え? 
 潜ればいいじゃない、2人で。
アキ) いや、やめとくべ。
水口) どうして?
アキ) まだ、こっちで
 飛び込んでもいねえがら。



アキ) 海女になる時もそうだった。
 最初は、夏ばっばに、背中押されで。
 その後、やっと自力で、飛び込んだ。
 今、ユイちゃんも自力飛び込もうと
 してんだ。それなのに、邪魔しちゃ
 悪いべ。だからおら、ママを信じて、
 もうちょっと、こっちで頑張る。
水口) できるよ、アキちゃんなら。
 思うんだけど、いつもアキちゃんの
 周りには、自然と人が集まってきて、
 みんな自然と笑顔になるだろ? 
 それって才能っていうか、ホントの
 意味で、アイドルとしての資質が
 あるって事だと思うんだ。
アキ) うん、うん!




水口) アイドルって、自分でなったり、
 宣言したりするものじゃなくて。
アキ) うん。
水口) まわりに集まってる人間が、
 アイドルにしていくんじゃないかな。
アキ) うん。
水口) ねえ、聞いてる?
アキ) うん。うん。ちょっと待って。
水口) え、ユイちゃん?




アキ) 勉さん。
水口) あ…。
電・勉) 聞いたぞ、水口。
 行き詰まってるそうだな。




電・水口) アハハ! いや…。
電・勉) じゃあ、来い!今来い!
 深夜バスで来い!




電・勉) おらが死んでも、
 琥珀が待ってるからな。
 8500万年から、
 お前のこと待ってるぞ。
電・水口) はい。
電・ユイ) 
もしもし!
電・水口) え、ユイちゃん?
電・ユイ) 
アキちゃんに代わって。
電・水口) あ…うん。
電・アキ) 
もしもし…。
電・ユイ) 
ユイだけど。
電・アキ) うん。元気?

電・ユイ) うん、プール行ってきたの。
 まだ1分潜れないけど、
 磯野先生に褒められた。
電・アキ) そうかあ。
 何か、反対になっちまったな。
 ユイちゃんが海女さんになって。
電・ユイ) アキちゃんがアイドルだもんね。
電・アキ) しかもクビになっちゃうし。




電・ユイ) 大丈夫だよ。アキちゃんと
 一緒にいると、誰でも笑顔になれる
 もん。だからアキちゃんの周りには、
 自然と人が集まってくるんだよ。
 それってアイドルの基本じゃん。





電・水口) アキちゃん、どうした?
電・ユイ) どこにいても、何をしてても、



電・ユイ) アキちゃんはアイドルだよ。



電・ユイ) ユイが言うんだから
 間違いないよ。



電・アキ) ありがとう!
 ありがとう、ユイちゃん。
電・ユイ) フフフ!

水口さんには申し訳ないけど、
同じ言葉でも、
ユイちゃんに言われた方が、
ずっと心に響くもんです。




**********
 
だけど、おらの日常は、
相変わらずパッとしません。




北三陸や、上野の喧騒が、
まるで前世の記憶のように感じられ、
もうずっとここに座ってたみたいに、
地味で暗くて、
向上心も協調性も、個性も華もない、
パッとしない子だったみたいに、

ただただ、静かに時が流れていました。




(サヤエンドウが落ちた音)
 春子) あ~! あ~! ああ怖い! 
 何やってんだろう私。
アキ) ママ?
春子) 駄目じゃん。
 家事なんかやってちゃ駄目じゃん! 
 豆むいてる場合じゃないじゃん! 
 怖い怖い、危ない危ない危ない! 
 やばいよアキ! あんたさ、
 アイドルになるんじゃなかったっけ!
アキ) え? 何?
春子) 「何」じゃないわよ。
 あんた、大事なこと忘れてる!

アキ) ♪「私の~」♪「私の~」
春子) 何、ずっと練習してたの?
 



アキ) ♪「の~」♪「の~」
春子) 忘れてない。
 忘れてないね。ごめんね。





春子) パパは? パパはよ!
正宗) どうした?
春子) 何よ? これ。




正宗) 「何」ってブロマイド。
春子) 何? ちょっと見せて!
正宗) 痛い痛い痛い!
春子) 
こんなの作ってどうすんのよ?
正宗) タクシーのさ、シートの、
 背の所にポケットあるでしょ。
春子) ああ、後部座席の前に、あるね。
正宗) そこに入れとくの。






正宗) 一応、連絡先と、
 プロフィールも書いたんだ。
春子) 「天野アキ。あまちゃんですが、
 お芝居、歌、ダンス、何でもやります!
 お仕事下さい!」。




春子) ダサいよ!
アキ) パパ。
春子) 相談して!
 こういうの、ちゃんと相談して!
正宗) ごめんごめん! 
 パパにできる事って、
 これくらいしかないから。フフ!






春子) ねえ、会社作ろうか。
正宗) え?
春子) プロダクション。
 3人で事務所作ろうよ。
アキ) じぇじぇじぇ!
春子) 所属タレント! 



春子) 社長! 



正宗) パパは?
春子) 運転手!
正宗) ああ…相変わらず。




春子) ねえ、いいじゃん?
 やろう、会社! 
 ねえ、ここから始めよう!
アキ) 
うん!
春子) ね! じゃ練習だ!




3人) ♪「私の~地元~」
春子) そうそうそう。


**********

正宗) よし!
春子) いいじゃん、いいじゃん! 

 海女になる時は夏さんだったけど、
 今度はママがあんたの背中
 押す番だね。
アキ) うん!
春子) 覚悟しときな!
 思いっきり押すからね。
アキ) うん!
春子) えい!
アキ) うわ!

 
会社の名前は、
スリーJプロダクションに決まりました。
天野アキ、再スタートです。



**********

威勢はよくても、ノービジョンだった春子。やること
もなく、春子は家事、アキは喫茶アイドルでバイト。
そして、喫茶店で自分語りをする水口。バンドやっ
てたのか、ベーシストだったのか・・・ありがちっ!

好きな男以外には容赦なく毒を吐きまくるブラック
アキ登場。でも、黒いアキも結構好きなんだよね。
あれだけ眠れません攻撃しながらのこの仕打ち。
ツンデレというか、デレというより甘えるアマツン?
アキの伝言を太巻に伝えにいって、ついつい熱く
アキ推ししちゃった水口に、ガキの使いじゃある
めえしと毒づくアキ。やっぱ、春子のDNAだなw

その後もアキにはアイドルの資質があると、凄く
イイこと言ってるのに、アキはうわの空で、甲斐
さんはハラハラ見守ってるし、勉さんに代わるし。
勉さんはすっかり水口の師匠として語ってるし。
苦笑しながら、もて遊ばれる水口が可愛すぎる。

水口と全く同じことを言うユイちゃん。でも、水口
の100倍心に響くのは、ユイちゃんの言葉。ずっ
と励ましあってきた2人。立場は入れ替わっても、
互いを想う気持ちは変わらない。大丈夫!って、
それが一番聞きたい言葉。ユイちゃんに言って
もらえれば、アキはいつだって、頑張れるから。

かつて「もやし」で表現された静けさが、今度は
サヤエンドウで。サヤエンドウが落ちる音で、春
子は自分を取り戻し、実は、自分だけが何もし
ていなかった事に気づかされる。そして、もやし
の時と同じメンタリティではなくなっていた事に。
(ナデナデされて、嬉しそうなアキがめんこいw)
きっと、前はそれぞれが別々に違う方向を見て
いたんだろうけど、今は、みんなが一緒に、アキ
がアイドルになる未来を見てる。3人が、とても
自然に寄り添って笑っている姿が見れるなんて。
ずっとチグハグな家族として描かれてきたけど、
ちゃーんと、そこに愛は…家族の愛はあったん
だなぁと嬉しくなったりして。3人の、じぇじぇじぇ。
スリーJプロダクション。そしてきっと、ミズタクは
は来る~。きっと来る~きっと来る~♪…よね?


2015年の再放送時の感想はこちら↓
あまちゃん日記(108)~第18週「おら、地元に帰ろう!?」

 

2023年の再放送時の感想はこちら↓
第108回~第18週「おら、地元に帰ろう!?」


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