- 電通とリクルート (新潮新書)/山本 直人
- ¥756
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電通やリクルートを通した消費社会論の本です。著者が元広告関係だからか、
安易な消費社会批判はない感じでした。
電通がTVCMなどで物欲や夢を刺激する発散指向型の広告であったのに対して、
リクルートは消費物だけでなく、求人や住宅という人生の節目に関して、ネットや編集スキルもあり、
情報を比較精査できる収束指向型の広告・情報化を行ったというのが、新しいことだったようです。
長野オリンピック後の社会の反応が、「おめでとう」でなく「ありがとう」が多かった
ことから、人々が情報やサービスに対して、自分の期待値どおりであったかどうか(情報欲求を満たしたか、
払った対価に対して納得できるものだったか)という基準で判断するようになっている、
という見方が面白いです。
たしかに、なにか商品を買った後、自分の判断が妥当だったかどうか
ネットのレヴューで確認するなんてことは、常々してしまいますね。
情報多寡によって、むしろ完全に納得できる選択をすることが難しくなったり、
それゆえなにが選択の決定要因になるかといえば、結局経済条件によって決められてしまう、
という指摘も興味深いです。しかもこれがどのお菓子を買う、とかのレベルだけでないことも
気になります。
選べる自由な人生による問題は最近の出来事でなく、85年の流行語に「分衆」という
言葉が選ばれたように、80年代あたりから社会的問題意識があったようです。
あと、ライブドア放送株事件後、リクルートの税引き決算も上がり、
リクルートと電通が資本提携しマスメディアとの連携を強めたそうなのですが、
本の趣旨と異なるのでそのことの意味については触れない、著者が述べていて
逆にめちゃくちゃ気になりました。
あとは個人的に、車やテレビが家族団らんの憧憬を実現するものとして
機能しているといった意見から、消費社会に茶番劇をやらされているような
嫌気を感じていたのですが、そういう物欲の仕方も、自分をコードするお守り
を手に入れるためと思えば、案外いいもの使えるなのかな、と最近思えてきました。
メモ:
・ドラマ、CM
ー 有閑、刑事、医者、のだめ、実写版ヤマト、白戸家、こども店長
ー偽リアリティ - 自分につながらないため楽
・自分のストーリーの外注
・食べるラー油・大人も遊べるDS - 再定義
・グーテンベルグが最初に刷ったもの ー 聖書と地図
・生活がネットに埋没する - 他者をリア充として見る目に
・期待値との答え合わせする人々
ー 消費自体でなく、情報との合一性で安堵
・広告 - 買う理由の提供
・リクルート式編集 - 鋳型に情報を合わせる
中小、店舗も広告の対象として毛細管を張り巡らせる
既存広告のネットへの再編集
ライフスタイルを売る
・ブログ日記 → 広告として機能
・next幸福論 - もてる人、できる人の論理
・『さよなら大衆』『新階層消費の時代』『若者殺しの時代』
・求人広告 - 薄利多売できない
・広告費とGDPの相関
・金曜ワイン、ディスカバリージャパン、土用丑の日、時計を着替える
ー 人々の心の中の辞書を変える - まさにコード







