ルサンチマン ブログ -16ページ目

ルサンチマン ブログ

わかんないことだらけ

電通とリクルート (新潮新書)/山本 直人
¥756
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 通やリクルートを通した消費社会論の本です。著者が元広告関係だからか、
安易な消費社会批判はない感じでした。 

 

電通がTVCMなどで物欲や夢を刺激する発散指向型の広告であったのに対して、
リクルートは消費物だけでなく、求人や住宅という人生の節目に関して、ネットや編集スキルもあり、
情報を比較精査できる収束指向型の広告・情報化を行ったというのが、新しいことだったようです。


 長野オリンピック後の社会の反応が、「おめでとう」でなく「ありがとう」が多かった
ことから、人々が情報やサービスに対して、自分の期待値どおりであったかどうか(情報欲求を満たしたか、
払った対価に対して納得できるものだったか)という基準で判断するようになっている、
という見方が面白いです。
 たしかに、なにか商品を買った後、自分の判断が妥当だったかどうか
ネットのレヴューで確認するなんてことは、常々してしまいますね。


 情報多寡によって、むしろ完全に納得できる選択をすることが難しくなったり、
それゆえなにが選択の決定要因になるかといえば、結局経済条件によって決められてしまう、
という指摘も興味深いです。しかもこれがどのお菓子を買う、とかのレベルだけでないことも
気になります。

 選べる自由な人生による問題は最近の出来事でなく、85年の流行語に「分衆」という
言葉が選ばれたように、80年代あたりから社会的問題意識があったようです。


 あと、ライブドア放送株事件後、リクルートの税引き決算も上がり、
リクルートと電通が資本提携しマスメディアとの連携を強めたそうなのですが、
本の趣旨と異なるのでそのことの意味については触れない、著者が述べていて
逆にめちゃくちゃ気になりました。


 あとは個人的に、車やテレビが家族団らんの憧憬を実現するものとして
機能しているといった意見から、消費社会に茶番劇をやらされているような
嫌気を感じていたのですが、そういう物欲の仕方も、自分をコードするお守り
を手に入れるためと思えば、案外いいもの使えるなのかな、と最近思えてきました。


メモ:
・ドラマ、CM
ー 有閑、刑事、医者、のだめ、実写版ヤマト、白戸家、こども店長
ー偽リアリティ - 自分につながらないため楽
・自分のストーリーの外注
・食べるラー油・大人も遊べるDS - 再定義
・グーテンベルグが最初に刷ったもの ー 聖書と地図
・生活がネットに埋没する - 他者をリア充として見る目に
・期待値との答え合わせする人々 
ー 消費自体でなく、情報との合一性で安堵
・広告 - 買う理由の提供
・リクルート式編集 - 鋳型に情報を合わせる
中小、店舗も広告の対象として毛細管を張り巡らせる
既存広告のネットへの再編集
ライフスタイルを売る
・ブログ日記 → 広告として機能
・next幸福論 - もてる人、できる人の論理
・『さよなら大衆』『新階層消費の時代』『若者殺しの時代』
・求人広告 - 薄利多売できない
・広告費とGDPの相関
・金曜ワイン、ディスカバリージャパン、土用丑の日、時計を着替える
ー 人々の心の中の辞書を変える - まさにコード

心は孤独な数学者 (新潮文庫)/藤原 正彦
¥460
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ィリアムRハミルトンという数学者の話が、
相手のことが好きなのにお互い違う人と結婚して、老人になって
やっと再会する、というドラマのような純愛話でびっくりしました。

 英国と合併したアイルランドの出身で、工業・貿易の抑制、無学化
という英国の影響下にあった時代の人のようです。
 ニュートンもペストから避難していた時期があり、
昔の研究者には大変な環境はつきものだったのだなあと思いました。
 

若き人々への言葉 (角川文庫)/ニーチェ

¥500
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 ーチェ作品のリミックスです。超訳ニーチェの言葉よりいい気がします。

 人間は(それは疑いないが)いよいよ「善良」になっていく。ここにまさしく、ヨーロッパの運命がある
ー人間への恐れとともに、人間への愛、人間に対する畏怖、人間に対する希望、
そしてまさに人間への意思をもまた、われわれは喪失してしまったのである。
人間の有様は、今後人を疲れさせるものである。-今日ニヒリズムと呼ばれるものは
、それでなくて何であろうか。……われわれは人間に疲れているのである。p168


 ーすべてのイデアリズムは必然的なものの前にあっては虚偽である、-それを愛することである。p200
マンガ 物理に強くなる (ブルーバックス)/関口 知彦 (原作)
¥1,029
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 画でわかる系の本は意外に難しいものも多くあると思いますが、
この本はけっこう分かりやすかったです。

 同じ高さから、地面に水平に投げたボールと、垂直に落としたボールは、
それぞれ同時に地面に着くんですね。初めて知りました(汗)


メモ:
・円運動 - 速度・方向が変化する加速度運動
・押し合ってる力の大きさは同じ → ならなぜ一方は押されるのか
→ 物体の設置点・摩擦力の違い
・相手を持ち上げる → 相手の体重を自分のものにする
→ ぶつかるときは重心低く下から上へ
・慣性 - 速度を保っている → 速度0を保っている、もありえる
・動きにくいはずの重いものは、よりつよい力で引っ張られてる
故に重いものも軽いものも同時地面に着く
・加速度は力を質量で割ったものに比例する
・a(加速度) =k(比例定数) F(力)/m(質量)
・ma= F
・加速度によって光は曲がるなら、重力でも光は曲がる
→重力とは空間の曲がりそのもの?

ガリレオの求職活動 ニュートンの家計簿―科学者たちの生活と仕事 (中公新書)/佐藤 満彦
¥882
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学者たちについて、研究よりも生活やパトロン・時代
という環境に焦点を当てた本です。ざっと読みました。

 ガリレオ→メディチ家、にしろ、ダヴィンチ→ミラノ公ルトヴィコ・スフォルツァ
にしろ、直接講義や軍事・発明品に対する知識をアピールしてパトロンを申し込んでいたそう。
 パトロンを渡り歩いたりパトロンから自立したり、当時の研究者も研究以外で大変な面が
あったようですね。

 あとは、地動説を唱えたコペルニクスが、
当時欧州への大陸の銀流入により、インフレ・物価上昇が起り、
教会の貸地条件悪化などの問題を解決するため、
ポーランド・ドイツで貨幣を統一しよう、といった提案もしていて意外でした。
(失敗したようですが。) 

 

 なんとなく思ったのは、学問が生きていくための知識なら、
学問が発展・分岐する時期は、社会・時代の不安定性と相関関係があるのでは、
学問にも進化圧がかかる時期があるのかも、と思いました。


メモ:
・ハーヴィ 血液循環論
・パラケルスス p158
・カルダーノ

学問ってどうして発生したのだろう。なんのためにあるのだろう。最近よく考えます。思想史ならぬ学問史みたいな分野があってもいいのかも。
ヤバいぜっ! デジタル日本 ―ハイブリッド・スタイルのススメ (集英社新書)/高城 剛
¥693
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能記事的関心を持たれる事が多い高城剛さんですが、
情報化によって社会がどう変わるかについて考えている人で、参考になります。

 デジタルという言葉の語源がdigit(数字)であるように、
デジタル化とは、様々なものの数値化する現象と捉えることができるみたいです。
 数で表せるようになるということは、他へ正確に伝えられるようになります。(完全コピー化)
 

情報がひろがり、真似やマッシュアップが容易に可能になった世の中で
日本には北京や上海をシブヤ化・アキバ化できるような
つよい・真似したくなる文化力をつけてほしいというのが、著者の主張なのかなと思いました。


 メモ:
・国家ブランディング、地域ブランディング - よい地域悪い地域出る
・英語、コンピュータ - コミュニケーションツール
・少子化 - 漫画のパワーも減?
・文化 - 1つくって100儲かる
・つながる - 中間が生まれる
・著作権産業のGDP比 - 米5% EU5% 日2%
・ポストWEB  ポストWEBブラウザ
・チラ身できるメディア
・CPM - 100人当たりに情報伝えるコスト
・戦争と娯楽
・NASAの画像処理技術 - 90`米のCG技術へ
・ポイントカードなどで街がゲーム化
・映像が売りのゲーム - 映像なら映画業界にパイとられる

戦国武将の「政治力」 (祥伝社新書 101)/瀧澤 中
¥798
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 征をというナショナルゴール掲げた秀吉と違って、
徳川家康が掲げたのは単に家康による天下であり、
それは分かりやすく、安泰を保証するものとして
地方の武将にとって受け入れやすかったそうです。 
 また、美濃の斉藤道三は元商人らしく、織田信長より先に
楽市楽座などの自由化政策を行った人物で、
こんな感じで、武の力以外に経済、商の力・考え方が顕になっていったのが
戦国時代なのかなあ、と個人的に思いました。
 織田家も伊勢湾貿易で栄えたみたいですしね。
メモ:
・直江兼継 判断基準は「家」という生命維持装置を守ること
・光秀の乱 - 時政権の展望・大義のなさ
・家康「不自由を常と思えば不足なし。及ばざるは過ぎたるよりまされり」
・桶狭間から今川家滅ぶまで8年対し、
関が原は1日で勝利 - 家康の用意周到さ
・大野伴睦は光成好きだった
・小早川秀秋の判断基準 - どうすれば自分のプライドが満たされるか
ー BUT 若年で没しているため人物評はなんともいえない
・織田家 - 兵農分離で専業化 - 足りない分は外から出世目当てで来る
平和の地政学―アメリカ世界戦略の原点/ニコラス・J. スパイクマン

¥1,995
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のパワーとは、人口より人口密度によるらしく、
そしてその人口密度のある地域は、年間降水量年20~60インチの地域
であることが多いのだとか。
 
 この本で取り上げられているニコラス・J・スパイクマンという学者は、
大陸の沿岸部をリムランドと呼び、この部分が人口や農・工の発展地あるいは
紛争地になりえる場所として注目しています。
 小泉内閣時代の麻生太郎元首相も、このリムランドに安定した民主制を取り入れる構想を考えていたそう。

 本には、資源やエネルギーの分布を載せた地図が多種類載っています。
地政学というのは、資源がどのように分布しているかで、どこで戦争・政治・分配が
おこるか分かってしまう、という学問なのでしょうか。

 メモ:
・リムランド -中国・インド・西欧の沿岸  
-陸と海のバッファーゾーン
・『社会エンジニアリングの手法』
現代戯曲の設計―劇作家はビジョンを持て!/ゴードン ファレル
¥1,680
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生は運名という台本どおりにすすんでいる、という意見を
聞いて、そういう運命を劇と例える比喩が可能なら、

なら劇ってなんだ、という疑問で呼んでみました。
アナロジー大好きです^^


 脚本家はビジョンを持て、というのがこの本の趣旨でした。

 脚本の作り方でも、リアリズム系のものは、ちゃんと原因・伏線をつくり、
その因果として結果・出来事をつくっていくアクション・ストラクチャーという
手法が使われるそうです。これだと原因の分かる変化が描かれることになります。
 逆に、因果の分からない、とか不条理な展開を含む描き方などは自然主義と呼ばれるそうです。


 紹介されてる劇作家の中でも、ベルトルト・ブレヒトという人物が印象的でした。
メロドラマにばかり興味を持っている観客に、
どんな力が人生を形作っているのか、注意を世界に向けてほしい、という姿勢で
演劇を作っていて、因果を描くにしても道徳的な因果を描くわけでもなく、
不必要に感情に訴えず、異化効果と呼ばれる手法で観客を劇から疎外するという
バランス感覚に興味を惹かれました。

 彼の時代は、恐慌や産業革命による変化・複雑化で、人々に無力感が漂っており、
そのためその中で観客を不必要に移入・扇動することなく(答えは自分で考えさせる)、
世の中の変化は可能、という主張を届けようとしたようです。


 あとは、ダーウィンの進化論の因果から、世の中や生物の進化には
時間・世代が必要なため、個人では変えられないのではないか?という
議論が出ていたのですが、それはそのとおりだな、と思いました。

 関連して、色々なことに世代的な時差があるのかも、というようにも思います。
RADWIMPSの『夢番地』という曲にも書かれていますが、
今の努力を享受するのは未来の人、昔の人の努力を享受しているの今の人、
といったような世代的なズレ・時差があるように思います。

 若者が悩むのも、現代の問題に直面しているが悩む暇のない壮年世代の悩みが
若者に委託されているようにも思えます。

 デリダを少し読んだのですが 
こういうズレ・誤配も、デリダのいう「差延」と呼べるのだろうか?
とか思いました。


 メモ:
・プラトン - 演劇は感情を高ぶらせるから禁止すべき
・イプセン『人形の家』 妻になるためにはまず大人にならなければならない、
と夫のもとを去る
・リアリズムは解決策そのものを差し出さない
ー 20世紀のプロパガンダの反省から、いかに生きるかを他人の意見次第に
してはいけないという教訓
・ノザケ・シャング - 一人の女性の内面を7人の人物で描く
・表現主義 - 産業革命による流動性とともに発生

・あなたは私が体験したことの重大さがわかりますか?