「あまちゃん」第69回~大人の欲望、そして再びのミズタク | 日々のダダ漏れ

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「あまちゃん」 第69回(完全版)
第12週 「おら、東京さ行くだ!」
大人の欲望、そして再びのミズタク
 
 
大吉) じぇ! じぇじぇじぇじぇ!
長内) な…何だ? どうした、うした?
夏) 袖が浜、海女クラブでがす。
長内) 知ってら。
夏) アキの応援で来ました。
大吉) 応援って…。
 
さあ、いよいよ正念場です。
アキは想いのたけをぶつける事が
できるのでしょうか。

長内) 辛~っ!

**********
 
<観光協会>
長内) 辛っ! 続けて、続けて…。
ヒロシ) アキちゃん、この通り、みんな、
 今回の件ではショック受けてんだ。
吉田) 見れ、大の大人がみんな、
 涙目になって、組合長なんかもう、
 泣いた、赤鬼のようになって…。
アキ) 組合長…。いろいろど、
 お世話になりました。
かつ枝) あんたどうしたんだ? 
 ほらほら飲め。
(七味唐辛子入りのお茶を飲む長内)
長内) か…か…!
かつ枝) うん? 何、何?
長内) 辛~っ!
アキ) そんなに泣かれだら、
 つらくなるべ!
夏) もらい泣きする前にアキ、
 おめえ、夜逃げしようとした事、
 みんなさ謝れ。
ユイ) お騒がせしました。
夏) よし。アキは?
アキ) すいませんでした。
夏) よし。ほんだら春子。アキの顔
 たたいた事、ちゃんと謝れ。
春子) 何で今?
夏) こういう事はな、
 後々大きなしこりが残るんだ。
 みんなさ見てる前で、
 ちゃんとあやまれ。
春子) …ごめん。
夏) 聞こえねえ。
春子) すいませんでした。
夏) よし。では大吉の言い分、
 聞かせてもらうべ。
大吉) あっ、それはもう大体春ちゃん
 と先生には説明したべ。
夏) そうなのか?
春子) ええ。
 皆さんにとって大事なのは、目先
 の金で、アキやユイちゃんの将来
 なんかどうでもいいっていう事が
 よくわかりました。
大吉) ちょっと春ちゃん、やめてけろ。
 それじゃあまるで俺たちが、
 2人を、金儲けに利用してる
 みてえじゃねえか!
春子) 違うの?
大吉) 違うよ…。違わねえよ! んだよ
 お金欲しいよ! だって、考えてみても
 下さいよ! 走れば走っただけ、赤字
 になるってバカにされてきた北鉄がで
 すよ、ユイちゃんのおかげで、今や
 字も黒字! 人気ローカル線ですよ! 
 「じぇ!」ってなるべ!
吉田) なるなる。「じぇ!」って、なるべ。
大吉) 閑古鳥が鳴いてた袖が浜がですよ、
 アキちゃんのおかげで、観光人気スポット
 ですよ! 「じぇじぇ!」ってなるべ!
吉田) なるなる。
 「じぇじぇ!」って、なるべ。
大吉) 「じぇじぇ!」ってなると今度はよ、
 「じぇじぇ!」じゃ物足りなくて、
 「じぇじぇじぇ!」を目指すべ。
 …でその次はよ、「じぇじぇじぇじぇ!」
 ってなりてえもんだべ!
足立) 人間の欲には切りが
 ないっていう事だね。
春子) だから言ったんです。3月の、
 お座敷列車でおしまいねって。
夏) それでたたいたんだな。
春子) 地道に、生きて欲しいんです。
 私が言っても説得力ないかもしれな
 いけど、芸能界みたいな、浮ついた
 世界に行ったら傷つくの目に見えて
 るんだから。
夏) おめえらの話まとめると、春子は、
 娘の将来のため、大吉っつあんは金
 のため。先生は、どうお考えですか?
足立) うちはまあ、高校だけは卒業して
 ほしいって、家内とも話してます。あと
 はね、自分の人生だから、悔いのない
 ように、やってみろって。
ヒロシ) 俺ん時とは随分違うけど。
足立) お前は黙ってろ。
夏) つまりは、
 本人次第って、事ですな。
足立) まあ、そういう事ですね。
春子) 駄目よ絶対。何言ってんの。
大吉) んだんだ。せめて9月いっぱい
 までは頑張ってもらわねば!
足立) だから、卒業したあとの
 話って言ってんだよ!
春子) アキは芸能界なんか
 絶対駄目ですから。
菅原) 岩手のローカル局で十分だべ!
長内) 夏場は毎年潜って、
 客を集めてもらわねば!
夏) あ~やがましい! 
 どいつもこいつも、自分の事ばっかり
 考えて! おめえら…ここらで、2人に、
 恩返しするのが、筋でねえが。若え
 2人の未来を、欲の皮のつっぱった

 大人が犠牲にしちゃなんねえ!

春子) (拍手)フフッ、いい事言うわ、
 さすが夏さん。立派!
夏) あ?
春子) 私が出て行く時にも、言ってくれ
 たらよかったのに。来たよね、うちに。
 欲の皮のつっぱった大人が。
かつ枝) 春ちゃん…。

(回想) 1984(昭和59年)
弥生) おめえしか、いねえんだ。春子!
かつ枝) 袖が浜の、未来のためだ!
 頼む! 潜ってけろ!

 
春子) あの時さ、今みたいに立派な事
 言ってくれたら、私の人生も違ってた
 んだろうね。
夏) 春子おめえ、
 またその話蒸し返すのか?
春子) あるいはさ、「行くな!」って止め
 てくれたら、それはまたそれで、違って
 たよね、人生。…っていうか、止めて
 ほしかったよね。
夏) それは、今だから言える事だな。
 今のおめえは、後ろ振り返ってしゃべ
 ってる。だから話せる。あん時のおめえ
 は、前しか向いてねがった。おらが何
 言っても、聞く耳持たなかったべ。なっ?



春子) そうかもね。うんそうかもしんない。
 でも私は、止める。去る者は追う! 
 全力で! 娘が傷つくのわかってて、
 背中押せるほど、懐深くないの、
 あんたみたいに!
夏) お前とアキも違うぞ。
春子) はあ!?
夏) まあ、いいや…言いたい事
 言ったし。寝るべ。帰るべ。
大吉) じぇじぇ! 
 それはねえべ夏ばっば!
アキ) ありがとう夏ばっば! 
 かつ枝さん、弥生さん、美寿々さん、
 花巻さん、いねえけど、安部ちゃん。
 みんなありがとう!
 おら、ここさ来て本当に
いがった。
 北三陸で、袖が浜で、みんなと会えて、
 本当にいがった! みんなに可愛が
 れで、怒られで、もうおら、昔のおらじ
 ゃねえ。ユイちゃんもいるし、東京さ
 行っても大丈夫だ!
夏) ハッハッハッ、そんならよし!
(笑い声)
夏) 帰るべ! 
(笑い声)
 
**********
 
<スナック梨明日>



大吉) うっかり泣いちゃったよくそ!
 俺が泣いてどうすんだ。ウーロンハイ!
春子) やめときなよ。
 お酒なんか飲んで大丈夫なの?
大吉) 飲まなきゃやってらんねえよ
 チクショー!



水口) コーヒー下さい。
(勉さんの隣に水口がいる)



春子) はい。
大吉) ごめん。まだスナックタイム
 じゃなかったんだね。
春子) ううんいいの。
 私も飲みたかったし。
 今日は7時であがるから。
大吉) あっ、そうなの?
春子) うん。一応ね、アキと、
 話し合おうかと思って、今後の事。




足立) そうか。何かウルっと
 きちゃったな、アキちゃんのスピーチ。
ヒロシ) 確かに、この1年で、
 どんどんたくましくなりましたもんね。
春子) そうだよね。まあ悔しいけど、
 それはちゃんと、お礼言わなくちゃい
 けないね。大吉さん! ありがとね。
大吉) うん? お…俺?
勉) 吉田さん、吉田さん、吉田…。
吉田) うるせえな、
 勉は弟子と琥珀でも磨いてろ!
勉) ほら、ほら!




菅原) うるせえ、勉! 
 このいい雰囲気壊さねえで、
 そっちさ…。
(水口に気づく菅原)
菅原) じぇ。



吉田) じぇ!
美寿々) ごめんごめん! 遅くなりました!
春子) あ~大丈夫、大丈夫。
 じゃあ私これであがるからさ、
 あとよろしくね。
 (小声で) あれ、ウーロン茶だから。
 じゃあね、お疲れさまでした~。
大吉) ウーロンハイ!
美寿々) はいはい! 
ウーロンハイ
 お代わり。ほかにご注文は? 



美寿々) タクちゃん!
(水口に気づく一同)



水口) こんばんは。



春子) つうかさ、水口いなかった!?
(小窓から顔を出す春子)
水口) こんばんは。

大吉) てめえ、どの面下げてここさ来た!
(殴りかかる大吉)
菅原) 先輩、先輩!
美寿々) やめて、大吉っつぁん!
大吉) あ~! うん! この疫病神~!

(水口を殴ろうとしては、空振りする大吉)
大吉) なしてよける。なしてよける!
水口) よけてないです。
吉田) もう飲めねえ酒飲むから。
春子) 飲んでないよ!
吉田) え?
春子) さっき飲んだの、ウーロン茶!

(大吉のパンチが水口に命中)
美寿々) あ~!
大吉) 当たった~!
 いや当たっちゃった!水口君!




**********
 
<天野家>



電・アキ) じぇじぇじぇ!



ユイ) えっ、何?
アキ) 水口さん、梨明日に来てるって。
ユイ) 何で?
アキ) わかんない。
ユイ) えっ? 迎えに来たのかな?
電・ヒロシ) それは、わがんねえ。
 うん。とりあえず、グッタリしてる。
 うん。駅長が殴っちゃって。
 また、電話する。うん、は~い。




**********
 
<スナック梨明日>
水口) もう大丈夫。すいません。
大吉) いやいやいや、俺もつい…
 ウーロン茶にのまれてまって、悪かった。
水口) 今日は、社長の代理できました。
 オーディションではなく、正式にユイ
 ちゃんとアキちゃんを、ハートフルの
 所属タレントとして迎えたいという
 ご相談です。
春子) 何で社長が来ないの?
 ここに来るのだって仕事じゃん!
水口) 先日の、海女~ソニックの生中継、
 社長も観てます。かなり気に入ってくれて、
 2人のキャラクターもさる事ながら、あの
 イベントの盛り上がりに感銘を受けたと
 いうか…。まさに、GMT47プロジェクトの
 コンセプトにマッチする…。



春子) GMT?
水口) 地元を愛する
 地元発のアイドルです。
春子) ああ、ダジャレね。
 はいはい続けて。
水口) で、現在、公認のグループが
 全国で16組おりまして…。
吉田) そったらに?
水口) はい。
 あっ、一部紹介してもいいですか?
 静岡代表、『茶柱ピンピン娘』。



水口) 福島代表、『赤べこ&青べこ』。



水口) 福岡代表、『親不孝ドールズ』。



一同) もういい。分かった分かった。
水口) で、その中の選抜メンバーが、
 既に上京して、上野の劇場で、
 レッスンを受けています。それは、
 GMTのメンバーとして…。
春子) GMT?
水口) ダジャレです。
春子) あんたさ、おわびとか相談とか
 言いながら、売り言葉すぐ買ったりす
 るよね? 愛想もないし、全然なって
 ないんだよ!
水口) ハハハッ、よく言われます。
春子) フフッ、よく言われますっていう
 場合じゃないんだよ!(舌打ち)
 ほんと危なしくって信頼できない。
美寿々) そこがいいのよね。



春子) (舌打ち)
水口) 信頼、されてないのはわかって
 ます。でも僕も本気なんで。ここで
 引き下がる訳にはいかないんです。



春子) 今日、これから話し合うんです。
 本人と。あっちは東京に行くつもり。
 こっちは、絶対に行かせないつもり。
 どっちが勝つかな~?




 
(水口を睨み、出ていく春子)
(頭を下げ、見送る水口)

**********

欲の皮のつっぱった大人たちの欲望丸出しの言い
分に、喝を入れる夏ばっば。そして、娘のためを思
いながらも、自分の過去が消化しきれていない春
子の恨み節も蒸し返されて・・・。まあね、あの時も
夏は話をしてやると言ってくれたけど、実際には手
の平返しされてしまった春子としては、納得いかな
よね。私の時だって、ちゃんと言ってほしかった
と思うのは当然。とはいえ、止められて素直に言う
ことを聞いていたかどうかは定かじゃないけれど。
後ろを振り返って語るのと、前だけ向いている時の
話では、全く別の話だし。たら、ればの話は、たら、
ればの話でしかないから。とはいえ、要するに春子
の恨みが解消されない内は、アキの問題にも本当
には向き合えないというのが本当のところかもね。

母親にありがちな、娘は自分の分身、自分の一部
だと思ってしまう幻想が春子にもあって、自分は夏
とは違うといいながら、夏に「お前とアキも違う」と
言われた意味に気づけないでいる春子。そう、春子
が傷ついたことに、アキが傷つくとは限らないこと。
アキは、春子とは違う。春子が似ていると思ってい
る、ユイと春子も違う。どこか似ていても、やっぱり
うのが親子で。似ていても、別々の人間だから。

それにしても、GMT47って、ゆるキャラアイドルな
のか? コスプレアイドル? 静岡も博多も・・・ちょ
っと痛いぞ・・・アイドルって・・・マジ大変そう・・・w


2015年の再放送時の感想はこちら↓
あまちゃん日記(69)~第12週「おら、東京さ行くだ!」

 

2023年の再放送時の感想はこちら↓
第69回~第12週「おら、東京さ行くだ!」


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