極私的洋楽生活 -2ページ目
 

 

 

 

 

 

8月になって急に暑くなって
9月に台風がいっぱい来て
気がついたら夏どころか
9月ももう終わろうとしている

ブログもまた2ヶ月も放置してしまった

 

 

今年は仕事も暇だったので

長めの夏休みをとった
何をするでもなく
田舎に帰省しダラダラと過ごした
こんなにダラダラとした夏を過ごしたのは
いつ以来だろう

 

 

長くて暑い夏

 

 
スタイル・カウンシルのこの曲を聴くと
1984年の夏を思い出す
学生で何もすることがなく
ダラダラと無為な時を過ごしていた

 

 

夏の灼けつく日差しの下
身体を陽に灼きながら
ウォークマンのヘッドホンから
とめどなく流れる音楽を聴いていた
 

 

スローテンポのたゆたうリズムと
煌めくシンセの音が
灼熱の空間と時間を中和するかのようで
何度も繰り返して聴いていたのを思い出す

 

 

スタイル・カウンシルは
本当に日本で人気があったな

1986年だったと思うが来日したので観にいった

正直あまり印象に残っていないが
ヒット曲のオンパレード
当然この曲も演っていた

アンコールはMy Ever Changing Moods

しかも再度演奏だったと思う

 

 
人気の降下は急速で
あっという間に解散してしまった印象がある
ちょっとお洒落系のソウルフルな音は

流行という名のもとに

飽きられるのも早かったんじゃないかな

 

 
今彼らのアルバムを聴き直すと
ジャジーでファンキーで
いろいろな要素を内包していて
音としては結構先鋭的だったんだな
などと思ったりする

 

 

ポール・ウェラーのアニキは
いまだ頑張っていらっしゃるようですね

 

 
 
 

 

from album
[Introducing The Style Council]
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Big In Japan-
「日本でしか売れていない洋楽ミュージシャン」
その類を指す俗語
 
 
特に70年代の日本の音楽市場は
音楽雑誌やレコード会社のプッシュが
セールスに大きく影響を持っていたようで
本国ではまったく人気のないバンドが
人気になることもあった
 
 
雑誌のヴィジュアル映えする「ルックス」が
かなり重要であり、特に女性に人気を得た
バンドがその地位を得る場合が多かった
 
有名なところで言うと
クイーン、ジャパン、チープ・トリックなどは
まさに「Big In Japan」的な
もてはやされ方をしていたように思う
 
 
それでも世界に通用する音楽性を
持っていたからこそ、その後本国含め成功を
おさめることができたのだろう
 
 
前出のバンドに比べると
語られることが極端に少ないが
シルヴァーヘッドもそうした「Big In Japan」の
ひとつだったように思う
 
 
ファッション含めルックス的にもイケており、
日本での人気を得たのは不思議ではない
ただ、音楽的には特筆するものや
独自性がなかったようにも思う
 
 
1972年という年は英国グラムロックの全盛期
シルヴァーヘッドもグラムロックとしての
カテゴライズをされているが
彼らの音楽はどちらかというと
ストレートなロックンロールだったし
パフォーマンス的にも優れていたわけでもなく
vo.のマイケル・デ・バレスのルックスと声頼み
そんなバンドだったような印象がある
 
 
たった2枚のアルバムを残し
1974年にグラムの衰退とともに解散
「Big In Japan」からの脱出はかなわぬまま
バンドは終焉を迎えた
自分が洋楽を聴き始める前の話である
 
 
自分がシルヴァーヘッドを初めて聴いたのは
1979年頃だったと思う
FMで渋谷陽一の番組・サウンドストリートを
聴いていた時の事、記憶が不確かだが、
「忘却の彼方のミュージシャン」的な特集で
番組の最後にこの曲「Ace Supream」が
流れたのを憶えている
 
 
解散からたかだか5年くらいで
忘却の彼方扱いだった事を思うと
少し寂しくなるが
 
 
マイケル・デ・バレスはその後、
元イエスのトニー・ケイ
元ステッペンウルフのマイケル・モナーク
らとディテクティヴを結成し
ZEPPさまのスワンソングからアルバムを発表
しかし人気を得ることができなかったようだ
 
 
自分は結構ソウルフルな彼の声は好きだ
歌唱力も高いと思う
音楽的に不遇であったことが残念でならない
今アルバムを通して聴いてみると
リズム隊の素人感があるが
その分彼の力量が際立っていて悪くない
 
 

 

from album
[Silverhead]
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このところ土日の仕事が多かったもので、なかなか時間の余裕が持てなくて気が付けばもう7月半ば。前回の記事からひと月近くも経ってしまいました。少しまた余裕ができてきましたので、ぼちぼち記事アップでございます。本日は70年代初期の、「パトゥ」というバンドを取り上げたいと思います。
 
 
最近までこのバンドは知りませんでした。かなりインパクトあるジャケットです。でもなんかアングラ臭が漂い、ジャケットからは音の想像がつきにくい感じですね。聴いてみてもわりとつかみどころのないジャンルの音に思いました。簡単に言うと、ブルーズ、ジャズ、ソウルな要素を持ったプログレッシブなハードロック、っていう感じでしょうか。

 

 

 


 
冒頭はミドルテンポの非常にリラックスしたナンバーからはじまります。ゆったりしたリズムにソウルフルなボーカルと流れるようなフレーズのギターが絡みそして中盤ではヴィブラフォン(鉄琴ですね)まで出てきます。なかなかのセンスを感じさせる曲です。インパクトはないのですが、徐々に惹きつけられる引力を感じます。
 
 
「パトゥ」というバンド名は、ボーカルのマイク・パトゥの名前から。バンド前身は「タイムボックス」という60年代後半に活躍したビートポップバンド。このバンドの主要メンバーだったマイク・パトゥとギターのオリー・ハルソールを中心に結成された、らしいですね。

 

 

オリー・ハルソールはコアなファンを持つその筋で有名なギタリストのようですね。アラン・ホールズワースの後任としてテンペストでプレイ、またケビン・エアーズの信頼するギタリストとして彼のバンドでは欠かせない存在であったとか。
 
 
パトゥのサウンドの根幹にはこのオリーの音楽的志向が大きく影響しており、ジャズ・ロック的なテイストが嫌味なくブレンドされています。しかもかなりのテクニシャン!これが渋めボイスのマイク・パトゥのソウルフルさとミックスされ独自のサウンドを形成しています。しかしながら質感は「ハードロック」的で、特にこの曲などに代表される「激しさ」「エモーショナルさ」はまさにハードロックのそれではないでしょうか。
 

 

 


 

 

このアルバムはいろいろなテイストの曲あり、ヴァリエーション豊富で飽きません。自分はこうした色々な音楽的要素がミックスされたサウンドが非常に好きなのですが、現在では当たり前のミクスチャーが、この1970年というティピカルなブルーズ由来のハードロック全盛時に生み出されていた、という事に畏敬の念を禁じえません。次のアルバム「Hold Your Fire」は既にソフィスティケートされてしまうのですが、このファーストが持つ、散漫ながらも荒々しい引力は素晴らしいと感じました。
 
 
パトゥは3枚のアルバムを残して1973年解散。マイクはスプーキー・トゥースへ、オリーはテンペストへそれぞれ進みますが、1975年にマイクとオリーは再び合流し「ボクサー」というバンドを結成。マイクが1979年に咽頭ガンで亡くなるまで続きました。オリーはその後ケビン・エアーズと行動をともにしますが、1992年にヘロインのオーヴァードーズで亡くなりました。今日はもう一曲だけ、彼らのジャズテイスト・プログレテイストがよく表れた曲を紹介して締めたいと思います。
 
「ボクサー」というバンドも聴いてみなきゃな。