∫ にこいち Days ∬  ~ ♂ ツインな魂 ♀のちいさなお話 -3ページ目

∫ にこいち Days ∬  ~ ♂ ツインな魂 ♀のちいさなお話

魂の片割れ、あなたはもう出逢いましたか?
この存在を知ることは、愛を知ること。
それは、これまでのあなたの人生をすべて覆すほどの衝撃かもしれません。
2009年4月現在、mixiに載せた翻訳や日記の保管倉庫にしています。

「エミリーローズ」

ドイツで実際に起こった
悪魔に取り憑かれた少女の有名な話だ

最後の手紙の中で亡き少女は 神父に語る
(セリフは私の記憶なのでそのままではありませんよ~^^;)

- 私は 悪魔に取り憑かれた直後
   もがき苦しむ意識の中
   マリア様に会いました

   マリア様はいいました
「エミリー 神はあなたを苦しめるつもりなどない
 あなたを今すぐ解放し 天国へと導くことはたやすい
 けれど 人は知らない 悪魔は人の内に在るもの
 
 神の意思のもと 悪魔はそこにあるべきなのです
 
 敬虔なあなただからこそ
 身をもってそれをこの世に示す役目を果たすことができる
 そうして霊界の存在を、人に知らしめることができるのです
 エミリー 行きますか? 残りますか?
 あなたは自分で それを選ぶことが出来る」

エミリーは残ることを選んだ
そう 
彼女は悪魔に取り憑かれた自分の身を、
人々に晒すために
自らの意志でこの世に戻ったのだ

そして
彼女の死を巡る裁判の―
神父に下された判決は、彼の完全な釈放

彼が彼女に示した深い「愛」という理由のもとで下された結論だった


人々は彼女を救おうと挑んだ
しかし 結局 救われるべきは 彼女ではなかった
改心させるべきは 立ち去らせるべきは 悪魔でもなかった

自分のうちに潜む惡に目を背ける人
もしくはその分別に満ちた瞳で
自らの安全を脅かすものを「惡」と名づけ
盲目的に闇を忌み嫌うものたち

愛を忘れた 冷淡な視線

その心こそ 救いを 癒しを 必要としていた

悪魔も天使も

すべては 在るべくして そこに在る
台風で足止めをくらっている時間
なんとなく言葉を綴っていたら
お話が出来上がりました

精神のノンフィクション物語

長いですが
暇があったら読んで下さい

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ごきげんよう
はじめまして

僕は名もなき配達人
僕が地球に生まれたのは
これでちょうど1000万回目

それはそれは多彩な転生
物乞いになったり
富豪になったり
崇められ
蔑まれ
魂の大海原を駆け抜けて
この世界にもそろそろ飽きたが
今回は
愛する人間たちに
奉仕するために降りてきた

1000万回目の転生記念に
すべての人を幸せにしよう

そう目的を掲げて


僕は
人を助けに出掛ける

まずは
小さな喜びを運ぼう

一人の
野球に打ち込む少年を見つけた
彼は決勝戦に向けて
期待を背負い
必勝を悲願していた
僕は
夢を叶えるべく
窮地の彼に
逆転サヨナラホームランを打たせる

彼は
物語の主人公の如く尊ばれ
家族達はその誉れを喜んだ

しかし
僕の胸を突いたものは
投手の痛々しい悔し涙

それは
彼にとって
天に旅逝く父親に見せる最期の舞台
彼の青春の
全てを掛けて挑んだ試合だった


見回せば
学校 職場 政治 
様々な才能を呈する業界

勝ちたいと願う人は至るところにいた
けれど
みんなが笑う勝負は何処にもなかった

僕は知る
誰かの勝利は
誰かの涙の種を作っていた

誰かを勝たせることは
みんなの幸せにはならない


さらに僕は
飢えた人を見つけた
苦しんでいる彼に
僕は
尽きぬほどの食べ物とお金、
そして安心して眠れる場所を与えた

彼は喜んだ

しかし見ていた別の人々は
彼を妬み怒った

なぜオマエだけ

僕は
そう抗議するすべての人に与えた

そうするうちに
怠け者の数はおびただしく増え
街は機能しなくなった


僕は知る
誰かを豊かにすることは
他の貧しさを色濃くすることだった

誰かを特別に扱うことは
みんなの幸せにはならない


僕は少しがっくりしながら
それでもまだ希望を棄てずに
新しい街に出る

そこでは
様々な病が流行り
人々を苦しめていた

僕は彼らに
全ての病が治る特効薬を与えた

人々は奇跡的な回復と健康を喜んだ

僕は嬉しかった
やっと
みんなを幸せにする方法を知ったようで

けれど
それもつかの間
僕の喜びは呆気なく崩れ去った

特効薬はたしかに深く愛された
しかし
一方で強く憎まれた

やがて
撲滅されたのは
病でなく僕の薬だった

医者と街の権力者たちの手によって

医者たちは怒った
私たちの食いぶちは奪われたと

権力者たちは嘆いた
人口が増えすぎてしまったと

挙げ句彼らは
新しいウイルスを作りはじめた

僕は失望して
街を出た

本当の病は身体にあらず
拝金システムと合理主義
凍りついた精神こそ社会の病

ああ
悪いものを無くすことは
みんなの幸せにはならない


僕はまた
別の方法を試みる

一人の若い男が
外れの酒場でうなだれていた

彼は散々悪事をはたらき
ついには
人の命まで殺めたらしい

彼は神に祈っていた
自分の罪を悔い改めたいと

「神」

そうか
最後に人は
見知らぬ偉大なチカラをそう名付け
そこに
絶対の救いを求める

僕は
「神」の声を彼に与えた

「オマエは赦された
これからは
過去から自由になるがいい」

彼は解放を喜んだ

僕は嬉しかった
ようやく
人を助ける方法を知ったと

そうして
僕は多くの人々に
神の福音を与え始めた

「すべて赦された
神の愛はすべてを自由にするのだ」


これでやっと
みんなに幸せが溢れるだろう

やっと
やっと

けれど何故だろう

街は
いまだ虚ろで暗かった

その酒場では
人々が争っていた

「私に降りた声こそ真実だ」
「俺の神が正しい」と
やがて互いの信仰を
罵り合うようになった


別の席では
一人の女性が酒に溺れ
今にも息絶えかけていた

彼女は
あの男性に
命を奪われた息子の母親だった

彼女は神を恨んでいた
「何故神はあいつを赦したのか

悪すら愛されるべきならば
息子を奪われたこの悔しさは何処からか?」


「神」の声は
彼女の感情を宥めるどころか
新たな葛藤と苦悩を与えていた

僕は知った
「神」も「真実」も闘いをもたらす

誰かをそうして
自由にすることは
みんなを幸せにはしない


幸福は
勝利にも
豊かさにも
健康にも
平和にも
神にも真実にも
カタチを決めるものじゃない

すべての
貧しさにも豊かさにも
病にも健康にも
不自由にも自由にも
それぞれの役割があった

人には人の
対峙すべき宿題と
乗り越えるべき宿命があった

誰かが誰かの幸福のあり方を
知ることは出来ない
定めることは出来ない
まして
与えることなど到底できない

彼らが
自らこさえることでしか
本当に幸せになんかならない

そして—、

ならば僕は何をすれば?

僕は途方に暮れたまま
ぼんやり街路樹の陰に佇んでいた

長い時間がたったが
することもなく
無気力のまま佇んでいた

歩き方を忘れてしまいそうだった

やがて
幾日も過ぎたあとだった

一人の女の子が通りすがり
立ち止まって
僕にふと笑いかけた
花のような笑顔だった

その瞬間
凍りついた心が溶けていくようだった


「ここで出逢う約束だったのよ」

彼女は云った

僕はそのとき
初めて覚えた

他のものでない
僕の内側だけに訪れた温かなもの

そして知った
はじめから
誰かに幸せを配達する役目なんか
必要なかったことを

必然で
されど偶然の

約束通りで
されど
通りすがりの花が

僕だけに
たったひとつの安らぎの種を与えた


そうだ
幸せの配達人は
一人にひとり

誰にでも
必ずたったひとり
初めから
約束の相手が与えられていた

僕なんかには計り知れぬほど
深遠なる何者かの
取り計らいによって

ああ
僕は思い出した

1000万回目の記念に授かった
最高の使命

それは
僕が
僕という人間を
最高に幸せにすることだった

僕は今
僕の内に秘められた奇跡を知る

行こう
この花をこよなく愛しながら

僕は 今
ようやく
僕を生きる術を知った


神の声は消えた
幾多の奇跡と一緒に

1000万回目の生まれ変わり

僕は
最後に
ただの一人の人間になった



対極な性質と云われるツインソウル

たしかにそうだ

昼と夜の如く
あまりにも役割が正反対ゆえ
二人が巡り会えることすら
まるで奇跡だという

そのS極とN極は
予め互いに
強烈に引き付け合う性質を持ちながらも
それまでの人生の中で
全く両極端の現実を
引き寄せていたのだ


どちらかの自我
という絶縁体が厚ければ厚いほど
互いに惹かれ合う力は届かない
互いの存在にすら気付けない


自分のエゴを知り
自らの深い部分から生まれる求めを
絶えず訪ねるなら

それは
ひとつひとつ
絶縁体を剥いでいく作業に近い


天国を探した者
地獄を探した者
二つの共通の求めは
ひとつ

神の愛を知りたいから

唯一
そこにこそ違いはなかった


絶縁体の
最後の一枚が剥がされるときとは
おのずと
魂の片割れと繋がるとき

自らを守るものと信じて
強くくるまっていた安全な毛布
その正体こそ
本当に知りたいものを遠ざける
強力な絶縁体だったと気付くときだ


私はすべて失ったが
求めたものを知った

共に生きることは
昼が夜を知り
夜が昼を知ること

光が闇を愛し
闇が光を愛すること

崇高な天使も
邪悪な悪魔も
同じ神を愛する子であるように


正反対のふたつの
最大公約数を生きることは
一人ではまるで知ることすら出来ない
自らの幅を
無限に広げることなのかもしれない

それはときに
嵐のように激しく
心の扉を叩く


最小公倍数はどこまでも大きくて
知らない自分に
気付かされる

強さにも弱さにも
正しさにも間違いにも
役割があることを


そんな毎日を
きみはくれるんだね